うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

剣あり剣ありこれころすことのためにぬきてあり

 表題は「エゼキエル書」の中から適当に抜き出した。

 

 ◆駅馬車

 カントリーミュージックは非常に聴きやすくて歌詞も覚えやすい。

 最近は暇をつぶすため公園でよく筋トレをしている。その往復の車中で、一人で熱唱している。

 歌詞の引用や訳は権利関係が厳しいので控えたい。

 


Kenny Chesney - Get Along (Official Music Video)

 人生は長い道のりであるという前向き型の歌。

 


Chris Stapleton - Broken Halos (Audio)

 早死にした友人は神の思し召しだったと考える歌。

 

 カントリーでは大半の曲にキリスト教の要素が含まれている。

 上の2曲は単純かつ普遍的な内容であり、キリスト教徒でなくても理解できる。

 もし歌詞だけ提示されたら、ひねくれ者のわたしは「あ、そう」と言って終わりだろう。しかし、音楽になるとしばしば感動してしまう。

 

 Dixie Chicksの「Travelin' Soldier」も、戦争で死んだ兵士をテーマとした反戦歌で、特に斬新ではないが、歌と演奏、最後の軍楽隊が組み合わさると非常によい。


Travelin' Solider The Dixie Chicks lyrics

 

 宗教の他にも、愛国心や結婚といったテーマがよく使われる。

 イラク戦争時に露骨な応援に用いられた曲もあれば、傷痍軍人や戦死者について歌った曲もある。

 結婚の曲はかなり多く、明らかに結婚式で流すために作られたものが多い。歌の後半になるとなぜか家族や親族が集まって祝福してくるパターンが頻出する。

 

 こういったテーマの歌詞は全く好きではないが、それでも特に抵抗なく聴けるのは英語が第一言語でないからである。

 


Brantley Gilbert One Hell Of An Amen

 戦死した兵士についての歌。

 

 

 ◆ボンヘッファーの伝記

 米国では一番売れているらしい、ディートリヒ・ボンヘッファーの伝記を読み始めた。

 ボンヘッファーはドイツの牧師・神学者であり、ヒトラーに対する抵抗運動、またヒトラー暗殺計画への参加により捕えられ処刑された。

Bonhoeffer: Pastor, Martyr, Prophet, Spy (English Edition)

Bonhoeffer: Pastor, Martyr, Prophet, Spy (English Edition)

 

 

 ボンヘッファーは非常に恵まれた家に生まれ、第1次大戦中も、次男が出征して戦死するまでは家族で仲良く暮らしていた。

 

 母パウラは信仰熱心で、子供たちにも宗教教育を行ったが、教会にはほとんど通わせなかった。

 彼女にとって、教会に通うことそれ自体は意味をなさなかった。

 信仰には行動が伴っていなければならない。子供たちが常に教えられたのは、無私の心、他人への思いやり、隣人を助けることだった。

 行動の伴わない信仰とは、それは不信仰に過ぎなかった。

 

 こうした教育は、後のボンヘッファーの思想「安価な恵み」(Cheap Grace)につながった。

 

 ――安価な恵みとは悔い改めを必要としない赦しの説教であり、教会の修練なき洗礼であり、懺悔なき聖体拝領である。安価な恵みは訓練なき恵みであり、十字架なき恵みであり、イエスなき恵みである。

(宗教用語は間違っている可能性あり)

 

en.wikipedia.org

 

 

 ◆「常識を疑え」

 ボンヘッファーの父カールは、子供たちには「陳腐な決まり文句、軽薄な、傲慢な言葉を話すな」と指導していたという。

 

 決まり文句、定型句を使っていると、自分の考えがどんどん型にはまっていくように感じる。

 1行、1語の決まり文句で物事を判断する傾向が強くなると、皆の考えが判で押したように一様になっていく。

 行政文書風の文は思考停止状態でもすらすら書けるが、自分の考えを書くのは非常に難しい。自分の考えであるふりをしてどこかの文句や寸評を引っ張ってきているだけかもしれない。

 自分の世界観がテレビとネットと本の文言だけで組み立てられていたらそれは残念なことである。

 あらゆる定型句や借り物の表現を排除しようとした結果、たどたどしい文しか書けなくなった。

 

 

 ◆正の教会と逆の教会

 1948年、南アフリカでは国民党のマランが選挙に勝利し、アフリカーナーを中心とした内閣が発足した。マランは元オランダ改革教会の聖職者であり、白人によるアフリカ人支配は神の使命だとして公然とアパルトヘイトを推進しようとしていた。

 

 80年代、収監中のマンデラには海外から多くの記者や取材団が訪れた。

 訪問者の中に「不愉快な」アメリカの新聞社がいたという。これは、統一教会系の機関紙ワシントン・タイムズ(The Washington Times)で、マンデラ共産主義者、テロリストに仕立てるような質問ばかり浴びせた。

The Long Walk to Freedom: The Autobiography of Nelson Mandela

The Long Walk to Freedom: The Autobiography of Nelson Mandela

 

 

ja.wikipedia.org