2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧
シリアに入国したジャーナリスト(と、素性の怪しい人物)がISに拉致され人質となり、斬首された。このとき、周囲の無職同志たち……本来は自国の人びとや土地を守るべき立場の人間が、人質を口汚く罵っているのを聞いて、非常に嫌な気分になった。 実現可能…
近衛文麿が東久邇宮に言ったという言葉。 ――自分としてはこのまま東条にやらせる方がよいと思うと申し上げた。それはもし替えて戦争がうまく行く様ならば当然替えるがよいが、もし万一替えても悪いということならば、せっかく東条がヒットラーと共に世界の憎…
近衛文麿の東条内閣倒閣運動に携わった役人の日記。 第2次近衛内閣の首相秘書官、その後、天皇の弟高松宮の御用掛を務めた。 息子には陶芸家の細川護熙がいる。 高松宮殿下の令旨を受けた細川は、東条内閣下の様子や世界の情勢について情報収集するため、軍…
僧侶が鐘を鳴らした。 緑の草のすきまから、 虫が飛び出し、藪のなかにいる 小型の猫が声をだした かれらは、中二階の窓にひたいを 押しつけて、頭上をにらみつける。 僧侶たちの、黒い装備がはためき、 ひげと帽子にはさまれた 顔から、ぶどうのにおいが放…
報道統制の進むロシアで調査報道を続ける「ノーバヤ・ガゼータ」を追う本。 この新聞は元々、ソ連機関紙の1つだった「コムソモーリスカヤ・プラウダ」の記者たちが独立して設立したものだった。 業績不振や権力からの圧力で危機に見舞われたが、現在もゴル…
5 海相チャーチルは4人の海事卿(現役提督)とともに、海軍の組織改革に取り組んだ。参謀本部と海軍大学の設立、航空部隊の整備はこのときの成果である。 かれは、今度は社会改革費を削り海軍増強費にあてろと主張した。 仮想敵であるドイツ海軍は海外に植…
チャーチルは、最後の反革命・帝国主義の政治家だった。かれは第2次世界大戦においてイギリスを勝利に導いたが、一方、かれが理想とした帝国は勝利の過程で解体していった。 ◆メモ ・チャーチルは社会改革にも関心を持っており、貧困者の救済や失業対策等、…
合衆国に現在約4000万人いるアフリカ系アメリカ人の歴史について。 「黒人」は、人種・血統的であるとともに、政治的なカテゴリーでもある。血統に1人でも黒人が混じっている場合、その人物は白人ではなく黒人として扱われる。 ◆メモ アメリカ人たちの…
前回から少し間が空きましたが引き続き呪いの人形制作過程を投稿します。 2 大まかな成型 針金とアルミホイルを芯材にして、その上に石粉粘土をつけていきました。 要領がよくわからず水をつけすぎ、また芯材を盛りすぎたのでだいぶ肥大化しました。 水で柔…
*** 経済活動を計画化することは、必然的に人間の全生活の規制と抑圧につながる。 ――……人びとは往々にして、政治的独裁を毛嫌いしつつも経済分野における独裁者を求めるのである。 ハイエクは、市場原理と競争が全てを解決すると考えているわけではない。 独…
第2次大戦末期に書かれた、全体主義への道に警告をおこなう本。 ドイツを例にあげ、善意と情熱が社会主義をつくり、必然的に全体主義にいたることを示す。アメリカ、イギリスも、敵であるドイツと同じく社会主義的、全体主義的な傾向を帯びつつあることを指…
軍と軍 オバマはシリア情勢について現実を無視した方策をとり続けている。彼の方針は以下の4つである。 ・アサドは退陣させなければならない。 ・ロシアとの共闘はありえない。 ・トルコはテロとの戦いにおける同盟国である。 ・シリアには米国の支援に値す…
オバマ政権の欺瞞を指摘する本。 著者は調査報道ジャーナリストで、ベトナム戦争におけるミライ村虐殺、イラク戦争のアブグレイブ収容所捕虜虐待などのスクープで有名な人物である。 オバマは国内において景気対策・福祉政策を講じる一方、軍事政策では国民…
トンネルを抜けて 雪と土の下から モグラが顔を出した 鼻と歯で、硬くなった 地面に穴をあけた。 その後、 黒い道を、車列が 通り過ぎた。 ラッパと、放送の音が 後に続いたので、 森の生き物たちは 耳をふさいだ。 かれらの声が 電線をつたって、拡声器から…
2017年が終わるので、今年読んで面白かった本を、思いついた順に並べていきます。 今月から国外にいるので、こちらではまだ大晦日です。 ◆おもしろかった本 ・『The Rise and Fall of the Great Powers』Paul Kennedy The Rise and Fall of the Great Po…