うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

今日のスペイン語 その24

・目的格代名詞を並べるときは「間接+直接」 ~に…を ¿Puedes comprarme las rosas? Si, te las compro. El profesor nos enseña la física. 物理 El profesor nos la enseña. ・どちらも3人称のとき、間接のle, lesはseで代用する Los padres compran los…

『ワイマル共和国』林健太郎

史上最大の民主主義憲法を携えた議会制国家から、なぜナチスが生まれたのを考えるのがワイマル研究第一の課題であり本書の根本でもある。 *** 憲法成立までに長い混乱の時期がつづいた。まず休戦ののちも玉座を去ろうとしないヴィルヘルム二世にたいしてキー…

『クルーグマン教授の経済入門』クルーグマン

原題「あまり期待できない時代」。 本書はアメリカ経済をわかりやすく解説したものだが、それでも素人にはほとんど理解できなかった。 *** 経済を考える上で重要なのは三つだけ、生産性、失業、所得配分。他のあらゆる事項はこの三つに付随するにすぎない。…

『政治的なものの概念』カール・シュミット

政治的なものの概念を定義することからはじまる。 民主主義体制においては「すべてこれまでは国家的な問題が、社会的なものとなり、逆に、すべてこれまでは「たんに」社会的な問題が、国家的なものとなる」。 宗教、文化、教養、経済、これら中立的なものも…

『マンガでわかる統計学』

推測統計学は「標本の情報から母集団の状況を推測する学問」である。はじめから母集団が計測可能なものは記述統計学という。 データには測れない「カテゴリーデータ」と測れる「数量データ」とがある。カテゴリーデータとは「おもしろいかつまらないか」とい…

『金融のしくみ』

金融入門として読む本。二〇〇二年に書かれたためか若干古い。また図解雑学『投資の仕組み』と重複する項目もある。 *** 不良債権問題とはなんだったのか。まず不動産業界・建設業界が不況にともなう地価の下落によって大幅に資産を減らしてしまった。銀行か…

『図解雑学 投資のしくみ』

図解雑学も三冊目だが、「投資」→「株」→「通貨と経済」とすすめていく。この本はミクロ、マクロとは異なりほんとうに純然たる雑学にとどまっている。学問の導入書ではない。図解イラストは前の二つよりおもしろい。 こんなものはさっさと読みおわってスティ…

今日のスペイン語 その23

Me apetece tomar cerveza. (entrando en la sala) ¿Qué hay Isabel? ¡Hola, Carlos! ¡Qué ramo tan grande traes! Te gustan mucho las azucenas. ¿verdad? Sí, me encantan. Muchas gracias. Voy a ponerlas en el florero. ¿Donde esta tu amiga japonesa…

『図解雑学 マクロ経済学』

1 マクロ経済学とは何だろうか マクロにはケインズ学派と新古典学派の二派がある。ケインズ経済学は需要面から分析し、政府の介入を推奨する。新古典派は供給面から分析し、自由市場を肯定する。ケインズ学派は短期の分析に、新古典学派は長期的な経済成長…

『図解雑学 ミクロ経済学』

1 ミクロ経済学とは何か 資源の希少性の観点から経済学を定義すると、効率のよい資源配分と公平な所得分配という二つのテーマが導かれる。 経済全体を巨視的に見るのがケインズからはじまるマクロ経済学、経済を構成する家計や企業、市場に注目するのが新古…

『鏡の国の戦争』ジョン・ル・カレ

『寒い国から帰ってきたスパイ』と共通の世界が舞台のようで、スマイリーやリーマスといった名前も出てくる。リーマスは死んだ、と言及されているので『寒い国~』以後の話らしい。 イギリス諜報部(サーカス)は外務省傘下の機関だが、この本で描かれるのは…

『文化帝国主義』ジョン・トムリンソン

感情的な文章から本書ははじまる。曰く、テレビは異文化を侵略している、土着文化は支配されている、帝国主義の一形態である云々。この文化帝国主義とは何かを考えるのがこの本の趣旨である。 文化帝国主義批判につきまとううさんくささは、批判するものの立…

このブログの作者について

このブログの作者について 現在30歳で、今は関東に住んでいます。結婚していますが子供はまだいません。 趣味は本を読むこと、映画を観ること、後は運動です。健康維持のため、10年ほど格闘技をやっています(キックボクシング、ブラジリアン柔術、総合…

『追憶への追憶』ミラー

人間との出会いを賞賛するもっとも効果的な方法は「人との出会いが大事」と白々しいことばを吐くのではなく人びとの列伝をつくることである。ミラーの本のけっして少なくない部分が、人間の陳列棚で構成されている。棚はミラーの設計および装飾によってつく…

『冷房装置の悪夢』ミラー

これはWW2末期に書かれたアメリカ帰還の書である。 ヨーロッパから戻ってきたミラーは改めてアメリカの問題を認識した。アメリカは、奴隷たちの民主主義の国になってしまった。貴族ではなく奴隷、機械が平等に生活する国、無為と無害の一生を約束される国…

ロケット、ロケットをほぐした線(2012)

読め、鳥の骨をととのえて機械をとりつけたメーターを、わたしが、魚の骨をのどにつまらせて、そのままトラックのうしろに放り上げられたとき、その軌跡が、いま、とくに 何も見当たらない端末の操作盤に示されているとおもった、いや、また、虫唾の走るどう…

『朝の影のなかに』ホイジンガ

ナチスが台頭するなかで書かれた、現代ヨーロッパの病理についての診断書である。内容は、古典主義者ホイジンガの説教・講釈といえよう。キリスト教にやや重きを置きすぎている傾向はあるが信徒としてはごく普通の態度である。また、彼の強調するとおりキリ…

『文学的表現主義』菊盛英夫

表現主義とは一般にドイツでおこった芸術運動を指すが、この言葉の概念は一致していない。ベルリンの芸術家だけを指すものから、フランスはじめヨーロッパの印象主義者、フォーヴィスト、キュビズムまでを含む定義も存在する。 菊池によれば印象主義と表現主…

『終りなき戦い』ジョー・ホールドマン

ベトナム戦争から帰ってきた作者が書いた兵隊の話。強力かつ危険な強化スーツを着用し、遠い惑星に遠征したのち、トーランとよばれる敵性宇宙人とたたかう。ウィリアム・マンデラたちはすぐれた頭脳ゆえに兵士にえらばれたエリートたちだが、訓練中につぎつ…

『鼠と竜のゲーム』コードウェイナー・スミス

作者は20世紀初頭、日露戦争、中国の革命期にアメリカ政府の東アジア担当として多大な活躍をした人物であるという。『スキャナーに生きがいはない』はからだの感覚すべてを機械化された不死の人間たちを描く。彼らは視覚以外の感覚をもたず、肉体の動作や…

『紙の中の戦争』開高健

「塹壕の中のことは語らない」ということばにあるように、戦場は本来極度に言い表しにくいものである。 開高はわたしと大分異質な人間なのか、読んでいると頻繁にひっかかる。つねに感心しうなづきながら読める文章があるとすればこちらはその反対である。か…

古い壁実験(2012)

次のとおりわたしは教わった、かれが、太陽光線のつくる 白い束、焼けただれたカーテンと、断熱材の壁の表皮をたばねる 総経理になると、さまざまなどうぶつの うごきをまかされた 朝、おきると自分のからだは これまでにかれに対してあびせられた 高慢なこ…

『大本営参謀の情報戦記』堀栄三

戦前まで日本最大の官僚組織であった日本陸軍において、著者は情報を担当した。本書はその記録である。一人称が自分の名字なのは軍隊の慣習なのだろうか。 情報分析の本質・手法についての考察を織り交ぜつつ、著者の大本営での勤務の様子と、組織の実態が明…

『火の記憶Ⅰ 誕生』エドゥアルド・ガレアーノ

インディオの創世神話には、罰と制約の概念が頻繁にあらわれる。神は完全な世界を司り、ほかのものが自らに伍しようとするのを許さない。こうして傲慢な動物はこらしめられ、その特徴をからだに刻まれる。うさぎは耳をつかんで放り落とされ、コウモリは羽を…

『ブッダのことば スッタニパータ』

反復が多用される。いっさいの執着を絶つことを何度も強調する。 修行者は肉体を嫌悪する。 ――身体は、骨と筋によってつながれ、深皮と肉とで塗られ、表皮に覆われていて、ありのままに見られることがない……人間のこの身体は、不浄で、悪臭を放ち、(花や香…

『レ・ミゼラブル』ユゴー

書名通りの惨めな人びとが順番に表現されていく。 ディーニュ市の司教ビヤンヴニュ氏の聖人伝と、そこにやってきた追放者ジャン・ヴァルジャンの司教宅訪問から物語ははじまる。銀の匙のみならず燭台までもさしだす話。ガキの貨幣を奪い取る話。 女と遊び人…

『アフリカ創世記』ロバート・アードレイ

ドーキンスかデネットか忘れたが、別の生物学の本では否定されていた説。 "African Genesis" 、よくわからぬ経緯で手に入れた本。 動物の行動について本格的に研究がすすめられたのは二〇世紀に入ってからのことである。一方、アフリカでアウストラロピテク…

今日のスペイン語 その22

■words ramo m,花束 traer,持ってくる gustar, ……が好きである azucena f, ゆり encantar, 魅了する poner,置く florero m,花束 bromear, 冗談を言う interesar, 興味をもたせる por desgracia, 残念ながら estar fuera, 外出中である tonto, ばかな、おろか…

『一下級将校の見た帝国陸軍』山本七平

『私の中の日本軍』につづいて読む山本七平の本。 日本人は役職を与えられると別人のように態度が変わるが、これが事大主義すなわち大に仕える主義である。大にはゴマをすり、小はあごで使う、この傾向は戦前から一貫しているという。たしかに、日本人に限ら…

『フリアとシナリオライター』バルガス・リョサ

リョサの学生時代を元にかかれた小説。 バルギータス(リョサの愛称)は大学に籍を置いたままラジオ局で働く一方、短編小説を書いては破り捨てていた。そこへやってきたのがボリビアの天才ラジオドラマ作家、ペドロ・カマーチョである。カマーチョの書くシナ…