最近読んでいるPeter Hopkirk(ピーター・ホップカーク) "The Great Game"は面白い。
The Great Game: On Secret Service in High Asia (Not A Series) (English Edition)
- 作者: Peter Hopkirk
- 出版社/メーカー: John Murray
- 発売日: 2006/03/27
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
19世紀、英国とロシアが中央アジアにおいて勢力争いを行った歴史(グレート・ゲーム)をたどる本で、主に英露側の記録をもとに物語が構成されている。
ロシアは勢力拡大のために南下し、一方英国は、ロシアがインドに進出してくることを恐れた。中央アジアの空白地帯を掌握するために、軍人が送り込まれた。かれらは探検家兼外交官兼間諜として、砂漠地帯を進み、危険な専制君主の都に潜入した。
登場するのはヒヴァ、ブハラなどウズベキスタンの城塞都市であり、旅行で観た風景を思い出した。
本書に出てくるラダック(Ladakh)地方(ザンスカールZanskar地方を含む)は、いまでもチベット文化が残っているという。インドのカシミールにあるためあまり交通の便はよくないらしいが、いずれ旅行に行きたくなった。
コーカサスでは、ロシアに対して抵抗するチェルケス(Circassian)やダゲスタン(Dagestan)を、「ロシア脅威論者」のイギリス人たちが支援した。
アフガニスタンは、インド亜大陸に入るための要衝であり(陸路・海路どちらも、インドに入る経路は非常に少ない)、常に抗争に巻き込まれてきた。
第1次アフガニスタン戦争は、1838年、「イギリスに従順でない」君主、ドースト・ムハンマドの首をすげかえるために、イギリス・インド軍が侵攻することで始まった。
短期間でカーブルは陥落し、ドースト・ムハンマドは亡命した。ところが、各地で反乱が起こり、傀儡君主シュジャー・シャーは暗殺され、カーブル駐留の占領軍も全滅した。
Peter Hopkirkの本は他にもあるので、順番に読んでいく。日本語訳は、抄訳のものと、中古価格が高騰しているものとがある。
Trespassers on the Roof of the World: The Race for Lhasa (English Edition)
- 作者: Peter Hopkirk
- 出版社/メーカー: John Murray
- 発売日: 2012/03/15
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る