うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

とりでポエム

日記:時間を売って働く生活 ――リモートワーク、ブルシット・ジョブ、ユンガー

◆無意味な仕事 ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論 作者:デヴィッド グレーバー 岩波書店 Amazon 人類学の研究者が書いた『ブルシット・ジョブ』という本を読んでいる。 本書で紹介されるブルシット・ジョブに従事する人の証言には、他人事とは…

電化製品を買った / やまとのくにの精神

◆イヤホン Bluetoothイヤホンを買って使っているが、バッテリーの持ちもよく非常に使いやすい。 買ったときは確か50ドル前後だったが、毎日ジョギング時に使っているので十分元は取ったと考える。 なお、ワイヤレスイヤホンのほとんどはリチウムバッテリー…

回向

緑の 石のように固まった かけらをすくう、 わたしはそれを 投げる。 各々の 鳥の肋骨をもつ 画像が 足に付着する。

パールハーバーの銃撃事件

日本でもニュースになったため無職の親類や知り合い等から安否確認の連絡が来た。 現場は観光地のパールハーバーに近いが南寄りの軍港内のドックである。 銃撃が発生すると全基地の軍人・職員に対してアラートメッセージが送信され近くの建物・部屋の中に入…

王土をたがやす

鋤をふる、鍬をふる、 土の波をつくり 種をまく わたしたちは、その手足の1つ 1つが、土の力となり 土の成長を点検し 散らかった砂に 荘園をつくる。 何が? というのは、何が 散らかっているかというと それは、 肉、骨、内的器官 すべては動体から 分離…

「心」についての感想

◆心をきたえる 山岸俊男著『「日本人」という、うそ』を読んでいたところ、同じく進行中のラインホルド・ニーバー『道徳的人間と非道徳的社会』と、重複する主張があった。 「日本人」という、うそ: 武士道精神は日本を復活させるか (ちくま文庫) 作者: 山岸…

移動裁判所

判事たちが、だれもいない 湿原を 歩き 緑のさざなみ、緑のがれきを 踏んで そのたびに、羽虫がとびだし カエルが 逃げていく かれらの手には 縄がある そのほかには? もう少し 長い縄がある。

メノウの時代のころ

メノウの時代のころには 雲はつぶれて 蜂の巣形状の がれきから、 普賢の頭部が 浮かび上がったものだ、 日をあびて。 人びと、そのまわりを 埋めつくすように 豚と牛の群れ、 森のなかから 頭の上に、金貨をのせて 号令をかけた。 金貨の表面にある あわれ…

安永4年の戦略爆撃

◆花火 きょうは独立記念日ということで、無職戦闘員の近所でも打ち上げ花火が開催されていた。 バルコニーには、星条旗を頭にさしたハタ坊風の人たちがたくさん詰めかけていた。 iPhoneで花火を撮ってみたが画質が非常に悪い。 ◆トランプのスピーチ トランプ…

給水塔を見て

丘を、ざくざくと 面を切り分け、建った 隊舎、また隊舎のむこうに 塔が 緑の丘の奥から 監視する わたしの脊椎標本を。 監視をし、わたしをよぶ。 記録を 塔は捕捉する、わたしを 識別し、わたしの皮フ、頭部、 からだに矩形波を、 ふぐ毒パルスを 打ち付け…

トランプとともに見よ、ソニーのテレビ

◆トランプ、日米同盟への不満を再表明 日本政府が事実無根と否定していた「トランプが日米同盟に不満をもっている」疑惑だが、FOXニュースでのインタビューで本人が直接不満を口にしたことで事実が確定したようである。 トランプ氏は26日、FOXビジネス…

非政治的マスナヴィー

◆USSマケインを隠せ 合衆国国防長官シャナハンは2019年6月11日付で全国防総省職員に向けた覚書を発簡した。 内容は、軍人、文官を含む全職員に対し、法律及び国防総省指示に従い、軍の非政治性を維持するよう注意喚起したものである。 具体的には…

むずかしい鳥

両手に塗った、金色の 液状の気持ちをもって 鳥は肉をつつく 雲の穴を抜けて、それは 二重らせんにそって 私たちの、まさに チベットの屍骸の上に 着地した。 かれらが、くちばしをもって 王の肉、神の肉をついばむごとに きこえるかなあ、 無欠の僧が、笛を…

昆虫の書

◆KGB職員や亡命者の本 今読んでいるのは元KGB将校スドプラトフの回想録である。 KGB衝撃の秘密工作〈上〉 作者: パヴェルスドプラトフ,アナトーリースドプラトフ,ジェロルドシェクター,レオナシェクター,Pavel Sudoplatov,Jerrold Schecter,Leona Sche…

その家はよみのみちにして死の室に下りゆく

無職戦闘員のみた夢の内容 ・知恵文学 ・労働 ・科学サイド ・トクヴィル ◆猿智慧文学 記事のタイトルは「箴言Proverbs」からです。 文語訳聖書をはじめから読んでおり、現在は箴言まで来ています。1つ前の「詩篇」は金太郎飴のような賛美が続くのでほぼ読…

無欠の星

その日はきた 山は溶けて、すべて 白い経文のなかに のみこまれていく 雲の底から、この世の虫 この世の島と同じだけの 僧が顔を出し 統一の声が ある。 かれらの慈悲によって ふくらんだ顔、 月と梵字よりも、丸まった 皮膚 そうして 僧の顔面は 海よりも大…

記録の刑

かれは、森の機関のもの 緑の技師となり、 血の河をさかのぼる あらゆる数の魚虫が、かれを あらかじめ混ぜ加えられたものとして、その鳥獣たちは かれを目の端にいれる。 化学プラントによる地蔵の 血の流れの上を 銀の舟が動く かれは、刑を受けて器官が待…

ハテナの笛

はっきりと、輪郭をととのえる ふちどりを、紺と藍の 二重のひもで 神明にちかって 形をころすことが、いま その年だ わたしは、監視を続けたい 天の一角と、大顔の 面をかぶった大きな仏僧たちが 分列行進しながら 笛を吹いている、その あの人たちを わた…

敵の声・敵の部屋

今読んでいる本はハンナ・アーレントの『The Origins of Totalitarianism』(全体主義の起源)で、近代に生まれた反ユダヤ主義が、帝国主義の時代を経て、最終的に、20世紀の特異な現象である全体主義(ナチスドイツやスターリン体制)を生み出した経緯を…

鉄鋼だより

皮ふはどれも黒い 非常に、それは 長い間の 火の中での仕事を かたどるもの だからだ 砂の中の、白と青の 互いに絡まりあう 経典文様の 慈悲の像に囲まれて いや、正しくは 像たちの上に おおいかぶさるように 施設の熱が高まり わたしたちは、機械を 操作す…

王の集団墓地

緑と青の クローブの匂いがする 野原の 王たちの埋まる墓 くじらの腹より大きな 穴の底に 無数の胴体 ひとつひとつ、金と銀の飾り 色とりどりの衣裳 それは、はぎとられ 枯れ枝と 骨ばった、足の裏、土と灰のくっついた 黒い指

脳的な畑・水資源

◆クロアチア独立国 ワールドカップでクロアチアが脚光を浴びたのを受けて、またバルカン半島の歴史に興味が湧きました。 今読んでいるのは、デイトン合意(ボスニア内戦に関する停戦合意)をまとめたアメリカの役人の著作です。 To End a War: The Conflict …

魚虫の塔

わたしたちの ことばにとりつく 敵は、粉において 兵隊の皮ふを食べる そうして かれらのことばは、もう、うそのことばだ 炭をしきつめた 塔に、夜がやってきた やがて、号令が鳴り、 かれらは絞り出された わたしは、敵が、 エンジンの音をたてて やってく…

おとずれ、墓

山の中に 列になり、銀で塗り固められた 声がする 音は環となって かれら、名主の 耕す、べトンの畑に まかれたということ。 それはもう ほこらと、ほこらの間を ふくろうたちの航路を越えた やわらかい国。 役人は、べトンを耕す 役人の、その下の人夫はく…

低温の神

わたしは、1羽のふくろうとして、 メンフクロウの姿を手に入れて 黒い眼をうごかした。 朝の霧が 土のすきまからのぼり、 森の中に 日が差すころ、 一団の兵隊が、歩いてくるのを わたしは見た。

城壁は声をひそめる

粘土が積み上げられ、 草の 黄色と茶色の きびしい壁に わたしたちは 行く手をはばまれた。 壁にはりつき、 列の奥から、奥からは 教徒たち、山の、小柄な 戦闘員たち、また 山と森の、スカーフを 巻いた人たち そういった、雇われた外国の人びとが ライフル…

ぶどう作業

頭上から 緑の釣り下がる ぶどうの領域で 水をやる 晴れて おだやかな気温の日に ぶどうはふくらんでいく つると葉の陰から 蝶が出現した 人の頭からぶどうの 実がなるのは いつだろうかと考える

古代との連接歌

黄金の什器と踊るカフカスの木靴の音にひびくめんどり トロイアにて敵の首を斬るコマンドオは智慧のはさみでのど切り開く のこぎりの雪山越えて立哨の首切り落とし道に鈴蘭

写字生の歌

足の裏ににじむブドウと鈴蘭の小人をつまむような音の葉 大伽藍を囲む鐘楼中二階の奥でふやけた土星がのぞく

ルブアルハリ五輪

シリアに入国したジャーナリスト(と、素性の怪しい人物)がISに拉致され人質となり、斬首された。このとき、周囲の無職同志たち……本来は自国の人びとや土地を守るべき立場の人間が、人質を口汚く罵っているのを聞いて、非常に嫌な気分になった。 実現可能…