うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2017-11-01から1ヶ月間の記事一覧

『アデナウアー』板橋拓己 その1

アデナウアーは現在でもドイツの復興、繁栄、建国イメージに結び付けられているが、その実像は複雑である。 また、日本ではヒトラーに比べて無名である。 本書は、自由民主主義体制の定着と西側路線への決断を軸にして、西欧化していくドイツの歴史を、アデ…

たとひわれ死のかげの谷を農王系 18 うばわれた敵

18 うばわれた敵 たとひわれ死のかげの谷を農王系 - 18 うばわれた敵 たとひわれ死のかげの谷を農王系 たとひわれ死のかげの谷を農王系 あらすじ…… 石英の星の下に生まれたわたし、ナーナーが農王系に拉致され、教育戦を指揮し、敵を亡ぼす物語 たとひわ…

『Blowing up Russia』Alexander Litvinenko その2

6 ブイナクスク、モスクワ、ヴォルゴドンスクでの爆弾テロについて。様々な状況証拠や、報道から、著者はFSBが自作自演によって引き起こしたと考える。 ・事前に計画や動きが漏れており、また直後に亡命したFSB士官からの暴露があった。 ・使用された…

『Blowing up Russia』Alexander Litvinenko その1

ソ連崩壊以降、KGB(ソ連国家保安委員会)がいかに権力を掌握してきたかを論じる。 本書はロシアでは発禁とのことである。 著者のリトビネンコは元FSB職員であり、暗殺指令を拒否しイギリスに亡命した。2006年に同僚に放射性物質ポロニウム210…

『白熱講義! 日本国憲法改正』小林節

憲法の役割を改めて説明し、特に9条、二院制、人権条項について部分的な改正の必要性を主張する本。 憲法に対する評価や改正方針は論者によって様々である。著者は憲法調査会で集団的自衛権解釈を否定した学者の一人であり、テレビ等への出演が多い。 近年…

『ぼくはアメリカを学んだ』鎌田遵

岩波新書『ネイティブ・アメリカン』の著者が、自身のアメリカ生活について書いた本。 ◆感想 著者は、留学資金は持っていたかもしれないが、一般的な学歴からは外れた人物である。放浪と異国生活を通して、生きる上で何が重要かを考えた。それは非常に参考に…

電線

夕焼けには 赤い手が 扉をひらく音がする 雲をつくような 手がぬっとあらわれて 神父の目をふさぐ 夏の空に 切り込みをいれるのは だれだ 森から森へ 鉄による、毛糸の 巻き取りの作業 送信は続く。 地面が冷えて 羽虫たちが 兵舎に帰っていくだろう。

粘土人形 道具と計画

粘土人形を作りはじめたので、今後はこれもブログに投稿していきます。 完全な素人のため、いまは練習のために原始ハニワを生産中です。 次回以降、人形の制作過程を投稿します。 ◆粘土の夢 フェーズ1 人形の制作: 単純人形、パペット、球体関節 フェーズ…

『The Great Game』Peter Hopkirk その3

3 終盤 クリミア戦争の結果、ロシアでは反英論(Anglophobe)が高まっていた。 1858年、アレクサンドル2世は、若い軍人イグナティエフ(Ignatiev)をヒヴァ、ブハラに派遣した。かれはその後北京に向かい、アロー戦争中の清国と英国との仲介になり、1…

『The Great Game』Peter Hopkirk その2

2 中盤 中央アジア、特にアフガニスタンを傘下に入れようと、英露の対立が強まり、紛争が各地で勃発した。 1831年頃、ベンガルインド軍のアーサー・コノリー(Arthur Conolly)は、モスクワからインドにかけて探検し、コーカサス地方~カイバル峠間、カ…

『The Great Game』Peter Hopkirk その1

グレートゲームThe Great Gameとは、中央アジアを南下するロシア帝国と、インドを拠点とする大英帝国との紛争を示す言葉である。 なお、この言葉の生みの親とされるイギリス東インド会社のコノリー(Conolly)大佐は、1842年、ブハラ・ハン国(現在のウ…

『戦艦武蔵』吉村昭

戦艦武蔵の建造から撃沈までを題材にした記録文学。取材を基につくられてはいるがあくまで文芸作品のようだ。 特に建造過程が詳細に説明されており、秘密保全や、軍と会社のやり取り等、現代にも受け継がれている要素がありおもしろい。 ・秘密保全……武蔵の…

楽しい粘土、ピエロ

◆戦争論 他国の無職戦闘員との話し合いのために、まじめにクラウゼヴィッツを読んでおくことが必要と思い、アメリカでほぼ定訳となっているらしいピーター・パレ版を買った。 情けないことに『戦争論』は解説本や軍事学の教科書でしか読んだことがない。これ…

『サウジアラビア』保坂修司

矛盾を多く抱えた国家について解説する。 アメリカの同盟国であると同時に、9.11実行者の大多数を輩出し、また冷戦期にビンラディンやアフガン・アラブを支援した国でもある。 日本人の視点からは非常に不思議な社会であり、抱える問題もわたしたちとは…

ねじり技師たち

技師1が扉をあけたとき、 そのとき 彗星の糸とともに 石ころの音がなった。 技師2は 「この音は、この世の終わりがなっている音」 「生きているものの国が、崩れ落ちる音」 と言った。 だれかがそれを聞いた。