2015-04-01から1ヶ月間の記事一覧
著者は東工大を出たあと航空自衛隊・防衛庁などで勤務している。 *** われわれの力では因果の説明をつけられないことがらを、われわれは偶然とよぶ。この偶然を偶然と割り切ってそこから分析しようというのが確率論である。この確率論をさらに発展させたのが…
元警視庁警察官黒木氏の本で、地元で勢力を誇る日産自動車と警察との癒着を描いている。金と権力の腐敗が、事件を刑事沙汰にしないための捜査放棄を引き起こし、結果日産の工員を死に至らしめたというのがこの本の説である。本書によれば、マスコミもまた警…
Me parece que es una idea estupenda. それはすばらしい考えに思われる ¿Que le pasa? Me duele mucho la cabeza. どうしました? 頭がひどく傷みます A Carlos no le interesa nada este asunto. その一件はカルロスには全く興味がなかった Nos encanta su…
顔の一部をひらく、錫のまざったかお 人がたくさん、わたしはすわってみている 瞳孔にさわってみると、口のなかにひろがる サフランと金属片の生ぬるい 空気、人がいるようで、これらは どれも胞子、明黄色の、重い食用胞子を 成長させたもの。 かれらと自分…
歴史とはなにか? この質問に答えるのは難しい。 十九世紀、ドイツを中心とした歴史学は事実至上主義を唱えていた。事実を集めればおのずと真なる歴史が浮かび上がるのだと彼らは考えたが、第一次大戦前後、クローチェらの歴史哲学の提言により新しい潮流が…
細い銅線ケーブルどうしを、つなぎ あわせるための、むかしの川の、いまは 干上がって、ほこりっぽい粘土と ゆっくり降下して摩擦熱をだす どうぶつの頭部、これら、説明のないものを 見る、その人は、わたしは立ち去る とりで、土の下に、一般的な人びとの …
あびせられる人、あびせられ 表面が、眼球のソケットから、足元まで わたしだけではない、たくさんの おなじような人たちも、見えない伝送路をあびせられ いたって自然なことだとおもった、山かがしの 表面をくりぬいて、ある日、すっかり 夜おそくなったこ…
In the Chalk Trenches of Champagne 学校を繰り上げ卒業して志願兵に応募したユンガーは一九一四年十二月、シャンパーニュに送られる。開戦当時の昂揚した雰囲気について述べられている、偉大な、圧倒的な、聖なる(the Hallowed)体験を、戦争はわれわれに…
――権力を増強しようとする要求は人間の値打ちが下がるに従って大きくなるものです。 三十年代の中ごろから文通ははじまるが、ユンガーがナチスと距離を置いている一方、シュミットはナチ政権下ドイツでザクセン枢密顧問官に任命されていた。シュミットの立場…
ブハーリーとハッジャージュ、二人のそれぞれの『サヒーフ』はスンナ派でもっとも権威を認められたハディースである。 クルアーンは特殊な人称を用いている。すべてムハンマドの言動だが、「我々―汝」の場合我々がアラーを、汝がムハンマドを指す。またアラ…
『入門』よりも専門的な内容を扱う。 *** 国際法の変遷とその意義、国内法や日常とのかかわりを概説する。 友好国同士の犯罪人引渡しなどの国際礼譲や、国際儀礼のための措置(プロトコール)は国際法上の義務ではない。国際法に強制力がないこと、国内法と…
[定型句] 粘菌のかたまり、銀の星状の回路をうごく赤、舟の年 夏のとりでにおいて計測会をひらく、泥と男の子の焼死体 犬はポンプ、子供の消化器官はホース、射撃号令のためにはうごく まっすぐにすわるまっすぐにたべる気味のわるい波のうごきに似た大脳 …
次のとおり、わたしはうけとる、だれかが紙の巻物を まねて、古い文字にくるまって、おりこまれる、はい、 それはわたし宛てに届く、時計まわりに 丸まった、変質した表、灰色の 皮フと、抽象的な環と、光源を保持する 似たり寄ったりの人型が 整とんする、…
久しぶりにスペイン語の本をあけた。 ■Me gusta ...好きです No me gusta...嫌いです 主語と目的語を逆にして表現する Me gusta la cerveza. わたしはビールが好き ¿Te gustan las frutas? あなたは果物が好きか A Emillio le gustais tú y Alicia. エミリオ…
国際法の基礎をつくったのは十七世紀オランダの法学者グロティウスである。彼は三十年戦争の惨状をきっかけに、交戦法規について書かれた『戦争と平和の法』を著した。さらにバインケルスフークを経て、十九世紀、人と物の移動が活発になった時代に国際法は…
法学の素人として入門する。レジュメをつくるように丁寧に読みつつまとめること。 *** 法学は論理的な道筋を重視するので、こうした物の考え方をする訓練として最適である。 法とは複雑な社会を安定させるための行為規範のひとつである。行為規範は当為の法…
南京攻略にむかう日本兵たちのすがたを描く。国家の問題に動員される人間はさまざまである。開高健にも取り上げられていた僧兵から、現実と妥協することのできるインテリまで、人間の性質は多岐にわたる。 ほとんど過去形しか使われておらず、特定の人物に視…
これまでの二作とならぶシュミット政治学の基盤をなす論文である。論旨を把握しながら読むこと。序文からしてめげそうだがあきらめてはいけない。 機会原因論とは「すべてのものを神において見る」というマルブランシュのことばにあらわされるように、あらゆ…
「濁水渓」 台湾統治の情景、内地人(日本人)と本島人(台湾人)との関係が詳しく描かれる。日本がかつてれっきとした宗主国であったことに気付かされた。 たしかに展開が散漫で文も印象には残らないが、政治変動のもとで生きる人びとが克明に解説されてい…
当時(2007年前後)流行っていて、ちょうど作者が授業で講演に来ていたので読んだ本。 この本によれば、日本を主導するのは官僚だが、そこに大衆の力を帯びた政治家がからむため制度は複雑になってくる。政治家は「トリックスター」であると彼は田中真紀…
「宇宙の旅」と並ぶクラークの作品。 the Overloadsとよばれる超越者が地球にやってきた世界を主題とする。超越する存在の使い(ロボット?)があやつる巨大宇宙船が大気圏上に降下してくると、人類は無意識のうちに行動を矯正されていく。この超越者と統一…
金属の切りわけを実施する海底ケーブルを腸のなかでまるめる たわみ、ねじれを指の先で直す銅線のかたちをした人間の表皮 重金属の霧に足をさしいれること、この城跡の地図と髪の毛 摂政はきょうはもう休まれた、あす、きてもだめだろう、その歯ぐきでは
一人用の惑星突入カプセルに乗り込んで侵略をおこなうところからはじまる。いわく「これは戦闘ではなく、侵略だ」。兵隊から恐怖を取り去る催眠教育、大気圏突入用のポッドなど、後世のSFにも受け継がれる要素がそこらに散らばっている。 ジョニーとその仲…
おわらない、まだ、ひとつだけでなく、線のなかにかこわれた 自分のからだの部位を削りとっていく作業が。自分の部位、きれいに、人によっては、いいかげんにスライスされた、わたしの
船上の二組の夫妻、マクフェイルとデヴィドソンはお互いを唯一気の会う同行者と感じていた。教父であるデヴィドソンの担当地区には、現地人のあいだに非道徳的な踊りの習慣がある。 雨が降り、彼らの船は感染病者発生のためしばらく停留せざるを得なくなる。…
『ワイマル共和国』につづいて林健太郎のヨーロッパ史を読む。戦間期は、現在のシナイ半島紛争の要因であり、また今読んでいる『ブリキの太鼓』の舞台でもあり、ユンガーの活躍した時代でもある。この時代およびビスマルクからはじまる近代ドイツの歴史を把…
本の大部分は科学者たちの努力と研究の発展の記述に割かれている。同じSFとはいえ冒険小説的なものとは大分印象が異なる。月面で発見されたルナリアンおよびガニメデで発見されたガニメアンの生態が徐々に解明されていくところはソラリスにも似ている。 科…
高校生むけの経済学入門書とのこと。 第1章 経済学とニューエコノミー 経済学は、社会のなかの組織がおこなう選択を研究する学問である。選択にまつわる五つの重要な概念がトレードオフ、インセンティブ、交換、情報、分配である。 すべてのもの(時間、所…
顔のでっぱりとへこみにたいして防護液をつけた、その番号のなかにはなめらかな素材でできたカード型のかぎがあり、さしこむと 古い城のあと、むかしの人間が濠をつくって、矢倉をたてた丘に入ることができる、わたしは、立体的な生首が「入城」ということば…
うさぎの環のなかをくぐる、海岸の、細かい粒状の砂を足のうらからくるぶしまでとりつけた、幼い男の子の、タイヤじみたうごき レントゲン技師が紙ぺらをよこし、わたしのすがたかたちは黒い図像となってうかびあがる。 幼い、ぜんぶの人のおもいでによって…