お盆の期間中は無職戦闘員らしく自宅で大人しくしていた。
今年は、運よくまだハリケーンがきていないので、あまりひきこもりすぎないように近所を散歩した。
◆マキキ墓地
ホノルル・マキキ地区にある日系人墓地であり、日系移民の慰霊碑や、日本海軍軍人の慰霊碑が立っている。
資料によれば、1860年、日清修好条規締結のために海軍がハワイに寄港して以来、日本海軍は日系移民支援等のために度々ハワイを訪れたという。
本墓地には、航海中に病死した水兵や、真珠湾攻撃において戦死した日本兵の慰霊碑が並んでいる。
慰霊碑を建造した海軍大将長谷川清は日露戦争に参加し、太平洋戦争敗戦時には海軍省勤務だった。長谷川はA級戦犯容疑で2か月間収容されていたという。
伝聞によれば本墓地を保存しているハワイ日系人の団体が定期的に慰霊行事を開催し、政府関係者等も参加しているようである。
◆退役軍人たちのゆくえ
真珠湾を見下ろす丘の上に「夏の家」という料亭があり、現在は宴会場として利用されている。
ここはかつて、日本政府が真珠湾の米海軍戦力情報を入手するための諜報施設だった。真珠湾攻撃の直前、日本領事館職員が料亭の窓から港に停泊する艦船に関して情報収集し、本国に暗号を送信した。
たまたま近辺を散歩していた時、屋敷のすぐ横に小さな墓地を発見した。
そこに、第1次世界大戦に従軍した軍人たちの墓が埋もれていた。
「どこで眠っているかいまもわからない軍人たち」と書かれているので、第1次世界大戦の戦没者かとおもったが没年をみるとそうではない。
ネットで調べてみたところ、かれらはこの小さな墓地にかつて埋められていたが、荒れて墓石が飛んでしまい、遺骨がどこにあるかわからなくなったそうだ。
ホノルルの地方新聞によれば、荒れた退役軍人(ヴェテラン)の墓を発見した住民が、議員や退役軍人省にかけあって新たに慰霊碑建造にこぎつけたという。
Aloha for cemetery brigade results in WWI stone for hill
軍人に限らず、死者を弔う文化は共通である。
同じように生きている人間同士も、お互いに尊重することが大切だと考える。
◆パンチボウル
パンチボウル地区には、太平洋国立記念墓地があり、軍人が埋葬されている。
ハワイ王朝時代から霊場として有名らしく――かつては人身御供の場として使われていた――、墓地付近の物件では幽霊が出るといううわさを現地の人から聞いた(未確認)。
◆おまけ
神妙なことを書いてしまったがわたしは日本にいるときはできる限り神社に行かないようにしている。靖国神社だけでなく、ふと立ち寄った地方都市の神社でも、配布されているフリーペーパーに目を通すと、〇〇隊後援団体やOBたちが日本会議の腹話術人形と化して大東亜戦争聖戦説を唱えているのでうんざりする。
新宿に所在する駐屯地の部隊が、安全祈願と称して靖国神社に参拝する命令を出しているのも気に入らない。