うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『ノストローモ』コンラッド

コンラッドの最良の本といわれる。彼の小説にはかならず自身の解説がつけられているが、この話も自分の経験および知人をきっかけに生まれたようである。 *** 物語は語り手の意思によって場面を転々と変える。地理環境の描写から、クーデターにより逃れてきた…

今日のスペイン語 その21

Emilio va a la escuela a las nueve. 1 ¿A que hora sale usted de casa? Salgo a mediodia. 2 ¿Puedes tu hablar francés? 3 Los niños duermen en su cuarto. 4 El padre muestra un mapa a sus hijos. 5 Alejandro y Ana rien por el chiste. 6 Lola y A…

『ヘリオーポリス』ユンガー

ギリシア、ローマ、ペルシアといった異教的道具でつくられた、大理石と宝石の世界が舞台である。「大戦争」ののち地球の環境は激変し、他の惑星への進出がはじまっていた。大理石都市ヘリオーポリスは、摂政の座に誰も座るものがない「空位の時代」にあった…

うちゅうてきな眼(2012)

うちゅうてきな眼は、片目だとおもった、複数のものを みたことがない、いつも片方の眼で、まぶた、まつ毛といった 構成物品をぜんぶ取り払った、眼球がひとつ だけあるとおもう、この人は 冬のまだおわらない日に、空は白っぽくなり、排水口の 格子のすき間…

呪いの合唱が円錐の環になって(2012)

からだがこわれるときは、胴体や頭部が 損傷するか、もしくは、老化がすすんで、栄養をもった、毒のふくろになるもの。 わたしの住んでいる堂は、高地に 囲まれた、低い湿地のなかにある。 わたしの姉がいつも案内人をつとめた 案内をしないことにしている …

『The struggle for mastery in europe 1848-1918』A.J.P.Taylor メモ4

戦時外交 第一次大戦では、三国協商も同盟国も、どちらも聖戦を唱えた。ドイツは特に戦争目的に欠けていた。この目的欠如は結局終戦までつづいた。協商にとって、戦争は実際にはドイツの勢力拡大阻止を意味していた。 まもなくイタリアが協商側として参戦し…

『The struggle for mastery in europe 1848-1918』A.J.P.Taylor メモ3

「世界政策」の時代 列強は本格的に海外進出に乗り出す。ホーエンローエ内閣の外相ビューローは、ドイツの「世界政策」への転換を示す象徴である。英、独、露は極東、とくに中国に注目する。 一八九九年、イギリスはボーア戦争をはじめる。この際列強はみな…

『The struggle for mastery in europe 1848-1918』A.J.P.Taylor メモ2

フランスの孤立 ルクセンブルクをめぐってフランスとプロイセンが対立する。ナポレオンはプロイセンとの対立を望まなかったが、世論はナポレオンがルクセンブルクを手に入れてくれるだろうと期待していたので、皇帝は矛を向けざるをえなくなった。フランスは…

『The struggle for mastery in europe 1848-1918』A.J.P.Taylor メモ1

平沼騏一郎ではないが、複雑怪奇な陣取りゲームで、すべての国家の動向を把握するのは自分には不可能だった。 *** 本書のテーマとなる1848年から1918年の七十年間は、経済や外交といった非軍事力によってヨーロッパの列強が争った時代であり、またヨーロッパ…

『The problem of philosophy』Russell メモ3

14 the limits of philosophical knowledge たいていの哲学者は、宗教の教義や、宇宙の本質的合理性や、ものごとの無実体性や、悪の非実在性を、先見的、形而上学的思惟によって証明できると述べてきた。しかしラッセルによればこうしたことはいっさい無益…

『The problem of philosophy』Russell メモ2

6 on induction inductionとは帰納である。雷が稲光の存在を導くように、存在Aは存在Bを示唆する。そうでなければわれわれは私的空間のなかに封じ込められるだろう。この知覚の拡大ははたして可能なのか、もしそうならばどういう効果があるのか。 本質の統…

『The problem of philosophy』Russell メモ1

英和辞書をひくと経験所与だとかききなれない単語が並んでいるが当面は無視する。 認識論ばかりにこだわっている、と一見感じるが、そもそも哲学自体この問題にまつわる学問なのだろう。 ただでさえ門外漢な哲学の、さらにややこしい分析哲学にいきなりとり…

『Thucydides』Perez Zagorin

トゥキディデス入門書。 トゥキディデスはいまでも大きな影響力をもつが、それは彼の著作がもつ特異な歴史哲学によるところが大きい。また、彼の記したペロポネソス戦争は、最盛期のアテネと、スパルタのたたかいの記述で、ここに書かれている国家関係や人間…

寺院が垂直になっている(2012)

観光団は案内人にしたがって門をくぐった、先頭に 方形ののぼり、観光の名目をプリントした、アルミの旗をもった旅行会社の 人形がいて、石畳のすき間に指を 差しこんで、よじのぼる。 日がかたむくと、城壁にむけて白い円が吸いよせられて 空は紫色になった…

今日のスペイン語 その20

■不規則動詞の直説法現在 頻出動詞 dar 与える... doy das da damos dais dan ir 行く... voy vas va vamos vais van ver 見る... veo ves ve vemos veis ven saber 知る... se sabes sabe sabemos sabeis saben caber はいる... quepo cabes cabe cabemos c…

『The quiet American』Graham Greene

対米戦争中のベトナムが舞台である。題材として現代にも通じるものがあり、関心も強いので若干ていねいに読むことにする。 *** やかましい一般的アメリカ人とは異なるパイル氏が死体となって発見される。主人公であるフォウラーと、パイルの婚約者であった現…

『社会科学入門』猪口孝

後半にいくにつれて具体的な指針が出てくる。 常に好奇心をもち、発想を豊かにするために新鮮な環境を用意し、自分の目で見、議論をし、作文を習慣づけ、自分のための情報処理システムをつくり、数字に強くなり、外国語を習得することが大切である。 ――むや…

今日のスペイン語 その19

間が空いてしまった。 ■ 不規則動詞の直説法現在 -goとなる動詞 tener 持つ... tengo,tienes, tiene, tenemos, teneis, tienen salir 出る... salgo sales sale salimos salís salen hacer 作る、する...hago haces hace hacemos haceis hacen decir いう ..…

『All the pretty horses』Cormac McCarthy

牧場の所有権はフランクリン氏に移り、フランクリン氏は少年にたいし、世の中には仕方のないことがいくつもあるが、これがそのひとつだ、と言った。少年は友達のロリンズを夜中に迎えにいき、一緒に旅にでる。二人は馬に乗るが、すでにトラックの走っている…

『フランコ スペイン現代史の迷路』色摩力夫

スペイン戦争には9つの誤解が存在する。これは当時の各勢力の宣伝戦の結果で、思い込みがいまもなお効力をもっていることを示す。 九つの巷に流布する神話とは……「内戦はフランコの蜂起からはじまった。内戦はファシズム諸国もしくは共産勢力の陰謀である。…

『The ministry of fear』Graham Greene

『権力と栄光』(挫折)、『第三の男』、『内なる私』、"human factor"につづくグリーンの本で、今回は戦時中、爆撃にさらされているロンドンが舞台である。 主人公ロウは、偶然おとずれた慈善バザールでのささいなもめごとから、なぞの男に命を狙われる。こ…

『帝国主義』ポーター

本書で扱うのは、帝国主義が「いかにして生成し、そののち成長したのかという、その過程」であって、植民地主義や低開発といったものではない。扱う年代は一八六〇年~一九一四年が主である。 帝国主義ということばは学術用語ではないという意見もある。古く…

今日のスペイン語 その18

■不規則動詞の直説法現在 つづき contar 数える... cuento cuentas cuenta contamos contáis cuentan poder できる... puedo puedes puede podemos podéis pueden dormir 眠る... duermo duermes duerme dormimos dormis duermen encontrar, 見つける rogar,…

『禅と戦争』ブライアン・アンドルー・ヴィクトリア

戦中における禅宗と国粋主義の関係を、僧籍をもつ研究者が説明する。今まで読んだ本にくらべて珍しい視点から書かれた本である。 *** 檀家制度によって幕府の役人となっていた既成仏教教団は、一部では農民を搾取したりなど幕府との癒着もあったが、明治維新…

『クオ・ワディス』シェンキエーヴィチ

善悪には拘泥しないが審美眼だけはもっていると自負する男ペトロニウスと、知識だけは豊富で心性のいやしいキロンは、おそらく表裏一体の存在である。ウィニキウスの指令によってキロンはキリスト教徒のなかに潜入するが、ウィニキウスはこの信仰に心を動か…

『内なる私』グレアム・グリーン

逃げ込んできた男アンドルーズを、なぜかエリザベスは受け入れる。彼女も森の中の家でさびしく暮らしており、直前に唯一の同居人である叔父をなくしたのだった。処女作のせいか、設定はずいぶん都合がいい。 密貿易集団に所属していたアンドルーズは、密告を…

『瀬島龍三』保阪正康

瀬島龍三は陸軍大学校を出て大本営参謀を勤めたあと、関東軍に送られ終戦を迎え、シベリアに十年間抑留された後伊藤忠商事で働き、晩年は中曽根内閣のもとで臨調のメンバーの一員となった。 瀬島に関するほかの本を読んだことがないのでなんともいえないが、…

『冒険の文学』P・ツヴァイク

古今東西の神話のほとんどは冒険譚、英雄譚であり、また古代の叙事詩の題材も多くが冒険であった。冒険とはかつて文化の本質そのものだった。人間と危機との格闘、死とのたたかいこそが、人間の本質をもっともよくひきだすと考えられていた。ところが、社会…

『The Humarn Factor』Graham Greene

外務省六課のなかからソ連へ情報がリークされた。情報自体はささいなものだが、アメリカに知らされれば協同関係に支障をきたす。重役のデントリーやパーシヴァル、Cらは、第六課のメンバーであるカストルやデイヴィスに容疑をかける。特に、デイヴィスを消…

今日のスペイン語 その17

■不規則動詞の直説法現在1 1 pensar考える ... pienso piensas piense pensamos pensais piensan comenzar,始める empezar,始める cerrar,閉じる negar否定する 2 querer 欲する... quiro quieres quiere queremos quereis quieren entender, 理解する pe…