丘を、ざくざくと
面を切り分け、建った
隊舎、また隊舎のむこうに
塔が
緑の丘の奥から
監視する
わたしの脊椎標本を。
監視をし、わたしをよぶ。
記録を
塔は捕捉する、わたしを
識別し、わたしの皮フ、頭部、
からだに矩形波を、
ふぐ毒パルスを
打ち付け
わたしに
ルビを振る。
そして、古い時代の
飲み水
塔を、
青空と、雲のまぶた
継ぎ目に
葉と水滴が
うめこまれ、太陽の、
膿を採取する。
塔を見る
そのとき、丘に、赤黒い顔がある。