フランスの小説家サドによる幻想文学。
本書の構成は以下のとおり。
・背景
・登場人物
・計画
・訓示
・日課次元
・記録
計画によって集められた少年少女は、4人の変態権力者の変態行為の犠牲になる。あわせて、4人の中年女が自分の経験した変態行為を話して聞かせる。
ひたすら糞尿と変態行為の記録が続き、最終的には『悪徳の栄え』のように拷問と殺人に至る。
変質大会に関して、割と計画が構成されているのが笑いどころである。
おそらくこれが、作者の作りたかったものなのだろう。
異様なオブジェのような本で、わたしのような素人には、読み進めるのは大変である。中間部はほとんど読み飛ばした。
4人の変態権力者(公爵、司教、法院長、徴税請負人)は、1人を除くと、性的不能に近い。
中年女の回想でも、変態行為に執着する性的不能の人物が多数現れる。何かの関係があるのだろうか。
権力者たちの、悪徳と非道を追求する哲学、奴隷を苦しめれば苦しめるほどよしとする哲学が挿入される。
糞尿趣味の者は、汚ければ汚いほどいい、と自説を開陳する。
- 作者: マルキドサド,Donatien‐Alphonse‐Francois de Sade,佐藤晴夫
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 2002/07
- メディア: 単行本
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