うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2022-01-01から1年間の記事一覧

『ザ・フェデラリスト』ハミルトン、ジョン・ジェイ、マディソン ――その権力分立、機能してますか

所感 独立したアメリカ合衆国において、適切な権限を持つ連邦政府を作ろうと主張した古典。 合衆国憲法は、歴史上最古の近代的憲法であり、本書に書かれている基本的な原則は今も有効のものが大半である。 特に「司法の任命権が行政・立法に委ねられていると…

伊豆・熱海でダイビング

冬でも快適に潜れました。 夜のダイビングは、何が出るかわからないのでとてもおもしろいです。魚が寝ているのを初めて実際に見ました。 熱海には沈没船があるので、それも見に行きました。ですが、GoProのバッテリー交換を忘れていて撮影できませんでした。…

大阪スパルタン

今月参加した大阪スパルタンレースが大阪ローカルで紹介されていたようで、わたしが映っていました。 年明けの茨城レースにも参加予定です。 今年、ガーラ湯沢で開催されたBEAST(20㎞)では、足がつったので、坂道対策トレーニングをする予定です。 www.you…

『忘れられた島々』井上亮 ――南洋諸島と日本の歴史

日本は敗戦までの30年間、ミクロネシアを国連委任統治領として支配していた。 歴史から忘れられがちな太平洋諸島と日本の関わりをたどる。 ja.wikipedia.org ◆所感 ・サイパンなどの南洋諸島には10万人超の日本人移民がおり戦闘で半数以上が死んだ(戦死や集…

『誰もが嘘をついている』セス・スティーヴンズ=ダヴィドウィッツ ――Googleが見ている

グーグル検索等のビッグデータを元に人間の行動を検討する。 所感 本書を書いたのは哲学・経済学を研究してきた人物である。 グーグル検索やビッグデータは、それまで偏見や固定概念、主観によってしか説明されてこなかった分野を、真に科学的な手法で分析す…

滋賀と三重の旅行 その3 ~鉄炮、忍者、寺、らっこ

三重 続き 伊勢神宮(外宮) 今回初めて伊勢神宮に行きました。 雨が降っていて寒かったので、普段より来訪者は少なかったようです。 大きい木が多かった印象です。 鳥羽水族館 今回、鳥羽水族館に行こうとおもったのは、日本に数頭しかいないというらっこを…

滋賀と三重の旅行 その2 ~鉄炮、忍者、寺、らっこ

滋賀 続き 甲賀の里 忍術村 甲賀市の忍者施設の職員の方に「山を切り開いたところにあります」といわれた忍者テーマパークです。 駐車場と入口だけみると、営業しているかどうかわかりません。 忍者屋敷では、緑色の忍者職員が仕掛けを説明してくれました。…

滋賀と三重の旅行 その1 ~鉄炮、忍者、寺、らっこ

旅行 滋賀県と三重県に行ってきました。 関西については、自〇隊で働いているときに1年ほど奈良に住んでいました(=収監されていた)が、当時は週末しか外に出られず、大阪と京都の市内、有馬温泉くらいしか行ったことがありませんでした。 今回は、忍者、…

『愚行の世界史』バーバラ・タックマン その2 ――驕り高ぶり言語道断

5 ヴェトナム戦争 ヴェトナム戦争に関わった5人の大統領たちは、自分たちが失敗しているという多数の証拠があったにもかかわらず、国益に反する行動を追求した。これは、愚行の典型的なパターンである。 フランス植民地 ルーズヴェルト大統領は強固な反植民…

『愚行の世界史』バーバラ・タックマン その1 ――驕り高ぶり言語道断

歴史上の愚行について考える本。 ◆所感 愚行とは、当時から多くの批判や警告を受けていながら、政府や統治者が誤った固定観念や保身のためから愚かな政策を断行することをいう。 本書で題材になっているヴェトナム戦争と同じく、失敗とされる戦争の多くは、…

江戸の犯罪を考える、など

◆江戸時代、曲者 江戸時代の盗賊や悪党について調べたくなり本を買いました。 「火附盗賊改」の正体 ――幕府と盗賊の三百年戦争 (集英社新書) 作者:丹野 顯 集英社 Amazon 江戸の犯罪白書―百万都市の罪と罰 (PHP文庫) 作者:重松 一義 PHP研究所 Amazon 古文書…

『The Forgotten Soldier』Guy Sajer ――東部戦線はとてつもなく広い

◆『The Forgotten Soldier』について 著者はドイツに占領されたアルザス地方のフランス人で、未成年で国防軍に徴兵され、はじめは兵站部隊に、その後志願して戦闘職種である「大ドイツ師団」に配属されソ連との戦いに参加する。 ja.wikipedia.org フランス語…

サバゲ―を初めてやった & 筑波山

◆サバゲ― 無職戦闘員の職場にサバゲ―マーがいるので、わたしも初めて参加しました。 かくれんぼ+射撃という感じでとても面白かったです。 今回はエアガンなども全部レンタルだったので、自分用のエアガンを買いました。 www.tokyo-marui.co.jp ◆筑波山 茨城…

『米国先住民の歴史』清水知久 ――個人的な思い出もあるインディアンの歴史

◆所感 アメリカ合衆国におけるインディアンの歴史をたどる本。 数百年の歴史を通じて、徐々自治や自立の権利が認められてきたものの、インディアン(先住民、ネイティブアメリカン)は、平均的にまだ非常に貧しい状態に置かれている。 先住民については、カ…

『日本奥地紀行』イザベラ・バード ――残っていないようで残っている日本の風景

1870年代の日本や韓国などアジアを旅したイギリス人イザベラ・バードの旅行記。 ja.wikipedia.org 特に、東北の奥地やアイヌの生活が描かれている点が貴重である。 ◆所感 西欧文明に適合しようと、様々な技術や風習を導入しようとする当時の日本の様子が細か…

ドクトリンがないと軍隊は行動できない

日本陸軍で使われていた『統帥綱領』を読んでいます。 ja.wikipedia.org 軍司令官以上がとるべき戦略や指揮について記載した本であり、内容は、当時の日本軍が重視していたクラウゼヴィッツやドイツ帝国軍の影響下にあります。 統帥綱領 作者:大橋武夫 建帛…

『冤罪はこうして作られる』小田中聰樹 ――戦後の冤罪の歴史

◆所見 冤罪の生まれる原因は司法制度そのものに由来する。それでも、戦前から戦後にかけて、拷問の軟化や再審制度の運用など、中世的な状態から改善されてきてはいる。 その担い手は、人権や民主主義といった「きれいごと」を実現しようとする弁護士や有志だ…

『真珠湾収容所の捕虜たち』オーテス・ケーリ ――アメリカの傘の下で

……米軍での考え方はその反対だった。将校が模範を示さないと兵隊は動かないし、将校は兵隊より立派なるがゆえに、将校なんだという考え方が普通だった。 ◆所感 ドナルド・キーン等の日本研究者(後に日本国籍取得)とも同僚だった元情報将校が書いた本。 祖…

ふたたびダイビング、潜水関連本

自宅に通称NAVY SEALS文庫ができました。 未踏の大洞窟へ―秋芳洞探検物語 作者:桜井 進嗣 海鳥社 Amazon シャドウ・ダイバー 深海に眠るUボートの謎を解き明かした男たち 作者:ロバート・カーソン 早川書房 Amazon 海上保安庁特殊救難隊―限りなき挑戦 作者:…

『On Tyranny』Timothy Snyder  ――放っておけば社会は腐る

冒頭のLeszek Kolakowskiの言葉……「政治において、騙されたという言い訳は通用しない」。 ロシア語、ウクライナ語の文献からヒトラーやスターリン、独ソ戦を研究する歴史学者による本。『Blood Land』、『Black Earth』などで有名である(その内、本メモをア…

Spartan 新潟 Beastに出てきました

https://jp.spartan.com/ja/race/detail/7721/overview GALA湯沢で21㎞+障害物走ですが、ほとんどスキー場の坂で走る場所がありませんでした。 終わった後、20分ほど歩いた場所に銭湯があって、リフレッシュできました。

『警察官ネコババ事件』 ――今でもありそうな事件

大阪府警堺署による冤罪でっちあげ事件を追った読売新聞の記事を書籍化したものである。 ja.wikipedia.org ◆所感 本書から読み取れる警察及び報道機関の問題点は以下のとおりである。 ・監察の機能不全 警察内部の不正を取り締まる部署の長が、署長よりも弱…

『Beasts, Men and Gods』Ferdinand Ossendowski ――ロシア辺境、モンゴルをさまよう自然科学者

◆メモ en.wikipedia.org 著者Ossendowski(オッセンドウスキ、オッセンドフスキー)はポーランド出身の自然科学者であり、ロシア革命期に白軍に加わり、中央アジアからモンゴルにかけて遠征した。 本書は革命軍の逮捕を逃れた著者の旅行記である。ロシアの辺…

セキュリティ関連の本を買った

仕事の関係で本を買いました。 仕事とはいえ1日8時間労働であれば人生の三分の一を消費するので、なるべく自分にとって楽しい仕事にしたいと思いました。 The Mobile Application Hacker's Handbook (English Edition) 作者:Chell, Dominic,Erasmus, Tyrone,…

『ナポレオン帝国』ジェフリー・エリス ――ナポレオン研究の紹介

◆メモ ナポレオンはフランス、ヨーロッパ史に大きな影響を残しており、政治的にも、正確な評価を行うのに苦労する対象のようである。 本書はナポレオンが作り上げた制度や社会システムに関して、刊行当時最新の研究成果をまとめたものである。 ナポレオン研…

海軍についての本を買う

同じ著者の『海軍反省会』シリーズもいずれ読んでみたいです。 聞き書き・日本海軍史 作者:戸高 一成 PHP研究所 Amazon

『裁判官はなぜ誤るのか』秋山賢三 ――忙しくて公正や人権など考えているヒマがなさそう

◆所感 公正に判決を下すことを期待されている裁判官の実情について。 裁判所は各裁判官を厳しく統制しており、また裁判官は業務に追われ狭い職場の中で生きている。統制によりかれらは小役人となり、検察の言うことをそのまま流して事件を手早く処理すること…

潜水について勉強する

◆ダイビングのリスクマネジメント スキューバダイビングを始めて、最終目標は洞窟ダイビングとするにあたり、事故にあわないように勉強を始めました。 スキューバダイビングは事故発生時の死亡率が非常に高く、また事故率も一説によれば東京ドーム観客5万人…

『天皇家の財布』森暢平 ――三種の神器は非課税かつ売買不可の私的財産

◆所見 天皇家・宮家への国家予算の使われ方を細かく解説した本である。 用途のなかには非効率的なもの、疑問の湧くものも多くあり、今後、時代に適応するよう変えていく必要を実感させる。法律上、天皇家を運営しているのは国民なので、そうした議論は当然行…

『We Crossed a Bridge and It Trembled』 Wendy Pearlman ――シリアの中の人の証言

◆所感 ・アラブ語圏滞在歴の長いジャーナリストが、シリア内戦についての証言を集め組み合わせた本。 シリアのハーフェズ・アル・アサド政権時代からデモ、内戦、難民発生にいたる様子を、当事者の言葉によって描く。 ・シリア人たちの生活や境遇に関して証…