リョサの学生時代を元にかかれた小説。
バルギータス(リョサの愛称)は大学に籍を置いたままラジオ局で働く一方、短編小説を書いては破り捨てていた。そこへやってきたのがボリビアの天才ラジオドラマ作家、ペドロ・カマーチョである。カマーチョの書くシナリオ、リョサと叔母フリアの恋愛を交錯させて話が進んでいく。
眼を引くのはカマーチョのつくるとっぴな、ユーモアあるエピソードと、カマーチョの奇怪な生態である。教会、軍隊、警察、サッカー、ネズミ捕り、吟遊詩人、黒人、アルゼンチン嫌い、ペルーの様々な要素から自由に連想された物語がこの小説の根幹だろう。これもまた想像力の作品である。
- 作者: マリオバルガス=リョサ,Mario Vargas Llosa,野谷文昭
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2004/05
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 65回
- この商品を含むブログ (31件) を見る