公開:2009年
監督:エドワード・ズウィック
親衛隊から逃れ、森のなかで共同体をつくったユダヤ人たちの映画。実在の人物を基にしているという。
ベラルーシは東欧でもパルチザン活動の激しい地域だったが、本作で取り上げられるのは、半盗賊として森の中で生き延びたユダヤ人たちである。
長男のダニエル・クレイグはユダヤ人同朋たちを迎え入れ、かれらを率いる。かれはモーセにもたとえられている。しかし、劇中では弟と仲違いし、自己中心的な人間にクーデタを起こされかける。
本人は、葛藤する通常の人間にも関わらず、周囲は不自然なほど英雄視している。いつの間に、こんなに悪名高い頭領になっていたのかと感じた。これは映画を制作する側の問題で、ダニエル・クレイグやそのモデル人物の問題ではないと思われる。
方向性の違いから共同体を脱退した弟は、赤軍のパルチザンに合流する。ロシア人の中にもユダヤ人への反感が存在することが示される。