うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『真珠湾収容所の捕虜たち』オーテス・ケーリ ――アメリカの傘の下で

……米軍での考え方はその反対だった。将校が模範を示さないと兵隊は動かないし、将校は兵隊より立派なるがゆえに、将校なんだという考え方が普通だった。 ◆所感 ドナルド・キーン等の日本研究者(後に日本国籍取得)とも同僚だった元情報将校が書いた本。 祖…

ふたたびダイビング、潜水関連本

自宅に通称NAVY SEALS文庫ができました。 未踏の大洞窟へ―秋芳洞探検物語 作者:桜井 進嗣 海鳥社 Amazon シャドウ・ダイバー 深海に眠るUボートの謎を解き明かした男たち 作者:ロバート・カーソン 早川書房 Amazon 海上保安庁特殊救難隊―限りなき挑戦 作者:…

『On Tyranny』Timothy Snyder  ――放っておけば社会は腐る

冒頭のLeszek Kolakowskiの言葉……「政治において、騙されたという言い訳は通用しない」。 ロシア語、ウクライナ語の文献からヒトラーやスターリン、独ソ戦を研究する歴史学者による本。『Blood Land』、『Black Earth』などで有名である(その内、本メモをア…

Spartan 新潟 Beastに出てきました

https://jp.spartan.com/ja/race/detail/7721/overview GALA湯沢で21㎞+障害物走ですが、ほとんどスキー場の坂で走る場所がありませんでした。 終わった後、20分ほど歩いた場所に銭湯があって、リフレッシュできました。

『警察官ネコババ事件』 ――今でもありそうな事件

大阪府警堺署による冤罪でっちあげ事件を追った読売新聞の記事を書籍化したものである。 ja.wikipedia.org ◆所感 本書から読み取れる警察及び報道機関の問題点は以下のとおりである。 ・監察の機能不全 警察内部の不正を取り締まる部署の長が、署長よりも弱…

『Beasts, Men and Gods』Ferdinand Ossendowski ――ロシア辺境、モンゴルをさまよう自然科学者

◆メモ en.wikipedia.org 著者Ossendowski(オッセンドウスキ、オッセンドフスキー)はポーランド出身の自然科学者であり、ロシア革命期に白軍に加わり、中央アジアからモンゴルにかけて遠征した。 本書は革命軍の逮捕を逃れた著者の旅行記である。ロシアの辺…

セキュリティ関連の本を買った

仕事の関係で本を買いました。 仕事とはいえ1日8時間労働であれば人生の三分の一を消費するので、なるべく自分にとって楽しい仕事にしたいと思いました。 The Mobile Application Hacker's Handbook (English Edition) 作者:Chell, Dominic,Erasmus, Tyrone,…

『ナポレオン帝国』ジェフリー・エリス ――ナポレオン研究の紹介

◆メモ ナポレオンはフランス、ヨーロッパ史に大きな影響を残しており、政治的にも、正確な評価を行うのに苦労する対象のようである。 本書はナポレオンが作り上げた制度や社会システムに関して、刊行当時最新の研究成果をまとめたものである。 ナポレオン研…

海軍についての本を買う

同じ著者の『海軍反省会』シリーズもいずれ読んでみたいです。 聞き書き・日本海軍史 作者:戸高 一成 PHP研究所 Amazon

『裁判官はなぜ誤るのか』秋山賢三 ――忙しくて公正や人権など考えているヒマがなさそう

◆所感 公正に判決を下すことを期待されている裁判官の実情について。 裁判所は各裁判官を厳しく統制しており、また裁判官は業務に追われ狭い職場の中で生きている。統制によりかれらは小役人となり、検察の言うことをそのまま流して事件を手早く処理すること…

潜水について勉強する

◆ダイビングのリスクマネジメント スキューバダイビングを始めて、最終目標は洞窟ダイビングとするにあたり、事故にあわないように勉強を始めました。 スキューバダイビングは事故発生時の死亡率が非常に高く、また事故率も一説によれば東京ドーム観客5万人…

『天皇家の財布』森暢平 ――三種の神器は非課税かつ売買不可の私的財産

◆所見 天皇家・宮家への国家予算の使われ方を細かく解説した本である。 用途のなかには非効率的なもの、疑問の湧くものも多くあり、今後、時代に適応するよう変えていく必要を実感させる。法律上、天皇家を運営しているのは国民なので、そうした議論は当然行…

『We Crossed a Bridge and It Trembled』 Wendy Pearlman ――シリアの中の人の証言

◆所感 ・アラブ語圏滞在歴の長いジャーナリストが、シリア内戦についての証言を集め組み合わせた本。 シリアのハーフェズ・アル・アサド政権時代からデモ、内戦、難民発生にいたる様子を、当事者の言葉によって描く。 ・シリア人たちの生活や境遇に関して証…

最近、観ているもの

◆子供と貧乏 DVDで持っている「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」をDisney+で観直しました。 「泥の河」もそうですが、貧しい環境の中で生きる子供の話に弱くなりました。 貧しさがテーマではないですが、田舎の村が舞台ということで「二十四の…

死亡率から考えている ~アメリカの白人中年男性の死亡率が高いそうです

◆絶望死 『絶望死のアメリカ』(みすず書房)は、英国出身の経済学者アンガス・ディートンと、アメリカ人経済学者アン・ケースが書いた本である。 アメリカ疾病対策予防センター(CDC)から取得した死亡率に関するデータを参考に、アメリカの高卒白人中年男…

『44 Months in Jasenovac』Egon Berger ―― クロアチアの絶滅収容所に関する記録

◆ヤセノヴァツとは 著者のBergerはクロアチアのユダヤ人で、ヤセノヴァツ収容所の数少ない生き残りである。 ja.wikipedia.org 第2次世界大戦中、ドイツはクロアチアに傀儡国家「クロアチア独立国」を作った。クロアチア独立国を運営したのは、ナチスと友好関…

海のサバイバルと、ヘブライ語、関西旅行計画

◆海で生き延びる ダイビングライセンスをとったので、月1回のペースでダイビングをしようと思い、一通り器材を買いました。 あわせて、事故防止・危険生物対策のため、参考書を買いました。 昔から危険な生き物、毒々しい生き物(動物、植物、虫、魚、菌類、…

『歌舞伎の歴史』今尾哲也 ――傾奇者、アウトローたちの話

◆所感 歌舞伎とはなにかについて解説する本。 歌舞伎の成り立ちや、時代ごとに生まれたテーマや題材、著名な作家の代表作や役者について知ることができる。 ただし、各作品の細かいあらすじは、なかなか追うのが大変である。 明治以降も、ヨーロッパ演劇の要…

オープンウォーターダイバーライセンスをとった

◆ダイビング 18mまで潜れるオープンウォーターダイビングライセンスを取ってきました。 中性浮力のコントロールや水中生物(ミノカサゴ、ウツボ、フグ、オコゼなど)を体験するのがとても楽しかったので、洞窟に潜れるようになるまでダイビングをやることに…

『江戸時代の罪と罰』氏家幹人 ――治安があまりよくない

江戸時代の犯罪と刑罰について包括的に書かれた本。著者は江戸期の犯罪や、人斬り、敵討ちといったテーマを専門に研究している。 ◆所感 特に興味深いのは、江戸初期における武士たちの振る舞いである。かれらは試し切りや辻斬りなどで身分の低い者を虫けらの…

読みかけの『釜ヶ崎の福音』(本田哲郎)と、デトロイトのニーバー

◆路上の伝説 『釜ヶ崎の福音』において、フランシスコ会の神父が釜ヶ崎(大阪市西成区)で活動するきっかけを説明した部分が非常におもしろい。 釜ケ崎と福音――神は貧しく小さくされた者と共に (岩波現代文庫) 作者:本田 哲郎 岩波書店 Amazon ・著者は1942…

非信徒が読むキリスト教の本

◆キリスト教関連 買おうとおもっていたドイツの神学者ユルゲン・モルトマンの日本語訳を買った。 モルトマンは20世紀後半から活動している人物で、プロテスタントの世界では有名のようである。 ja.wikipedia.org 希望の倫理 作者:ユルゲン・モルトマン 新教…

豚あるいは豚

◆豚の歴史 とある本を読んでいて、戦後のある時期、文部省を主導していたのが歴史学者平泉澄の門下生、という記載があった。 平泉澄は戦前に力を持っていた皇国史観の歴史学者で、日本会議前身団体の立ち上げにも関わっている。 ja.wikipedia.org 中村が東京…

『思想検事』萩野富士夫 ――人間の思考をとりしまる国/特高と思想検事の連携

◆所感 特高警察とともに思想弾圧を担った思想検事について、当時の行政文書や、検事・思想犯らの回顧資料を用いて概説する。 法の拡大解釈による様々な思想の弾圧は、特高と検察が連携することにより達成された。 さらに検察は戦後の人権指令や公職追放をす…

石垣島とその周辺に行ってきた

◆島 石垣島、西表島、竹富島にいってきました。 先週は雨続きだったそうですが、今週は天気がよく観光を満喫することができました。 ダイビングを体験したのは、自〇隊那覇基地で働いていたとき以来ですが、今回久しぶりにやってとても面白かったので、ライ…

働くことと『人間の条件』、ヘンリー・ミラー、読書の実益

◆働きたくないおじさん 働きたくない、なるべく自分の時間を増やして過ごしたい私のようなニート気質の人間にとっては、「働くこと」は重大な問題である。 最近読み始めたハンナ・アーレント『人間の条件』(The Human Condition)は、働くことの意味や位置…

『いじめの構造』内藤朝雄 ――閉鎖空間からの脱出

◆所見 いじめの性質やいじめを生む構造を提示するだけでなく、そうした閉鎖集団が社会の基礎部分に蔓延する状況を、中間集団全体主義社会として提示している。 学校や職場で生じる醜い状況をほぼ正確に分析しており、解決策も説得力のあるものである。 この…

『帝国以後』エマニュエル・トッド ――2003年当時のロシア認識

著者の2003年時点での認識は2点である。 ・アメリカの力の低下 ・ロシアの協調 9.11以後、アメリカは求心力を低下させた。イラク戦争における仏独、トルコの不服従はその証拠である。 根本的原因は、アメリカが対外政策のための経済的・財政的手段をもはや持…

政教分離について調べた

◆ライシテ 最近、フランス現代史にかんしていくつか本を読んだのをきっかけに、フランスの政教分離(ライシテ)について興味を持ちました。 ・フランスは歴史的経緯により、国家・公的空間から宗教を排除する。 ・あらゆる宗教の平等を認め、信仰の自由を尊…

『日本海軍の戦略発想』千早正隆 ――「アメリカには、物量だけでなく、組織力・精神力でも負けた」

著者は終戦時、連合艦隊司令部で作戦幕僚を務めていた。その後責任をとるために自殺しようと考えたが司令長官の訓示で思いとどまった。 米海軍の要請により、日本海軍の戦術について回答するために作られた史料編纂部署に配属され、日本海軍の作戦を検討する…