うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015-02-01から1ヶ月間の記事一覧

今日のスペイン語

教科書:『教養のためのスペイン語』 『The ultimate SPANISH review and practice』 アクセントについて 1 母音で終わる語はうしろから2番目の音節にアクセントがかかる。 casa, semana 2 n, s, で終わる語も同じ。 lunes, joven 3 n, s, 以外の子音で…

スペイン語とフランス語の勉強

うと事連第△号 27.2.9 スペイン語とフランス語の勉強について 標記について、下記のとおりやる。 1 趣旨 途中で投げ出していたフランス語とスペイン語の勉強を再開する。現状、 アミーゴ、トレビアンと言える程度であるがこれは問題である。 2 期間 …

飛行体

水槽に墓をつくった姉の 自分から息をとめて水の、 澄んだ青色の中に沈んでいく、音のないわたしの姉の息 熱帯の魚がついばむ 色とりどりの絹と化学繊維を 浴衣を着た姉をおもいだす 右手に磁器テープをもち、小さくて白い 手のひらには汗をかいて 汗がした…

『ヴォルガ・ドイツ人』ゲルマン プレーヴェ

ヴォルガ地方に居住するドイツ人を、ヴォルガ・ドイツ人と呼ぶ。本書は彼らヴォルガ・ドイツ人の歴史と文化を理解するための助けとなるべく書かれた。 ――そもそも、ヴォルガ・ドイツ人とは何者か。祖先がいつ祖国ドイツを後にして見知らぬ遠い僻地へやって来…

『インド神話』上村勝彦

『マハーバーラタ』を中心に、また『リグ・ヴェーダ』からも参照しつつ、インド神話を紹介する。 *** 『リグ・ヴェーダ』はアーリヤ人最古の文献である。この中には神への讃歌がおさめられている。神はディーヴァといい、悪魔をアースラ(阿修羅)という。 …

『行政学』西尾勝

行政学は、リンスなどの比較政治体制論につながっている。また、官僚制を知るためにも、このような教科書をひとつは読んでおきたい。公務員になる人間が、公務員の歴史を知るというのも無益ではないだろう。 公的な組織だけでなく、企業や軍隊なども組織であ…

『ブッダの真理のことば 感興のことば』中村元

愛欲、欲情、快楽、財産に執着すべからず、と何度も説教する。そもそもこの世は不浄である。家族や子などのしがらみ、怒り、怨念、仇討ちの感情、これも、消し去るべきという。 われわれの生活のほぼすべてを占めるこうした俗事を、仏教は否定する。しかし一…

『日露戦争史』横手慎二

前段階、戦争の経過、その後の影響、また海外の史家や世界史的な視点からもふくめて、日露戦争を見直す。 *** 十九世紀末は各地で植民地戦争が頻発した時代である。アフリカにおける植民地戦争や、米西戦争、中国の分割がこれにあたる。こうした状況の中で、…

『シュルツ全小説』ブルーノ・シュルツ

――七月、父は決まって湯治場へ出かけていき、私と母と兄とは暑熱に白いめくるめく夏の日々のなかに置き去られた。光に放心した私たちは休暇というあの大きな書物を一枚ずつ見開いていくのであったが、どのページもちらちらと燃え、その底には黄金色の洋梨の…

『バイト・フリーター110番』

残業代未払い、時間外労働が法律違反であること、深夜十時以降は給料を二割増しにしなければならないことなどが書いてある。どの事例でもまず経営者に話をしてから労働基準監督署にチクるのが正しい手順らしい。 面と向かって給料の話をできない臆病者はいい…

『労働法のキモが2時間でわかる本』石井孝治

労働法とは労働基準法、労働組合法など労働関係の法律の総称である。労働基準法は「労働者が人並みの生活をするために必要な、最低限の労働条件の基準を定めている法律」であり、「労働者は労働基準法によって保護されて」いる。 *** 使用者は、労働契約をむ…

『トラークル詩集』

色彩をやたらとつかうのはヘボ詩人のやること、とゴットフリート・ベンが批判した際、その例外としてあげられたのがトラークルである。ベンの賞賛の通り、どの詩にも大抵「なに色の」ということばが含まれていて、鮮烈な印象をあたえる。 ひなびた農村、田舎…

『続・春日井建歌集』

「白雨」 「未青年」にあったような鮮烈さ、血の匂いはなく、前に読んだ歌集の、後半部と同じく、枯れた調子の歌が並んでいる。 ――降る雨は光あまねく充ちてゐる空をぬけきて木立をぬらす 水墨画のような、白黒の風景と、淡い光線、白くぼうっと輝く雲をおも…

『塚本邦雄歌集』

戦後短歌の有名な人の作品を集めたもの。細かいこと……『透明文法』、『水葬物語』、『装飾樂句(カデンツァ)』、『緑色研究』など。 「透明文法」…… 無風景の、言葉の奇抜な組み合わせを重視した歌が多い。春日井建のような情緒はない。旧字体が印象に残る…

『地上最強のアメリカ陸軍特殊部隊』三島瑞穂

第一部ではアフガン、イラクなど近年の事例を中心に特殊部隊の役割を解説し、第二部では著者の体験が語られる。アメリカとその自由主義への強烈な信仰が文の端々から垣間見える。善い悪いの問題ではなく、根底に強い信仰や忠誠がなければ、危険な特殊部隊の…

『下克上の時代』永原慶二

本書が扱うのは一四一六年、上杉禅秀の乱から一四八五年、山城の国一揆まで、将軍でいえば足利義持、義教、善政の時代である。室町幕府が下克上の機運のなかで崩壊していくさまを描くのが、この巻の目指すところである。 『日本の歴史』シリーズは古本屋で投…

『南北朝の動乱』佐藤進一

南北朝正閏問題は、現在からは考えられないほど神経質に扱われていた。斎藤実内閣のとき、中島商相が足利尊氏を評価した論文を発表したために、貴族院の菊池武夫らから叱責され辞職する事件がおこった。戦前においては南朝(吉野朝)が正統であり、北朝およ…

『ヤセンスキー、アンドリッチ、ゴンブロヴィッチ、オレーシャ』

ロシアおよび東欧の作家を集めたもの。 *** ヤセンスキー「パリを焼く」 不況におちいったパリで、ピエルは工場をくびになる。住む家も追い出され、現金もなく、恋人のジャネットはほかの男と出歩いて帰ってこない。ピエルは地下鉄の駅構内で寝泊りし、ゴミ…

『信長の戦争』藤本正行

信長の功績、とくに軍事面での成功や勝利の挿話の大半は、江戸時代に創作されたものである。軍談や軍記物として創作された話が、戦前には軍人の戦史研究に用いられ、戦後も史実として受容されてきた。 本書は信長、秀吉、家康の三代にわたって仕えた太田牛一…

『クラウゼヴィッツと「戦争論」』清水多吉 石津朋之 編

クラウゼヴィッツについての雑多な論文を集めた本である。誤解を受けることの多いクラウゼヴィッツの思想、彼の戦略・戦術論と歴史的ドイツとの関係、また現代戦における位置づけなどがテーマである。 *** 『戦争論』は未完の書物である。クラウゼヴィッツは…

『参謀総長モルトケ』大橋武夫

うさんくさいビジネス本叢書のひとつらしく、現代の企業参謀にとっても有意義であることがたびたび強調される。著者は実際に陸軍参謀だったようだ。 *** モルトケは没落貴族の子としてうまれ、はじめはデンマーク軍に所属した。ナポレオン戦争で活躍したグナ…

『軍事学入門』

本書は防衛大の講義に使われているという。 「軍事力というものを国際的な視点、通念でとらえ、軍事力の本質や特質を記述」することが、本書の目的である。 軍事力とはなにかの理論、歴史研究、現代の軍事力、現代戦、後方支援、科学技術の6章からなる。 軍…

『論理分析哲学』フォン・ヴリグト

本書の目的は分析哲学、または論理分析哲学の紹介である。第一部では論理哲学の発展史をたどり、第二部では現代の論理哲学を展望する。 *** 19世紀から20世紀にいたる哲学の潮流は、マルクス主義、新スコラ学、実存主義、分析哲学の四つに分けられる。そ…

鉄塔の上でそんなふうに……(2011)

鉄塔の上でそんなふうに大声をあげても なにも 聴こえない 赤と白の縞をなんども塗りつづける男と それを下の荒地から 見上げる男 檻と格子でできた家に住んでいる その子はかわいいので 頭がおかしくなった ぼそぼそと だれも聞いていない話を 何度も繰り返…

人造衛星

鍾乳洞のなかに手をつっこんでさぐるとススで手のひらが 真っ黒になった 爪も黒くなってしまい、しばらく とれない 水の色はエメラルドで、長い年月が たってもだれも浄化しなかったので老いぼれて 円錐のかたちの水柱をたてて、信号を発する なにをいってい…

『日本の近代9 逆説の軍隊』戸部良一

8月15日終戦日、皇居周辺に位置する近衛師団においてクーデターをもくろむ将校が宮城事件をおこす。クーデターは失敗し、決起派は鎮圧される。この事件は陸軍の狂気と同時に、冷静さをも示している。 ファナティシズム(狂気)が常態化していた昭和陸軍の…

『中華民国』横田宏章

辛亥革命から共和国成立までの四〇年にわたる中華民国の歴史を、伝統的な中国の政治形態、「賢人支配の善政主義」という観点から描く。この政治形態とは、「選ばれた有能なエリートが統治能力のない無能な大衆にかわって高度な統治技術を必要とする政治を独…

『日本の近代6 戦争・占領・講和』五百旗頭真

B大生の間で評判の悪い、いおきべ・まことの研究。文章が情緒的すぎる。 *** 山本五十六は海軍航空本部の建設者であり、世界水準の戦闘機零戦を作り出した功労者である。対米戦争はもともと現実的とは考えられていなかったが、三国同盟によって米国は態度を…

『狼煙を見よ』松下竜一

――〝人民〟という概念があります。まだぼくがガチガチにイキがっていた頃、ぼくはこの〝人民〟や〝大衆〟という表現をまったく無頓着に使ってきました。それは十代後半から左翼運動に入って、そういった表現に麻痺していたんでしょうね。……ところで〝人民〟…

『ホモ・ルーデンス』ホイジンガ

「ホモ・サピエンス」、「ホモ・ファーベル」(作る人)と、人間の呼称は数多い。ホイジンガは「ホモ・ルーデンス」(遊ぶ人)という名前をつくり、遊びが人間の習性に占める大きさを強調する。遊びは文化より古く、動物もまた遊ぶ。遊びは「なんらかの意味…