下級の遺跡調査員と、かれが育てている知的生命結晶体「トリニティ」は、銀河の辺境にのこされた生命体の遺跡をまわる。惑星の様子や、地球のものとはかけはなれた生命の図像が鮮明でおもしろい。どこかでみたような宇宙人もいるが。
文と人物はつねに冷静で、感情もおさえられているので無機質な印象を与えるのがよい。調査員と「トリニティ」が最後、離別し、泣ける話になるのかとおもったら、そうではなく調査員が裏切られていた。この点が良かった。
この作者はあまり著書がないようなので、『バビロニア・ウェーブ』も読んでみる。