うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ハテナの笛

はっきりと、輪郭をととのえる ふちどりを、紺と藍の 二重のひもで 神明にちかって 形をころすことが、いま その年だ わたしは、監視を続けたい 天の一角と、大顔の 面をかぶった大きな仏僧たちが 分列行進しながら 笛を吹いている、その あの人たちを わた…

『シルクロード』スヴェン・ヘディン

『馬仲英の逃亡』に続くシルクロード3部作の2作目だが、時系列としては前作よりも前から始まる。 1933年秋、北京のスウェーデン・ハウスに滞在していたヘディンは、国民政府の重役と会談し、民国発展のために新疆への自動車道路開発が有意義なのではな…

『ドキュメント アメリカの金権政治』軽部謙介

アメリカ民主主義の実態について批判的に検討する。 テーマはロビイスト、政治献金、利益誘導、そうした金権政治に抵抗する市民の活動である。 自由民主主義の価値観と制度に立脚していても、権力や金に由来する、不正や金権政治を防止するのは非常に困難で…

『海上護衛戦』大井篤

◆著者の基本的立場 ――なにしろあの太平洋戦争という民族的大悲劇は、決して天災ではなく、まったくの人災だった。しかもこの人災は、戦略計画上の誤算によって引き起こされ、また長期化、深刻化されたとみるべき点が大いにあったと私は思う。 自身の体験を基…

『Obama's Wars』Bob Woodward その2

ウッドワードは、マクリスタル司令官の極秘文書コピーを入手し、新聞で報じた。 報道の前には、慣習により政府に事前通告と調整を行うが、これは報道の自由を重視する米国ならではの手続きである。 ・極秘文書を入手した民間人は、それをどう扱おうと処分さ…