うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

『The Occupation』Patrick Cockburn その1

副題は"War and resistance in Iraq". 数十年にわたってイラクの取材を続けてきた報道記者コバーンが、イラク戦争後の米軍占領の実態を伝える。 現地からの報告により米国、米軍のお粗末な政策と悲惨なイラクの様子を明らかにする。 イラクの民主化と政権移…

『休戦』プリーモ・レーヴィ

『アウシュヴィッツは終わらない』(未読)の続編。 主人公であるイタリア系ユダヤ人の生き残りは、アウシュヴィッツから解放され、赤軍の占領地域を通って故郷に帰る。 本書に登場するのは、第2次世界大戦を生き延びた、無名の人びとである。 かれらの特徴…

『公安警察の手口』鈴木邦男

趣旨: 公安警察は極めて政治的な存在であり、政府や体制に批判的な人間、危害を及ぼしそうな人間を監視する。公安は市民の自由をおびやかしており、またそれに対する批判の声も聞こえない。 著者は新右翼の活動家で公安の監視対象となっている。 本書では実…

低温の神

わたしは、1羽のふくろうとして、 メンフクロウの姿を手に入れて 黒い眼をうごかした。 朝の霧が 土のすきまからのぼり、 森の中に 日が差すころ、 一団の兵隊が、歩いてくるのを わたしは見た。

『ザ・マーセナリー』フランク・キャンパー

著者は元米軍人で、傭兵学校を開設したが、本書出版時は自動車爆弾による殺人未遂で服役中だったという。 淡々とした文体で、著者の心情やコメントは時折挿入される程度である。 ベトナム派遣後、FBIの工作員、サウジアラビア軍の支援、傭兵学校、中南米…

『ナチスの知識人部隊』クリスティアン・アングラオ その2

3 ナチズムと暴力 戦争がはじまると、東方をゲルマン化する計画が始動した。 国家保安本部、ドイツ民族性強化全国委員部、東部省、人種・移住本部、ドイツ民族対策本部が、それぞれ協力しゲルマン化政策に参加した。 ・東方において、帝国の外に居住する「…

『ナチスの知識人部隊』クリスティアン・アングラオ その1

本書において、著者は、ナチス親衛隊の情報部(SD, Sicherheitsdienst)に所属したアカデミカー(大卒)の親衛隊員たちの心理や背景を理解しようとする。 かれらは情報部においてドグマ形成、政治的監視、国内外の情報収集を行った。また、東部出動に派遣…

『身分差別社会の真実』斎藤洋一 大石慎三郎

本書は中世から江戸にかけての「えた・ひにん」等の被差別身分について説明する。 ◆感想 江戸時代は身分制の下に成り立っていたが、特に被差別民については、発祥は中世までたどることができるという。 被差別民をつくりだす社会を維持してきたのは、政治権…

粘土人形制作 ウンゲルン1号 その3(終)

人形第1号の完成までを報告します。 4 手の接続、塗装 アルミホイルでつくった腕の芯が不均衡のため、左右で手の大きさが違います。 また、肉付けしたためうまく接続できず脱臼したようになっています。 この時点で当該人形に対する執着を失い、塗装も投げ…