うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2018-02-01から1ヶ月間の記事一覧

『神の歴史』カレン・アームストロング その4

8 15、16世紀は西洋が東方文明を追い越し、進出を始めた時代である。この過程でキリスト教も激変し、カトリックとプロテスタントに分裂した。 オスマン帝国がコンスタンティノープルを占領し、東ローマ帝国が滅亡したことにより、ギリシア正教はロシア…

『神の歴史』カレン・アームストロング その3

5 イスラームの勃興について。 アラブにはユダヤ・キリスト教が根付かず、部族の団結が主だった。部族は生き残りをかけて互いに抗争し、復讐の掟により安全を保障した。個人は部族に従属し、また男は責任をもって部族の弱者を保護した。 しかし、クライシュ…

『神の歴史』カレン・アームストロング その2

3 ユダヤ教から、キリスト教が派生していく過程について。 ユダヤ教と同じように、キリスト教初期には様々な思想が林立していた。キリスト教は同時代の哲学から多くの要素を吸収した。 ・イエスの存命中、またパウロの時代までは、イエスを神と同一とする考…

『神の歴史』カレン・アームストロング その1

本書は、ユダヤ教・キリスト教・イスラーム教を対象に、人間の神についての認識がどのように変遷してきたかをたどる。 非常に分厚い本だが読んでよかったと考える。 神、自分たちより超越的な存在という観念は、人間の歴史とともに常に存在してきた。しかし…

写字生の歌

足の裏ににじむブドウと鈴蘭の小人をつまむような音の葉 大伽藍を囲む鐘楼中二階の奥でふやけた土星がのぞく

『太陽系はここまでわかった』コーフィールド

太陽系の各惑星を解説する本。天文学者や惑星探査機の働きに焦点をあてている。 地球の外に生命が存在するのかという疑問は、長年の間、天文学者や技術者たちの関心を集めてきた。 ◆メモ 探査機の無線通信システムについて、また、エウロパやタイタンといっ…

筋肉について

先日、アリゾナ記念館見学に行ってきました。 有名なアリゾナ号慰霊碑は対岸のフォードアイランド側にあるため、海軍運営のボートで向かいます。乗船の前に、ホールで映像による説明を受けます。真珠湾攻撃に至るまでの経緯や、合衆国における位置づけ等を知…

『KGB帝国』エレーヌ・ブラン その2

第2次チェチェン紛争は政府側によって意図的に引き起こされたのではないかと考えるジャーナリストがいる。 ――テロ対策はすべての人を結束させる最高の口実だ。 ――彼(プーチン)はアンドロポフとブレジネフ双方の血を引いた雑種的人物だ。 ――プーチンにとっ…

『KGB帝国』エレーヌ・ブラン その1

本書の目的:1982年から2004年にかけての、ペレストロイカ、ソ連崩壊、プーチン政権誕生までを説明し、情報機関KGB=FSBが国家権力を掌握していった過程を明らかにする。 ◆所見 フランスから見たプーチン・ロシアのイメージの1つ。 KGBが…

『五・一五事件』保阪正康

五・一五事件は1932年に発生した。 五・一五事件をきっかけに台頭した、国民のなかのファシズムと、事件の関与者である愛郷塾の創設者橘孝三郎とを検証する。 厳密には歴史の本ではなく、著者が調査結果をもとに再構成した劇である点に注意する。 *** 橘…

『法華経を読む』鎌田茂雄

法華経の各巻を解説する。聞いたことのある熟語や、たとえ話(増上慢)等も紹介されており、参考になる。 *** 法華経の成立・構成 1世紀にインドで成立後、5世紀、天台大師智顗が「法華経」に基づいて天台宗を成立させた。その後、伝教大師最澄によって日…