北欧神話を子供にもわかりやすくまとめたもの。
オーディン、ローキ、トール、フレイといった有名な神だけでなく、小人、巨人等様々な種族が登場する。
――神さまたちが、計略をつかって城壁をつくってもらったこと、約束をやぶったこと、アースガルドで正しくないことがおこなわれたことを、オージンは悲しく思っていたのでした。
巨人は神々と対立する種族だが、完全に悪人というわけではない。ローキは神と巨人の合いの子であり、いたずらをくりかえすが最後には神を怒らせて殺される。
神も、相手をだましたり、宝に目がくらんだりと世俗的である。小人にも残虐な者がいる。
神々はいたずらや、攻撃されたことをよく覚えており、仕返しの機会をうかがっている。
神々のたそがれにおいて、神と巨人、魔物とがお互いに殺し合い、生き残ったものたちが新しい世界をつくっていく。
***
ヨツンヘイム……巨人の住む国
ニブルヘイム……世界の最下層にある氷の国
ムスペルヘイム……灼熱の国
***
ローキと魔女アンゲルボダとの子供……フェンリル、ヨルムンガンド、ヘラ。
――3ばんめは、生きているすべてのものの命をうばうのを願いごとにしていて、それもある姿をしてやってきたのですが、アースガルドの神々は、その姿をみて、ぞっとするほど恐ろしくなりました。というのは、それは女のすがたをしていたのですが、半身は生きた女の姿で、あとの半身は死骸だったからです。