うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『外国語上達法』千野栄一

 外国語学習をする人間に必読だと評判の本。千野氏は語学の才能がないことに失望し、ポリグロット(多言語使用者)の伝記をよく読んだ。彼いわく才能もあるが、それだけでなく上達法も大切なのだという。

 バイリンガル、二つの言語を同等に使いこなせるには努力以上に生育環境が必要であって、各人がどうこうできる問題ではない。

 まず、目的意識をはっきりとさせること。

 読み書き会話が完璧にこなせる言語は、凡人には二つ三つ程度しか持つことはできない。著者もたいていの言語は辞書をひいて読み、文法構造がわかるというだけだ。まず主軸となる外国語をひとつ選び、あとは用途に合わせて勉強すればいいという。

「人間はそもそもケチであるので、お金を払うとそれをむだにすまいという気がおこり、その時間がむだにならないようにと予習・復習をするというのである」。

 ひとつの言語を読み書き会話にわたって習得には三年から五年かかる。長い時間をかけて覚えること、覚えなければならないのは語彙と文法だけである。

 著者曰く千語を覚えればたいていのテキストの九割は読むことができる。頻出単語を覚えればあとは辞書で事足りる。三千語覚えればその言語は習得といっていい。語彙のつぎに文法がくるのである。

 文法は1課ごとにすすむ勉強とはほかに、頻度の高い変化表を徹底して覚えよ。最初の一ヶ月のうちに。

 辞書は用途に合ったものを選ぶこと。そして辞書は多ければ多いほどよい。外人と交流する場合文法の正しさよりも発音の正確さが問題になる。

 発音はテープを聴く訓練のもいいが、教師が必要だという。会話は間違いをおそれないこと。「人は努力するかぎりあやまつものである」とゲーテは言った。

 「外国人」という未知の生物と会話するための「英会話」。

 会話の技術を習得するために会話をしていたため外人に嫌われた者。レアリア、文化背景を知ることもまた大切である。

 多くの言語を知れば知るほど、視点は複眼的になる。まずスペイン語、独、仏、露、イタリアなど主要外国語を学んでから、マイナー言語にうつるのがよいという。 

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)

外国語上達法 (岩波新書 黄版 329)