総理大臣がスピーチで言い間違いをした記事を見かけて、亡命ソ連軍人スヴォーロフの自伝における認知症将軍を思い出した。
◆エピシェフ将軍
1967年頃、ソヴィエト陸海軍政治総本部長だったエピシェフ上級大将は、痴呆の疑いをかけられていた。
講話のため、全青年将校会議にやってきてエピシェフがスピーチ原稿を読み上げたとき、原稿がコピペと切り貼りで支離滅裂になっていたため、同じ文言やパラグラフを何回も、ぶつ切り状態で読み続けた。
このスピーチは数時間に及んだが、本人は自分の読んでいる内容についてまったく気が付いていないようだった。赤軍では、原稿は読む当日まで目を通されることがまったくないからである。
後日、原稿は修正されてクラスナヤ・ズヴェズダ(レッドスター)紙に掲載された。
そして、20年近くたってもなおエピシェフは同じ地位についていた。
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