うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『禅』鈴木大拙 ――禅の普及に努めた人物による説明

◆メモ 英語版Wikipediaには、鈴木大拙がナチズムとユダヤ人追放政策にある程度の共感を表明していた事実や論争が取り上げられているが、日本語版では丸々省かれている。 キリスト教聖職者とドイツ安楽死作戦に関する本("By Trust Betrayed")でも、多くのド…

ララミー砦の思い出

ワイオミングはのどかなところでした。 en.wikipedia.org

『スノーデン 日本への警告』スノーデン ――知識は無知を制する。そして自らを律しようとする市民は知識が与える力で武装しなければならない

“Knowledge will forever govern ignorance, and a people who mean to be their own governors, must arm themselves with the power knowledge gives.”― James Madison スノーデンが暴露した大量監視システムに関する話題を中心に、民主主義社会における監…

『僕は少年ゲリラ兵だった:陸軍中野学校が作った沖縄秘密部隊』NHKスペシャル取材班 ――我が国の少年兵政策

沖縄戦時、北部でゲリラ戦を強いられた少年兵たちがいた。 NHKの取材班は、生き残った当時の人びとを取材しその全貌をつかもうとする。 新潮文庫版は『少年ゲリラ兵の告白』という書名に変わっている。 ◆所見 小野田氏で有名な陸軍中野学校二俣分校が主役…

『東本願寺三十年紛争』田原由紀雄 ――寺の内部抗争について

東本願寺紛争とは、1969年ごろから表面化した、「宗門の天皇家」大谷家――親鸞の血を引く一族であるーーを中心とする伝統擁護派と、「同朋会運動」を中心とする改革派との争いである。 ja.wikipedia.org 本願寺は、親鸞没後、関東の有力門弟が京都東山・…

明治時代を考えたい / 中国のIT産業

◆明治時代について調べる 石光真清という明治時代の陸軍人の本が面白いと聞いたのでまとめて買った。 ja.wikipedia.org (実際は古本で買った) 城下の人 - 新編・石光真清の手記 一 西南戦争・日清戦争 (中公文庫) 作者:石光 真清 発売日: 2017/11/22 メデ…

『タテ社会の人間関係』中根千枝 ――ルールではなく人に従う

日本論の古典の1つだという。 本書の目的は、現代日本社会を社会人類学によって分析し、それがどのようなものかといった理論を提示するものである。 ◆所見 本書で考察されている企業(一体感、家族ぐるみ)の様子は、一昔前のものである。しかし、現代にも…

『自省録』マルクス・アウレーリウス その2 ――生きているうちに、許されている間に、善き人たれ

5 重視するべきなのは次の精神である……「誠実、謹厳、忍苦、享楽的でないこと、運命にたいして呟かぬこと、寡欲、親切、自由、単純、真面目、高邁な精神」 恩を売るようなことは慎むこと。 すべてを与えられたものとして受け入れること。 人間にとって自然…

『自省録』マルクス・アウレーリウス その1 ――生きているうちに、許されている間に、善き人たれ

2世紀のローマ皇帝によるメモ。マルクス・アウレーリウスの治下は戦争が絶えなかった。 エピクテトスのストア哲学から強い影響を受けている。セネカ、エピクテトス、マルクス・アウレーリウスらの後期ストア派は、宗教的色彩を帯びており、「哲学は初期の人…

南洋諸島の歴史、その他歴史

『忘れられた島々』 ・ 日本は敗戦までの30年間、ミクロネシアを国連委任統治領(国連脱退後は実質的な領土)として支配していた。 ・サイパンなどの南洋諸島には10万人超の日本人移民がおり戦闘で半数以上が死んだ(戦死や集団自殺)。 ・徴用漁船は6…

『回顧七十年』斎藤隆夫  ――変革の手段を持たない国家は、自己保存の手段も持たない

引用:エドマンド・バーク “A state without the means of some change is without the means of its conservation. Without such means it might even risk the loss of that part of the constitution which it wished the most religiously to preserve.”…

『海軍伏龍特攻隊』門奈鷹一郎 ――やる前にだれか止めなかったのか

予科練出身の著者が、伏龍特攻隊員となった経緯や体験を語る。 ◆所感 実現可能性のない政策がどのような結果を招くかについて学ぶ必要がある。 伏龍要員や、人間地雷要員に着目すると、まずかれらは失策の被害者ではないかと強く感じる。 航空特攻のように、…

暗号関係の読み物

暗号化 プライバシーを救った反乱者たち 作者:スティーブン・レビー 発売日: 2002/02/16 メディア: 単行本 レビーの『暗号化』は非常に面白かった。 わたしたちが現在使っているネットショッピングやカード利用、ATM、その他インターネットの大部分は、暗号…

『ジョゼフ・フーシェ』シュテファン・ツワイク ――政治家のあるべき姿

ja.wikipedia.org フランス革命から帝政、王政復古時代にかけて権力闘争を生き延び、黒幕として権力を保持した人物の伝記。 ロベスピエールやナポレオンといった指導者が失脚していくなかで、フーシェは「無性格」、「無道徳」によって危機を回避した。 フー…

夏休み ――『虜人日記』、『特攻基地知覧』、『軍律法廷』を読んだ

『虜人日記』は、1944年から終戦にかけてのフィリピン戦線、米軍捕虜収容所について書かれた日記をまとめた本である。 著者の小松真一は、昭和19年1月に陸軍専任嘱託を命ぜられ、第十四軍司令部付の軍属となった。軍属も軍服に似た制服を支給され、軍…

『ナチスの「手口」と緊急事態条項』長谷部恭男 ――危機や災害のたびに権限集中を主張しよう

◆所感 法学者による緊急事態条項の説明。 各地のアメリカ人がよく好む対比は「民主主義VS暴政(Democracy VS Tyranny)」だった。 共産主義や社会主義を敵視しながら、同じような政治体制になっていくのは残念なことである。 *** 1 緊急事態条項は「ナチス…

メモ ダニエル・デネット『心はどこにあるのか』の参考図書

心はどこにあるのか (ちくま学芸文庫) 作者:デネット,ダニエル・C. 発売日: 2016/10/06 メディア: 文庫 メモ ・学問系の翻訳をAmazonで探すと、半分くらいは翻訳がひどいというレビューがついている。 ・価格が高騰している 心の概念 作者:ギルバート …

★2020 自己紹介及び近況

◆無職戦闘員→労働者にジョブチェンジ 自〇隊退職後の無職戦闘員期間を経て、今年から新しい仕事をすることになりました。 内容はサイバー関連なので、やることはあまり変わりません。とりあえず当面クビにならないようにしようと思いました。 出社の必要もな…

『日本の外交は国民に何を隠しているのか』河辺一郎 ――北朝鮮マインドを持つ腰巾着

著者は国連外交を主要テーマとする研究者である。アメリカ合衆国の軍事政策・イラク戦争に反対し、国際協調と国連を重んじる立場である。 本書もその立場から書かれてはいるが、日本の外交、つまり外務省がどのような行動をしているかを知る点では、政治信条…

最近のカントリー

最近聴いているカントリーは以下のとおりです。 (クラシックでない)カントリージャンルに特化した日本語ブログは検索したところ数個しか存在しないようなので、わたしも開設してみようかと考えています。 Jon Pardi - Ain't Always The Cowboy (Official M…

『階級』ポール・ファッセル ――人からどう見られているか気になるアメリカ人

民主主義社会であるアメリカにも階級が存在するが、そのことについて大っぴらに話すのはタブーとされているという。 身分制社会とは異なり、民主主義の国では皆が平等である。いいかえれば、だれも大した価値を持たないということでもある。 本書では、身だ…

テレビがなくなった

◆テレビがなくなった 先日、テレビを捨てて、代わりに大型PCディスプレイを導入した。 Acer 4K モニター ディスプレイ OmegaLine 48.5インチ EB490QKbmiiipfx IPS HDMIx3 DisplayPort HDR対応 スピーカー内蔵 ブルーライト軽減 リモコン付 発売日: 2018/06…

『不実な美女か貞淑な醜女か』米原万里 ――翻訳、通訳、外国語学習について

有名な翻訳者、著述家による本。 通訳としての経験を交えて、異なる言語間、文化間のコミュニケーションについて考える。 母国語について深く知ることが通訳のみならず外国語学習にとって重要だという。英語や外国語を使えるというのは、母国語を使いこなせ…

捨てられた人、駆り出された人のメモ

最近読んでいた本のメモ: ◆シベリア抑留 当時(シベリア抑留者帰国時)、ソ連は自国の政策や抑留政策を対外的に公開しておらず、また日本には理想的な社会主義観が広まっていた。 知識人たちは、抑留者たちの手記や証言を否定し、かれらを批判した。 ――「八…

『The Nemesis of Power』Sir John Wheeler-bennett その4(4/4) ――ヒトラーに制圧されたドイツ軍

3 フリッチュ危機から戦争勃発まで ・1938年9月:チェコスロヴァキア進軍と併合 ヒトラーのチェコスロヴァキア進出計画を聞いた参謀総長ベックは、軍事的に不可能だとして恐慌に反対し、辞職した。司令官ブラウヒッチュに対し、クーデタを呼びかけるが…

『The Nemesis of Power』Sir John Wheeler-bennett その3(3/4) ――ヒトラーに制圧されたドイツ軍

2 シュライヒャーの時代 シュライヒャーは政治的陰謀に長けた、狡猾で陰険な人物と描写される。 ja.wikipedia.org 1928年には国防相をグレーナーに据えるなど自らと親しい人物(兵務局長ハンマーシュタイン(Hammerstein)など)で固め、自身は官房局(…

『The Nemesis of Power』Sir John Wheeler-bennett その2(2/4) ――ヒトラーに制圧されたドイツ軍

2 ゼークトの時代 共和国軍(Reichswehr)の創設……共和国の存立基盤であり、政治から超然とし、いかなる党派にも属さない軍。 フォン・ゼークトは将軍の子として生まれ、陸軍の中で異例の速さで昇任し参謀本部要員となった。第1次大戦では主に東部戦線で活…

『The Nemesis of Power』Sir John Wheeler-bennett その1(1/4) ――ヒトラーに制圧されたドイツ軍

ドイツ国防軍がヒトラーをあなどり、やがて掌握されていく様子を時系列で詳しく書いた本。 著者であるイギリス人ウィーラー・ベネットは、20年代から30年代までドイツで政治研究を行っていた。 非常に生まれが良いため(ケント州のアッパーミドル出身)…

またじとおもえば むらさめのそら

◆組織と文明について考える 有名な組織論の本『学習する組織』で引用されていたバーバラ・タックマンの本。 なぜ組織は硬直化し失敗するのかを学ぶことができるという。 愚行の世界史(上) - トロイアからベトナムまで (中公文庫) 作者:バーバラ・W・タックマ…

『餓死(うえじに)した英霊たち』藤原彰 その2 ――日本軍の餓死に関する概説書

7 中国戦線の栄養失調症 敗戦までの2年間は、中国戦線でも餓死・戦病死が戦死を上回った。 ――某病院で数名の栄養失調症患者が臥床していたところ、食餌として与えられた一椀の粥を隣の患者より奪わんとし、仮眠中を利し絞殺しようと喉をしめかけたところ、…