うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『モンゴル帝国の興亡』杉山正明 その1 ――モンゴル帝国の入門

モンゴル帝国の成立から解体までをたどる。従来のペルシア語史料・中国語史料のみにとらわれず、世界史的な視野からモンゴルを再認識するのが特徴である。 読みやすいが、帝国成立後の内紛過程は複雑である。 モンゴルだけでなく、元朝、明朝、清朝ともに、…

『SleepWalkers』を読んで

オーストリア=ハンガリー帝国等に興味を持ったので、まずは新書で調べる必要があることを認識した。 ハプスブルク帝国 (講談社現代新書) 作者:岩崎周一 発売日: 2017/08/25 メディア: Kindle版 ついでに以下の本も買った。 傭兵の二千年史 (講談社現代新書)…

固定記事 ◆図書案内

◆随時更新中 本ブログに保管されている本メモ・感想文のリストです。 現在、以下のリストから漏れている本もあります。 ※ 壊れている記事があるので修正中 図書案内:日本と歴史 - うちゅうてきなとりで 図書案内:戦争と軍 - うちゅうてきなとりで 図書案内…

『大元帥・昭和天皇』山田朗 その2 ――最高指揮官の行動をたどる

3 アジア太平洋戦争における天皇の戦争指導 天皇が、対英米戦争への躊躇から、容認へと転換した理由について考える。 海軍……「ジリ貧論」(アメリカから石油禁輸されたら数か月以内に開戦すべし)、勝利の可能性は不明、覚束ないとの永野総長回答 杉山総長…

『大元帥・昭和天皇』山田朗 その1 ――最高指揮官の行動をたどる

――本書は、大元帥としての昭和天皇の軍務と戦争関与の実態を、可能な限り具体的に明らかにしようとしたものである。 ja.wikipedia.org ◆所見 天皇は何も知らなかった説、常に戦争に反対していた説が、資料(側近、軍部、天皇自身の発言録)によって明確に否…

最近観たNetflixのカタルーニャ番組

www.netflix.com カタルーニャ独立運動を題材に作られたドキュメンタリーです。 ja.wikipedia.org スペインはまだ行ったことがないので行きたくなりました。 ぽつぽつと本は読んでいましたが、あらためて調査しようと思い古本を買いました。 物語 カタルーニ…

noteを始めました

コンテンツ配信サイト、noteで文章の配信を始めました。 note.com noteでは、純粋制作物をメインに公開していく予定です。 本ブログは引き続き図書メモをアップロードしていきます。 その他のコンテンツ www.youtube.com twitter.com www.twitch.tv plicy.net

『流転の王妃の昭和史』愛新覚羅浩 ――血統がいい人の話

愛新覚羅溥傑(溥儀の弟)と政略結婚させられた嵯峨侯爵家出身者の自伝。 著者は終戦で夫の溥傑と離別したあと、周恩来の取り計らいで中国に戻り夫と再会、その後北京で生活した。 ja.wikipedia.org ja.wikipedia.org ◆所見 嵯峨家はもともと正親町三条と名…

フィクションにふたたび挑戦する

◆つぶやき 長らく読めなくなっていた小説をまた読もうとおもっていくつか買いました。 元々、中高生のときは小説ばかり読んでいたのですが、近年はほとんど通読することができなくなっていました。 読んでいる間に作り物感を察してやめるか、時間がもったい…

『権力と支配』マックス・ヴェーバー その2 ――権力を考える古典

8 合議制と権力分立 支配は伝統的にあるいは合理的に制限されることがある。 ・封建制 ・官僚制 ・合議制 合議制原理を最高決定機関に適用することで、支配を弱体化しようとする作用がある。 ――合議制は、――単一支配的な棄却合議制の事例をのぞき――精確かつ…

『権力と支配』マックス・ヴェーバー その1 ――権力を考える古典

◆メモ 歴史上の政治権力に関するデータを集め、定義として一般化しているため、理解が難しい箇所が多い。 しかし重要なのは、ヴェーバーによる民主制や官僚制の分析である。ヴェーバーが描く民主制や官僚制は、きれいごとの定義ではなく、歴史上の現実である…

一様でない国とは(米議会突入ニュースを見て)

◆米議会突入ニュースを見て www.itv.com SNSで連絡をとっている知り合いがシェアしていた画像です。駐在していた場所の関係(民主党州)なのか、わたしがアジア人だからなのか、滞在中もほとんどトランプ支持者に対面で会う機会がありませんでした。 記憶に…

年越しの本

◆内村鑑三と総理大臣の演説 『代表的日本人』の西郷隆盛チャプターにおいて、ペリー来航は、西洋文明をもたらした輝かしいものと解釈されている。 ――私は、アメリカ合衆国のマシュー・カルブレイス・ペリー提督こそ、世界の生んだ偉大な人類の友であると考え…

2021年の勉強系 IT関係と外国語

◆外国語 外国語を勉強するといいながらまだ手を付けていないので今年こそ集中したいと思います。 ・ロシア語 ・韓国語 ロシアやロシア語圏に旅行に行けるようになるのはまだ先になりますが、その間に勉強してロシア系のニュースサイト(国営、非政府系)を直…

2020年の読んだ本

◆面白かった本(順不同) 今年も戦史、日本の近代史、サイバー戦関係の本を多めに読みました。ここには載せていませんが、裁判所、検察、えん罪等の司法関係もまとめて読みました。 また、民俗学や明治以降の日本についても興味があり、本を読み始めました。…

BC級戦犯の話

最後の学徒兵―BC級死刑囚・田口泰正の悲劇 (講談社文庫) 作者:森口 豁 メディア: 文庫 『最後の学徒兵』では、海軍予備学生として徴集された大学生が、石垣島の守備隊に配属され、そこで捕虜殺害を命じられた顛末をたどる。 墜落した米爆撃機の搭乗員3名は…

『Ghost Wars』Steve Coll その3 ――ビンラディンはわしが育てた

15 イスラム主義者が政権を掌握したスーダンは、テロ支援国家となっていた。 ハルツームにおいて、邸宅に住むビンラディンは有力なテロ組織者・テロリストの「フォード財団」として有名になりつつあった。 ユースフの尋問から、合衆国内の民間航空がテロリ…

『Ghost Wars』Steve Coll その2 ――ビンラディンはわしが育てた

6 マスードは軍人の子であり、比較的裕福な環境で育った。1960年代、特にカブールではイスラム主義と共産主義の運動がさかんだった。マスードら若い将校たちはイスラム主義運動に加入した。 アフガンは19世紀以前まで、スーフィーが主流だったが、1…

『Ghost Wars』Steve Coll その1 ――ビンラディンはわしが育てた

副題は、「CIA、アフガニスタン、そしてビンラディンについての、ソ連侵攻から911までの秘史」。 ◆所見 アフガン紛争時代のCIAによる秘密支援がイスラム主義者を育成し、最終的にアルカイダはアメリカを攻撃する。 アメリカは表立ってアフガン情勢…

「私はあなたのニグロではない」

私はあなたのニグロではない(字幕版) 発売日: 2018/11/03 メディア: Prime Video ボールドウィンのエッセイを元に作られた記録映画。 ボールドウィンが交流した3人の活動家について当時の映像をもとに知ることができる。

ジェイムズ・ボールドウィンの本を買った。

James Baldwin: Collected Essays (LOA #98): Notes of a Native Son / Nobody Knows My Name / The Fire Next Time / No Name in the Street / The Devil Finds Work (Library of America James Baldwin Edition) 作者:Baldwin, James 発売日: 1998/02/01 …

『児玉誉士夫』有馬哲夫 ――外交のもう1つの顔

本書は、アメリカ(情報関係部署)が蓄積した文書資料をもとに、政治プロデューサーとしての児玉誉士夫を検討するものである。 同盟諸国に対するアメリカの政治工作について細かく書かれている。 著者はメディアや米占領期に関する研究者で、政治的立場は私…

『韓国併合』海野福寿 ――植民地政策の時代

明治政府による朝鮮保護領化から併合までを時系列で説明する本。 ◆所見 著者の立場は、韓国併合は、当時の国際法上は適法だったものの、道義的には問題があったというものである。 明治政府は設立後すぐに台湾や沖縄、朝鮮などの獲得に乗り出しており、完全…

ブラック・フライデーと民俗学など

最近はAmong us、Fortniteを遊んでいますが、下手です。 知り合いといっしょにMonster Hunter Worldを始めようかと考えています。 ブラック・フライデーセールが各所でやっているのでいろいろと買い物をしました。 ◆PC・ゲーム関係 ゲーミングキーボード RGB…

『わが半生』溥儀 その3――宮殿の異常な人びとと、そこにたかる人びと

7 板垣との面会、溥儀が満洲国執政を受け入れる経緯について。 ja.wikipedia.org ――……かれは鞄のなかから『満蒙人民宣言書』と五色の『満洲国国旗』をとりだして、私の前の小卓の上に置いた。私は怒りで胸もはりさけそうになっていた。ぶるぶる震える手でそ…

『わが半生』溥儀 その2――宮殿の異常な人びとと、そこにたかる人びと

6 溥儀は皇后と結婚し、また妃を迎えた。婚礼行事は清朝時代のように盛大におこなわれたため、国民からの反感を買った。各外国行使が出席し、また各地に散っていた清朝の遺臣たちが春の虫のようにやってきた。 しかし、結婚して何が変わるわけでもなく、溥…

『わが半生』溥儀 その1――宮殿の異常な人びとと、そこにたかる人びと

宣統帝、愛新覚羅溥儀が1964年に北京で出版した自伝で、直後香港で話題になり世界で増刷された。 ja.wikipedia.org ◆所見 溥儀は西太后の指令によって光緒帝の養子となり、皇帝となった。溥儀の家系は西太后らが展開する醜悪な権力闘争を生き延びた。 共…

第1次世界大戦と第2次世界大戦の本

最近、Christopher Clark『The Sleepwalkers』を読み始めた。 冒頭では、セルビアがなぜテロ組織や義勇軍を抱えるようになったか、なぜオーストリアのボスニアヘルツェゴビナ併合に抵抗したのかが詳しく書かれている。 The Sleepwalkers: How Europe Went to…

『ゴー・フォー・ブローク』渡辺正清 ――日系人部隊の話

アメリカ人としての存在意義を証明するために従軍した日系二世部隊の足跡をたどる。 著者自身もアメリカ生活が長く、かつての退役日系人たちとともにイタリアの戦跡を再訪することで、かれらの歴史を振り返る。 ◆メモ なぜ日系人部隊に注目するのか ・なぜか…

『グアテマラ虐殺の記憶』 その2 ――グアテマラ内戦に関する数少ない日本語の本

2 ゲリラとの戦いにおいて、軍はゲリラ浸透度合いで地域をゾーン化し、対策した。住民の大量拘留、移動制限、モデル村構築によるゲリラ拠点の無力化が行われた。軍は、様々な学問を利用し、また人種偏見に基づいて先住民族に対応した。 軍は、ゲリラ蔑視、…