うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『マンキュー経済学 ミクロ編』マンキュー

 大学にいたときに適当に読んだだけで、しかも途中で投げ出した。

  ***
 1 十大原理

 「効率efficiencyは経済のパイの大きさについての基準であり、衡平equityは経済のパイの分け方についての基準である」。

 効率と衡平はしばしば衝突する(trade off にある)。marginal change限界的な変化……意思決定は通常、限界的な便益と費用の比較でおこなわれる。

 交易(取引)は双方を豊かにすることができる。政府の機能は市場経済を保護することと、市場の失敗を防ぐことにある。貨幣供給量が増大するとインフレーションがおこる。インフレーション失業率のあいだに短期的なトレードオフがあることが、フィリップス曲線に示されている。フィリップス曲線景気循環(経済活動水準の不規則な変動)理解に必要である。

 2 経済学者的思考

 生産可能性フロンティアproduction possibilities frontierとは、「利用可能な生産要素と生産技術が与えられている場合に、その経済が生産可能な生産物のさまざまな組み合わせを描いたグラフ」である。

 グラフを読む際には、捨象された変数や逆因果関係に注意すること。ガンの死亡率と各家庭のライターの所有数は直接関係にない。警察が多ければ多いほど犯罪が多いから、警察を減らせば犯罪が減るわけではない。グラフから欠落した要素を読み取ることが必要である。

 3 相互依存と交易からの利益

 比較優位comparative advantageとは「ある財の機会費用に基づく生産者間の比較」である。「ひとつの財の機会費用はもうひとつの財の機会費用と逆数の関係にある」、よって「交易によって利益がもたらされるのは、機会費用が異なり、比較優位が存在するからである」。

 比較優位に特化した生産をおこなうことで相互に利益がえられる。

 4 需要と供給

 5 弾力性とその応用

 弾力性elasticityとは、需要量あるいは供給量が、その決定要因のひとつに反応する度合いを測る尺度である。弾力的、非弾力的などという。要因はさまざまである。密接な代替財がある場合、需要の価格弾力性は増加する。バターとマーガリンがあり、バターが値上げした場合、消費者はマーガリンに走るためバターの需要は大幅減少する。

 価格*販売数が総収入だが、総収入の増減は価格弾力性と関連する。

 需要供給弾力性という概念ははばひろい分析道具となる。これらに要素を組み入れることで市場の動きを観察できる。

 6 需要供給および政府の政策

 価格規制には余剰や不足を発生させる効果がある。税の負担配分を税の帰着tax incidenceという。消費税は価格にくわえられ、まず需要曲線をうごかす。需要が動けば供給もうごくので、消費税は売り手にも課税していることになる。売り手への商品単位の課税も同様に供給を減少させるので消費者にも負担がまわってくる。

 7 消費者、生産者、市場の効率性

 消費者が払える最大額を支払許容額といい、これを下回る価格で買えた場合消費者余剰を得る。消費者余剰+生産者余剰が総余剰であり経済的福祉の指標であり自由市場がこれを達成できる。ただし市場は失敗もする。

 8 課税

 課税によって市場規模は縮小する。この縮小により減少したぶんの総余剰を死荷重dedadweightという。死荷重の大きさは需要供給の各曲線の弾力性によってきまる。

 9 国際貿易

 鉄鋼を例にとると国内価格にくらべ世界価格world priceが高いとき比較優位をもつため輸出国となる。輸出国の場合生産者余剰は増加し、国内の消費者余剰は減少する。しかし総合的に経済的福祉は向上する。

 関税tariffは輸入量を減少させ国内市場を貿易前の均衡に近づける。貿易は国の経済政策や政治と密接にかかわっている。安全保障の観点からの保護貿易論は経済学者も認めるが、しばしば国内生産者の方便として用いられることがある。

 10 外部性

 ピグー税は排出権取引として現在利用されるようになった。金の問題にすることで外部性の内部化をおこなうことができる。

 11 公共財と共有資源

 所有権の確立が鍵をにぎっている。

 12 税制の設計

 衡平と効率はトレードオフの関係にある。法人税であっても最終的に負担するのは人間である。衡平と効率の問題は価値判断をふくむため経済学のみでは解決できない。経済学ができるのは、衡平においても便益がもたらされぬ非効率な税制を避けることである。

 日本の税率の低さは欧米にくらべ圧倒的である。

 13 生産の費用

 テストで微分を使う重要な分野である。企業の利潤は総収入から総費用をひいたものである。機会費用を考慮する経済学上の利潤と、会計学上の利潤は異なる。生産関数とは投入物と生産量の関係をあらわすが通常、限界生産物逓減の特徴を示す。結果、総費用曲線は生産量が増えるにつれて傾きが急になる。

 平均総費用と限界費用は企業の分析の役に立つ。平均総費用は通常U字を描き、限界費用曲線は生産量の増加につれて増大する。

 14 競争市場における企業

 市場の供給曲線と企業の生産費用とは密接に関連している。企業はどのように利潤最大化をおこなうのか。生産量の限界収入と限界費用を比較することで利潤が最大となる生産量を見つけることができる。最適生産量では限界収入・限界費用が一致する。限界費用曲線=企業の供給曲線である。

 サンクコスト(埋没費用)とは……すでに支払うことがきまっており回収できない費用である。「覆水盆に還らず」、意思決定に無関係な、すでに決定事項となったコストのことをさす。

   ***

 飽きたので中断。

 

マンキュー経済学〈1〉ミクロ編

マンキュー経済学〈1〉ミクロ編