うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2018-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『Obama's Wars』Bob Woodward その1

「オバマの戦争」であるアフガン戦争に関する、大統領とその側近、NSC、軍の意思決定をたどる本。 袋小路に陥っていくアフガンの状況と、オバマと軍との対立が明らかにされる。 ブッシュの戦争であるイラク戦争が一段落し、オバマ陣営はアフガンの状況悪…

敵の声・敵の部屋

今読んでいる本はハンナ・アーレントの『The Origins of Totalitarianism』(全体主義の起源)で、近代に生まれた反ユダヤ主義が、帝国主義の時代を経て、最終的に、20世紀の特異な現象である全体主義(ナチスドイツやスターリン体制)を生み出した経緯を…

『日本の社会保障』広井良典

社会保障を考える上で、年金、医療費といった個別に分けて論じるのではなく、そもそも国家が負担すべき国民のリスクとは何かを検討し、その後、あるべき社会保障の姿を検討する。 制度自体が複雑でわかりにくいため、この本も自分のような素人には読みにくい…

『検証アメリカ500年の物語』猿谷要 その2

3 第1次大戦終結(1918年)まで ・修正憲法により黒人の自由、市民権、選挙権が認められたが、南部各州では黒人差別の合法化がすすめられた。 ・先住民の追放、虐殺も激化し、1871年の法律により先住民は居留地Reservationへ追い込まれた。 ・18…

『検証アメリカ500年の物語』猿谷要 その1

大航海時代から現在までのアメリカの歴史をたどる。アメリカ合衆国の大きな流れを理解するために役に立つ。 おそらく合衆国では常識であろう事実(建国の経緯など)を覚えることも重要である。 合衆国は自由や平等、民主主義といった理念に基づいて建国され…

『CIAと戦後日本』有馬哲夫

アメリカの国立公文書館史料を基に、アメリカが日本の戦後体制にいかに影響を与えてきたかを検討する。 ◆メモ 占領から一貫してアメリカが日本政治に影響を与えてきたことを検討する本。 日本の有力者たちは、金や自己利益のためにCIAのスパイ、工作員に…

恐怖の男を考える

Fear: Trump in the White House 作者: Bob Woodward 出版社/メーカー: Simon & Schuster 発売日: 2018/09/11 メディア: ハードカバー この商品を含むブログを見る ウォーターゲート事件に関する著作『大統領の陰謀』、『ディープ・スロート』や、ブッシュ、…

『インテリジェンスの基礎理論』小林良樹 その2

インフォメーションの分析に関して、以下のような問題が生じる。 ・インテリジェンスの政治化(政治に従属し、または政治を操作するために、収集分析が曲げられること) ・ミラー・イメージング(自分がこうだから相手もこうだろう) ・クライアンディズム(…

『インテリジェンスの基礎理論』小林良樹 その1

安全保障政策に直結するインテリジェンスについて体系的に学ぶことを目的とする本。 書名のとおり、基礎事項が網羅されている。個別の事例や、歴史的な変遷については最低限の記述である。 ◆所見 インテリジェンスのプロセス、すなわち情報収集と分析は、国…

『ふしぎな部落問題』角岡伸彦

『はじめての部落問題』の著者による続編。 部落問題の矛盾点や、メディアによる偏見や誤情報の拡散、近年の新しい事象(ネットでの情報氾濫など)にも触れている。 同時に部落解放運動の新しい形も紹介しており、現状を知る助けとなる。 *** 近年の部落問題…