うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

城壁は声をひそめる

 粘土が積み上げられ、

 草の

 黄色と茶色の

 きびしい壁に

 わたしたちは

 行く手をはばまれた。

 

 壁にはりつき、

 列の奥から、奥からは

 教徒たち、山の、小柄な

 戦闘員たち、また

 山と森の、スカーフを

 巻いた人たち

 そういった、雇われた外国の人びとが

 ライフルを指向した。

 

 壁の向こうにいる

 小さい眼

 細い眼

 皮張りの、動物の皮をひきのばしたような

 もう1つのわたしたちを狙うだろう。

 

 ゆくゆくは

 照星のなかに、

 わたしたちの、顔、顔を

 見出すだろう。

 

 真昼に、

 壁の根っこに

 屍体が積みあがる。

 

 赤い服の男たちは逃げた。

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