◆はじめに
どうすれば腐敗と戦うことができるのかをGoogleで調べた。
わたしの読んできた歴史の本は、ほとんどが外国政府や権威主義体制・独裁体制に対するテロ活動で、腐敗との戦いにおいて直接参考にはならなかったからである。
Long Walk to Freedom: The Autobiography of Nelson Mandela (English Edition)
- 作者: Nelson Mandela
- 出版社/メーカー: Little, Brown and Company
- 発売日: 2008/03/11
- メディア: Kindle版
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ベギン首相やマンデラ大統領、国防軍反乱者のように、重要施設を爆破すればいいのか? 単なる異常犯罪者扱いされて、警察権限強化の言い訳にされて終わりだろう。
◆思い出
無職戦闘員の、防〇省時代の見聞は、腐敗にあたるのだろうか。
少なくとも、防衛に役立つ振る舞いではなさそうだ。
・天下りOB大佐の鶴の一声で不自然に入札が決まった。
・NECや富士通からあらかじめ価格と仕様を受け取り、それを参考に年度の予算要求をしつつ、仕様書・予定価格を作成して一般競争入札を行った。
今話題になっているスキャンダルでは、〇〇隊員ごときでは絶対通用しないような苦しい言い訳がまかり通っている。保身しか頭にない幹部でももう少しましな嘘をつく。さすが偉い人たちは違うと実感した。会計検査院も怖くないのだろう。
◆IT技術を活用し腐敗と戦う ――ブルッキングス研究所職員の提言
所感:
ナイジェリアでの経験に基づき、腐敗と戦う具体的な手段を提案している。
カギとなるのは、IT技術を通じて、政府の重要なデータ(予算、会計、契約プロセス等)を可視化することである。
各自治体や政府、各省庁、政党等の会計や調達情報等がアプリで簡単に参照できるようになればわたしもぜひ使いたいものである。作り方によって、不自然な金の動きや業者選定が自動で検知されるようになると興味深い。
1 腐敗を理解する
(1)国家的腐敗(Grand Corruption)
公金や公的資産の私的流用
(2)政治的腐敗(Political Corruption)
公的資産の政治的派閥への横流し
(3)行政的腐敗(Administrative Corruption)
公的資産の誤った使用
2 対策――制度の構築
最も困難なのは透明性を確保するシステム・制度を構築することである。政府の会計や給与、契約や交渉といった活動を可視化するためには、IT技術が核となる。
3 対策――独立機関
・強力な、独立した監査・司法機関
・政府を監視する市民団体
4 政府・各自治体の会計を監視
筆者はナイジェリア人研究員であり、母国で各行政府の会計を分析・公開する機関を設置し、モバイルアプリを通じて国民に公開したところ、効果が見られたという。
腐敗との戦いは長期戦である。戦いには、制度の構築、司法インフラ、政治的意志が不可欠である。
政府は重要なデータ・統計を公開し、市民はこうした情報を知ることができなければならない。
◆腐敗に関する普及教育 ――国連反腐敗デー
12月9日は「反腐敗の日」らしく、当該サイトは国連の支部によって運営されている。
いわく、腐敗はあらゆる国において発生しており、貧困層に害を与え、また国家を不安定にする原因となっている。
所感:
こちらはより一般論に近い。しかし、この一般論がいきわたっていない場合、そもそも物事の善悪も判断できないのではないか? 大多数の有権者が汚職を悪いことと思わなければだれもこれを取り締まらないだろう。
何をすべきか?
・国連反腐敗憲章の批准
・憲章が政府と公務員に要求している内容を理解する
・政府の責任に関する普及教育
・厚生や教育といった重要サービスにおける腐敗がもたらす害について、国民、メディア、政府に注意喚起を行う
・若者に対し、倫理的行為とはなにか、腐敗とはなにか、教育を受ける権利について普及教育を行う
・腐敗事案の通報を通じ、「法の支配」を確立させる
・違法・不透明な活動への参加を拒否
・腐敗を許容しない制度が経済的安定性を生む
◆中2でもできる汚職発見
所感:
トランスペアレンシー・インターナショナル自体が巨大な組織であり、様々な不透明事案(アメリカ合衆国への忖度、シーメンスからの献金、内部告発)を抱えている。
また、当該団体はエドワード・スノーデンへの支持案を却下し、またモスクワでのスノーデンとの面会(スノーデンが要望)を拒否した。
こうした事項を考慮して、以下の提言を検討すべきである。
若者向けの提案ということで、漫画や劇など、子供や学生ならではの手段もある。
若者が腐敗と戦う15の方法
1 政府の金の動きを追え
2 政府が学校に支給する備品を数えろ(不自然な量、数の不一致)
3 アンケートの収集
公的サービスや政府についてのまとまった数のアンケートを提示することで、政府やメディアはこれに反応せざるを得なくなる。
4 IT技術を使い税金の使われ方をチェックせよ
5 漫画とアニメを活用し議論を喚起せよ
6 映画・演劇で表現せよ
7 ボードゲーム
8 スポーツを通じて呼びかけを行え(アメリカでは傷痍軍人サポート、捕虜・行方不明者支援等でもよくやっている)
9 青年団体を通じて、腐敗と戦う方法について公開議論を行え
10 キャンプを通じて腐敗と戦う仲間を増やせ
11 ゼロ・賄賂通貨――賄賂を要求されたら、偽のお金を渡し、いつどこで誰に賄賂を要求されたかを記録せよ(インドでの実践例)
12 抗議・行進・デモ活動を行え
13 署名活動を行え
14 選挙公約 ――選挙活動中の政治家に対し、票を買ったり有権者を金で釣ったりしないことを誓約させよ。こうした行為は最もよく見られる腐敗行為である。
15 インターネットやモバイル技術を活用し、リアルタイムで選挙を監視し、各自治体で起こる違法行為に目を光らせろ
◆腐敗と戦う大戦略
所感:
世界銀行の提案。若干抽象的である。
1 腐敗は賄賂だけではない。資源がムダに使われることで、国民、特に貧困層が被害を受ける。
2 人々の力が市民に政治参加を促す道を作る。
3 役所手続きを打破すること。政府の公式プロセスと、非政府団体との双方を活用すること。
4 技術を駆使し、政府・市民・産業界・市民団体、メディア、学界との情報交換システムを構築すること。
5 制度と政策に投資すること。別のモデルをそのまま取り入れるのではなく、役所のシステムやサービスを継続的に改善していくおと。
6 反腐敗政策を、市場、社会的動機と結びつけること。
7 罰則の運用は腐敗撲滅に不可欠の要素である。
8 市民が、地方・国家・国際・地球規模の各レベルで腐敗と戦うようにすること。
9 問題を抱える国家ほど、腐敗と戦うための資源に不足している。国際的な支援を受け、健全な統治を維持するための方策を考えること。
10 実践と教訓収集、評価が重要である。
◆まとめ
特に行政府・政党・選挙の透明性監視分析アプリに興味が湧いた。人海戦術による大量の情報公開請求や質問等でソースを取得し、これをいかに整理し、提示するかが重要になると思料する。
既に存在するかもしれないので自分で調べてみたい。
私は日本人の99%が問題ないと言おうと、絶対に役所や政治家の不正行為を容認しない。
無職になるときに、辞めても日本のためになることをやれと当時の上司に言われ、その通りだと思ったからである。