声を聞こう
ソ連のスヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチというジャーナリストの、『Secondhand Time』(邦訳:セカンドハンドの時代)というソ連崩壊前後の人びとの声を収録した本を読んでいます。
ロシア語の勉強のためにこの作者の原書をいくつか買ったもののまだ手を付けていません。
ソ連崩壊によって、それまで非道徳的な行為、悪の行為だと考えられてきたお金儲けが世の中のすべてとなった。
こうした社会の激変についていけなくなった人びとは「Sovok」(ソヴィエト支持者、ソヴィエト信者、ロシア語で「塵取り」と似た単語)と見下された。
内戦や第2次世界大戦(大祖国戦争)を戦った老人たちの話が出てきます。
※ 引用ではなくメモ
あるベテラン(退役軍人)たちは、モスクワの記念行事に参加して帰り際、レニングラード駅で腰掛ける場所を探したところ、駅の関係職員に「ここはビジネスクラスなので出ていけ」と追い出された。
戦争でかれら兵士たちが防衛した町は、今かれらを汚い貧乏人扱いして追い出す町になっていた。ビジネスクラスのスペースで飲み食いしているのは、詐欺師かマフィアまがいの人間たちである。
ドイツ軍は(ユダヤ人集落の)住民を連れて行くと、穴を掘らせて、そこに飛び込むように命じた。住民はまず自分の子供たちを生き埋めにした。
このとき、まったく抵抗や悲鳴はおきなかった。人びとは黙々と穴を掘って隣人を埋めた。
いわく「狼やイノシシに襲われたとき、説得したり命乞いすることがあるだろうか?」
占領されたベラルーシに駐屯していたドイツ警察部隊(Polizei)を攻撃するのがパルチザンの任務の1つだった。
かれらは警察の宿舎を家族ごと襲撃し、子供や妻を家に閉じ込めて生きたまま火をつけた。中から悲鳴が聞こえたが皆笑っていた。子供が窓からはい出そうとしてくると火の中に投げ込んだ。
豊かな国に勝利したが、ソ連の兵隊たちは帰国すると貧しい配給品のために数時間も列に並んだ。
傷痍軍人は母国では特に忌み嫌われた。戦争を思い起こさせるものは何でも嫌われた。兵隊たちの多くはPTSDになっていた。
内戦、大祖国戦争、アフガニスタン戦争等、銃と戦争、収容所以外の生き方を知らない男たちが大量に生み出されtあ。かれらは平時の生活に適応できなかった。あるアフガニスタン戦争出身のパイロットは何も仕事ができず、軍の窓口に戦争に行かせろと頼んだが門前払いされた。
台湾関連の本
年末に台湾旅行に行って、今年も行く予定なのでいくつか本を読みました。
しかし、国民党独裁時代や蒋経国について書かれた本は非常に少ないです。とりあえず日本語と英語で調べられるだけ調べたいと思いました。