うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

『Hitler』Joachim C. Fest その3

6 準備期間 大統領の死に伴いヒトラーは総統及び首相の兼任となった。 国民投票では、社会民主党支持者とカトリック(中央党)がまだヒトラーを拒絶していた。 ・恫喝外交と宥和政策……1935年の英独海軍協定、ヴェルサイユ条約破棄と徴兵制復活、ベルリ…

『Hitler』Joachim C. Fest その2

3 長い待機 ランツベルク刑務所に収監された期間を、ヒトラーは「国費による大学」と形容した。かれは『わが闘争』を執筆し、ヘスらの編集を経た後出版された。この本にはゴビノーの人種理論を曲解したドイツ民族主義、反セム主義が強く反映されている。 1…

『Hitler』Joachim C. Fest その1

ヒトラーの伝記。 フェストは「ヒトラー最期の12日間」の原作者でもあり、本書もヒトラー研究の古典とのこと。 歴史観について……もしヒトラーがポーランド侵攻前に死んでいれば、かれはナポレオンやアレキサンダーに連なる古代的な偉人として称えられ、反…

『在日朝鮮人 歴史と現在』水野直樹、文京洙

19世紀末から現代までの、在日朝鮮人の歴史を解説する本。 在日朝鮮人は特殊な歴史的経緯をもって日本に定住しており、そうした事情を理解することができる。 1 朝鮮人が日本にやってくるのは、1899年頃からである。九州の炭鉱会社や、朝鮮で軍事施設…

『公安警察スパイ養成所』島袋修

昭和49年から59年にかけての、かなり古い時代の公安警察に関する暴露本。 石垣島出身の沖縄県人であるということで、米軍、日本政府と県民の間に軋轢が存在する点が特殊である。 ◆メモ 現在でもなお共産党対策に莫大な予算と人員が使われているのは、果…

眠りの日

霧のなかから にじみだす 朝の波 鳥の巣とともに 黄金の 煙が吹く 舟のへさきに 日がぶつかり その日の丸い顔が 浮かび上がった 翅の音に あわせて 調子をそろえるように 労農軍が 鋤を振り 溝をほり 夏にはかれらの 子供を植える

「父の祈りを」

制作:1993年 監督:ジム・シェリダン 原題:In the name of The Father IRAによるロンドン近郊・パブ爆破事件(ギルフォード・パブ爆破事件)の濡れ衣を着せられ、15年間服役させられた北アイルランド人たちの実話に基づく。 ・主役たちは、英国警…

『The Ghost of Freedom』Charles King その5

◆ソ連時代から現代、おわり 第2次世界大戦では、グルジア人のソ連邦英雄も現れた。 一方、北コーカサス部族(チェチェン、イングーシ、カラチャイ、メスへティア・トルコ、クルド)は、ドイツに協力したとして、カザフスタンやシベリアに強制移住させられた…

『The Ghost of Freedom』Charles King その4

◆近代化からロシア革命を経て、ソ連の時代へ 19世紀後半から始まったグルジア人のナショナリズムは、地方エリート、ブルジョワ・リベラルに分かれ、いずれも西洋からの影響が強かった。 20世紀初頭、より過激な若者たちがマルクス主義から影響を受け、第…

『The Ghost of Freedom』Charles King その3

イマーム(Imam)と総督(Viceroy) アヴァール人の王族、ガジ・ムハンマドの子孫であるシャミール(Shamil)は、ダゲスタン・チェチェンにおいて、ロシアに対し長期の抵抗戦を行った。 シャミールはイマームを名乗り、スーフィー教団を基盤として、蜂起した…

『The Ghost of Freedom』Charles King その2

防衛線(the Line)での生活 ・19世紀初頭までのロシアの辺境統治政策は、コサックを住まわせ砦を拠点として防衛させるというものだった(防衛線政策)。 ・実際には、コサックたちは辺境の民、山岳部族(the Mountaineers, the Highlanders)と交流してい…

『The Ghost of Freedom』Charles King その1

◆紹介 政治権力、民族、宗教、言語が複雑に入り乱れるコーカサス地方について、歴史をたどりながら概説する。 歴史上のエピソードや、各民族ごとの違いなどが書かれており、コーカサス世界の多様性を知ることができる。 以前ジョージア共和国を旅行したとき…

たとひわれ死のかげの谷を農王系 17 さまよえるコデックス

17 さまよえるコデックス たとひわれ死のかげの谷を農王系 - 17 さまよえるコデックス たとひわれ死のかげの谷を農王系 たとひわれ死のかげの谷を農王系 あらすじ…… 石英の星の下に生まれたわたし、ナーナーが農王系に拉致され、教育戦を指揮し、敵を亡…

『ユーゴスラヴィア現代史』柴宜弘 その2

4 戦後国家の様々な実験 チトーの社会主義は自主管理・非同盟・連邦制を特徴とする。 チトーの政策が最終的にユーゴ解体に至った原因について。 ・連邦制の下、民族の平等が唱えられたが、あくまで理念であり紛争の種は残った。 ・土地改革……対独協力者から…