うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

年越しの本

 ◆内村鑑三と総理大臣の演説

 『代表的日本人』の西郷隆盛チャプターにおいて、ペリー来航は、西洋文明をもたらした輝かしいものと解釈されている。

 

――私は、アメリカ合衆国マシュー・カルブレイス・ペリー提督こそ、世界の生んだ偉大な人類の友であると考えます。

 

 内村鑑三によればペリーは、伝道師のような役割を果たしたのだという。

 この節を読んで、アメリカとの出会いを民主主義との出会いになぞらえた、とある政治家のゴマすり演説を連想した。

 

 西郷隆盛は異教徒ながらキリスト教精神に通じる心をもった人物だという。そして、内村鑑三征韓論について独特の解釈を行っている。

 

 他、上杉鷹山二宮尊徳等、明治期にとりあげられた偉人を海外発信するために、キリスト教との共通項を見出そうとする流れが続く。

 

代表的日本人 (岩波文庫)

代表的日本人 (岩波文庫)

 

 

 

 ◆塚本誠氏

 『ある情報将校の記録』は、幼年学校、士官学校を経て日中戦争憲兵として従軍した経緯を回想する。

 第1次世界大戦後、軍縮自由主義ムードが軍にも影響していく様子、幼年学校に入った若者たちの様子など非常におもしろい。

 著者の幼年学校同級生の中には、「軍の先輩を訪ねて学べ」という指導を聞いて、東郷平八郎等の邸宅に突撃する者もいたという。

 

 

 ◆検察の裏金作り

 元大阪高検公安部長三井氏の『検察の大罪』は、検察の裏金作りを内部告発しようとして、テレビ出演当日に逮捕された人物の回想である。

 検察の裏金作りは組織的であり、またその仕組みは警察の裏金作りと酷似している。

 

 いままで得た情報を総合すると、裁判所、検察、警察ことごとく致命的な問題を抱えており、本来の機能を達成できていない。

 自〇隊については将来的に準備ができたらいろいろと説明すべき事項がある。

検察の大罪 裏金隠しが生んだ政権との黒い癒着

検察の大罪 裏金隠しが生んだ政権との黒い癒着

  • 作者:三井 環
  • 発売日: 2010/07/29
  • メディア: 単行本