うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「イースタン・プロミス」

制作:2007年 監督:デヴィッド・クローネンバーグ Eastern Promises 病院勤務の女性が、ロンドンで活動するロシアン・マフィアの実態を知り、事件に巻き込まれていく映画。 主人公の女性は、14歳で死んだ妊婦とその新生児のために、残された日記を手…

図書案内:戦争と軍

このブログで比較的多い戦争や戦史に関する本を記事にまとめました。 分類方法が思いつかなかったのでとりあえず 概観、全般 個別の戦史・事例 技術 としました。 このリストも今後増えていく予定です。 ◆概観、全般 『戦争の起源』アーサー・フェリル - うち…

『永遠平和のために』カント

カントは、永遠平和の達成のためにどのような具体的な策が必要かを考えた。 1章 国家間の永遠平和のための予備条項 1「将来の戦争の種をひそかに保留して締結された平和条約は、決して平和条約とみなされてはならない」 2「独立しているいかなる国家も、…

『昭和天皇独白録』寺崎英成

本書は、敗戦直後に宮内庁職員が天皇からの聞き取りという形式で作成したもので、当時の東京裁判対策(天皇免責対策)と関連がある。 軍に翻弄される、無力な平和主義者の天皇という図像について検討するきっかけとなる本。 昭和天皇と宮内庁の基本的な主張……

よみがえる水文

シャチの腹には 船底でつけられた 港の景色がある 沿海州の、冷たい氷の上に 赤い葉が落ちて 流氷の、隆起していくのに あわせて 溝は落ち葉を吸った シャチの子たる神学校の 生徒たちが 外套をかぶる 雲の山に 照準を向けながら 外国人墓地に 海の胴体は並…

『ドクトル・ジバゴ』パステルナーク

ロシア人文学者パステルナークは、海外詩の翻訳者、詩人としても有名とのことである。本作『ドクトル・ジバゴ』はソ連において発禁となり、パステルナークはその後ノーベル文学賞を受賞したがソ連当局の反対により辞退させられた。 物語は映画版とそこまで変…

「天国の日々」

制作:1978年 監督:テレンス・マリック Days of heaven 兄・妹・兄の恋人の3人組がテキサスの大農場にやってきて、季節労働者として働く映画。 映画の見どころは農場の風景と夕暮れ、朝方の景色、風情のある農具である。 風光明媚な麦畑で働き、夜はキ…

たとひわれ死のかげの谷を農王系 15 途方もない網

15 途方もない網 たとひわれ死のかげの谷を農王系 - 15 途方もない網 たとひわれ死のかげの谷を農王系 たとひわれ死のかげの谷を農王系 あらすじ…… 石英の星の下に生まれたわたし、ナーナーが農王系に拉致され、教育戦を指揮し、敵を亡ぼす物語 たとひわ…

『Moscow 1941』Rodric Braithwaite その3

工場が閉鎖し、また食料配給も止まったため、労働者たちの不満が蓄積した。市から逃亡しようとする工場長や幹部たちを労働者がとらえ、車両や荷物を破壊し、市内に連れ戻した。 市内の恐慌を知らされたスターリンは外出禁止令を発し、また工場や商店を通常通…

『Moscow 1941』Rodric Braithwaite その2

正規軍に加えて、大量の義勇兵が徴発された。多くの男女学生、農民、映画関係者、文学者たちが義勇兵として戦争に参加した。 しかし、モスクワにおいてはその大多数が志願であり、だれもが前線に行きたがった。 従軍作家シモノフは、前線の様子が、かつての…

『Moscow 1941』Rodric Braithwaite その1

ロシア・ソヴィエトの首都であるモスクワと、その住民、また政治家や軍人を中心に、かれらがいかにドイツ軍の侵略に耐えたかを説明する。 当時のモスクワの様子が細かく書かれており、知らなかった情報が多数含まれていた。 この本は、中国を旅行している最…

『短篇集 死神とのインタヴュー』ノサック

ハンブルク空襲の最中に、若い軍人に助けられた女の話。語り手は、女から軍人本人または軍人の親類ではないかと勘違いされる。 ――大きな激動の時代には、われわれはみんな互いに似通ってくるのだろうか。あるいは、こういう時代には、個々人のもつ考えが壊れ…

『エネルギー問題入門』リチャード・ムラー その2

3 代替エネルギー 太陽、水力、風力、原子力等、それぞれに強力な信奉者がついておりまともな議論は容易ではない。 太陽エネルギーは急速に発展しているが、かぎとなるのは導入コストや維持費、効率である。運用に人件費がかかることから、途上国で発達する…