うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

無欠の星

 その日はきた

 山は溶けて、すべて

 白い経文のなかに

 のみこまれていく

 雲の底から、この世の虫

 この世の島と同じだけの

 僧が顔を出し

 統一の声が

 ある。

 かれらの慈悲によって

 ふくらんだ顔、

 月と梵字よりも、丸まった

 皮膚

 そうして

 僧の顔面は

 海よりも大きい

 平たくひきのばされた

 古い時の

 石と土のにおいがする

 かれらの数字に

 耳をそばだてて

 やがて、ひそひそと生まれる

 灰になったの鳥のひなが。

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