うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『スターリン時代』クリヴィツキー その2 ――亡命・不審死したソ連情報員の暴露本

4 スターリン、ドル紙幣を偽造する スターリンの指示を受けた各国の工作員たちはドル紙幣の偽造に従事した。 5 オゲペウ(OGPU) OGPUはジェルジンスキーの設立したチェカの後身である。OGPUはスターリンの手先として粛清を実行したが、長官ヤ…

『スターリン時代』クリヴィツキー その1 ――亡命・不審死したソ連情報員の暴露本

◆メモ 著者のワルター・クリヴィツキーは西ヨーロッパのソヴィエト諜報機関長として勤務したのち亡命し、1941年に不審死した。 著者はロシア革命当時からボリシェヴィキとして働いてきたが、スターリンの所業――集団餓死、大粛清、スペイン内戦における不…

非農民、被差別民、博徒や悪党の歴史

フィリップ・ポンス『裏社会の日本史』は、歴史の端で扱われていた非農民、被差別民、芸能の民や博徒、悪党などを中心に扱った本である。 基盤となっているのは周縁民を取り扱う日本史学(網野等)や、明治以降の貧民・下層社会をえがいたジャーナリズム(横…

Raspberry Piを買う

ようやくCISSPの試験が終わり無事合格したので、いろいろやろうと考えていたことができます。 ◆Raspberry Piを買った 小型PCと小型モニターを買いました。目的は、サイバー関係のニュース・情報を集める端末をつくるためです。 LABISTS Raspberry Pi 4 4B-64…

『野中広務 差別と権力』魚住昭 ――ある政治の現実

◆メモ 著者によれば野中は弱者に対する気遣いを持った政治家だという。 しかし、政治家としての業務の上では、賄賂や買収、新聞記者への食事振る舞いによる世論統制などを行っている。 こうした汚い行為が政治の現実であり、今も昔も変わっていないという事…

バルカン半島、オスマン帝国

The Balkans: A Short History (Modern Library Chronicles) 作者:Mazower, Mark 発売日: 2002/08/06 メディア: ペーパーバック ◆バルカン半島 Mark Mazower『Tha Balkans』を読み始めた。 バルカン半島は長い間オスマン帝国の支配下にある「ヨーロッパ・ト…

亡命ソ連スパイの本に登場する日本

Viktor Suvorovは元ソ連軍参謀本部情報総局所属の軍人で、イギリスに亡命後、様々な暴露本を書いた。 どれも非常に面白く、また元自〇隊員としては共通点や違いを探し出すのも面白い。 ソ連解体後も、軍や情報機関は基本的に中身が変わらないので、現在に通…

『モンゴル帝国の興亡』杉山正明 その2 ――モンゴル帝国の入門

2 フレグの西方征服……イラン、バグダードのアッバース朝、イスマーイール派(シーア派暗殺教団) ja.wikipedia.org イスマーイール派は10世紀にエジプトでファーティマ朝を起こした。そこから分派した東方イスマーイール派は、イランのアルボルズ山脈を中…

『モンゴル帝国の興亡』杉山正明 その1 ――モンゴル帝国の入門

モンゴル帝国の成立から解体までをたどる。従来のペルシア語史料・中国語史料のみにとらわれず、世界史的な視野からモンゴルを再認識するのが特徴である。 読みやすいが、帝国成立後の内紛過程は複雑である。 モンゴルだけでなく、元朝、明朝、清朝ともに、…

『SleepWalkers』を読んで

オーストリア=ハンガリー帝国等に興味を持ったので、まずは新書で調べる必要があることを認識した。 ハプスブルク帝国 (講談社現代新書) 作者:岩崎周一 発売日: 2017/08/25 メディア: Kindle版 ついでに以下の本も買った。 傭兵の二千年史 (講談社現代新書)…

固定記事 ◆図書案内

◆随時更新中 本ブログに保管されている本メモ・感想文のリストです。 現在、以下のリストから漏れている本もあります。 ※ 壊れている記事があるので修正中 図書案内:日本と歴史 - うちゅうてきなとりで 図書案内:戦争と軍 - うちゅうてきなとりで 図書案内…

『大元帥・昭和天皇』山田朗 その2 ――最高指揮官の行動をたどる

3 アジア太平洋戦争における天皇の戦争指導 天皇が、対英米戦争への躊躇から、容認へと転換した理由について考える。 海軍……「ジリ貧論」(アメリカから石油禁輸されたら数か月以内に開戦すべし)、勝利の可能性は不明、覚束ないとの永野総長回答 杉山総長…

『大元帥・昭和天皇』山田朗 その1 ――最高指揮官の行動をたどる

――本書は、大元帥としての昭和天皇の軍務と戦争関与の実態を、可能な限り具体的に明らかにしようとしたものである。 ja.wikipedia.org ◆所見 天皇は何も知らなかった説、常に戦争に反対していた説が、資料(側近、軍部、天皇自身の発言録)によって明確に否…

最近観たNetflixのカタルーニャ番組

www.netflix.com カタルーニャ独立運動を題材に作られたドキュメンタリーです。 ja.wikipedia.org スペインはまだ行ったことがないので行きたくなりました。 ぽつぽつと本は読んでいましたが、あらためて調査しようと思い古本を買いました。 物語 カタルーニ…

noteを始めました

コンテンツ配信サイト、noteで文章の配信を始めました。 note.com noteでは、純粋制作物をメインに公開していく予定です。 本ブログは引き続き図書メモをアップロードしていきます。 その他のコンテンツ www.youtube.com twitter.com www.twitch.tv plicy.net

『流転の王妃の昭和史』愛新覚羅浩 ――血統がいい人の話

愛新覚羅溥傑(溥儀の弟)と政略結婚させられた嵯峨侯爵家出身者の自伝。 著者は終戦で夫の溥傑と離別したあと、周恩来の取り計らいで中国に戻り夫と再会、その後北京で生活した。 ja.wikipedia.org ja.wikipedia.org ◆所見 嵯峨家はもともと正親町三条と名…

フィクションにふたたび挑戦する

◆つぶやき 長らく読めなくなっていた小説をまた読もうとおもっていくつか買いました。 元々、中高生のときは小説ばかり読んでいたのですが、近年はほとんど通読することができなくなっていました。 読んでいる間に作り物感を察してやめるか、時間がもったい…

『権力と支配』マックス・ヴェーバー その2 ――権力を考える古典

8 合議制と権力分立 支配は伝統的にあるいは合理的に制限されることがある。 ・封建制 ・官僚制 ・合議制 合議制原理を最高決定機関に適用することで、支配を弱体化しようとする作用がある。 ――合議制は、――単一支配的な棄却合議制の事例をのぞき――精確かつ…

『権力と支配』マックス・ヴェーバー その1 ――権力を考える古典

◆メモ 歴史上の政治権力に関するデータを集め、定義として一般化しているため、理解が難しい箇所が多い。 しかし重要なのは、ヴェーバーによる民主制や官僚制の分析である。ヴェーバーが描く民主制や官僚制は、きれいごとの定義ではなく、歴史上の現実である…

一様でない国とは(米議会突入ニュースを見て)

◆米議会突入ニュースを見て www.itv.com SNSで連絡をとっている知り合いがシェアしていた画像です。駐在していた場所の関係(民主党州)なのか、わたしがアジア人だからなのか、滞在中もほとんどトランプ支持者に対面で会う機会がありませんでした。 記憶に…

年越しの本

◆内村鑑三と総理大臣の演説 『代表的日本人』の西郷隆盛チャプターにおいて、ペリー来航は、西洋文明をもたらした輝かしいものと解釈されている。 ――私は、アメリカ合衆国のマシュー・カルブレイス・ペリー提督こそ、世界の生んだ偉大な人類の友であると考え…

2021年の勉強系 IT関係と外国語

◆外国語 外国語を勉強するといいながらまだ手を付けていないので今年こそ集中したいと思います。 ・ロシア語 ・韓国語 ロシアやロシア語圏に旅行に行けるようになるのはまだ先になりますが、その間に勉強してロシア系のニュースサイト(国営、非政府系)を直…

2020年の読んだ本

◆面白かった本(順不同) 今年も戦史、日本の近代史、サイバー戦関係の本を多めに読みました。ここには載せていませんが、裁判所、検察、えん罪等の司法関係もまとめて読みました。 また、民俗学や明治以降の日本についても興味があり、本を読み始めました。…

BC級戦犯の話

最後の学徒兵―BC級死刑囚・田口泰正の悲劇 (講談社文庫) 作者:森口 豁 メディア: 文庫 『最後の学徒兵』では、海軍予備学生として徴集された大学生が、石垣島の守備隊に配属され、そこで捕虜殺害を命じられた顛末をたどる。 墜落した米爆撃機の搭乗員3名は…

『Ghost Wars』Steve Coll その3 ――ビンラディンはわしが育てた

15 イスラム主義者が政権を掌握したスーダンは、テロ支援国家となっていた。 ハルツームにおいて、邸宅に住むビンラディンは有力なテロ組織者・テロリストの「フォード財団」として有名になりつつあった。 ユースフの尋問から、合衆国内の民間航空がテロリ…

『Ghost Wars』Steve Coll その2 ――ビンラディンはわしが育てた

6 マスードは軍人の子であり、比較的裕福な環境で育った。1960年代、特にカブールではイスラム主義と共産主義の運動がさかんだった。マスードら若い将校たちはイスラム主義運動に加入した。 アフガンは19世紀以前まで、スーフィーが主流だったが、1…

『Ghost Wars』Steve Coll その1 ――ビンラディンはわしが育てた

副題は、「CIA、アフガニスタン、そしてビンラディンについての、ソ連侵攻から911までの秘史」。 ◆所見 アフガン紛争時代のCIAによる秘密支援がイスラム主義者を育成し、最終的にアルカイダはアメリカを攻撃する。 アメリカは表立ってアフガン情勢…

「私はあなたのニグロではない」

私はあなたのニグロではない(字幕版) 発売日: 2018/11/03 メディア: Prime Video ボールドウィンのエッセイを元に作られた記録映画。 ボールドウィンが交流した3人の活動家について当時の映像をもとに知ることができる。

ジェイムズ・ボールドウィンの本を買った。

James Baldwin: Collected Essays (LOA #98): Notes of a Native Son / Nobody Knows My Name / The Fire Next Time / No Name in the Street / The Devil Finds Work (Library of America James Baldwin Edition) 作者:Baldwin, James 発売日: 1998/02/01 …

『児玉誉士夫』有馬哲夫 ――外交のもう1つの顔

本書は、アメリカ(情報関係部署)が蓄積した文書資料をもとに、政治プロデューサーとしての児玉誉士夫を検討するものである。 同盟諸国に対するアメリカの政治工作について細かく書かれている。 著者はメディアや米占領期に関する研究者で、政治的立場は私…