うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『ほんまにオレはアホやろか』水木しげる

 落ちこぼれ扱いをされて生きてきた作者の回想について。水木氏は子供のときから落第生で、戦争では片腕をなくし、その後は漫画家を目指して貧乏な生活を続けた。しかし、死なない限り暗くなることはないという。

 

 戦争で片腕を失った水木氏の戦争観に対して、なにかいちゃもんをつけることなど誰ができよう。

 

 ――ああ、人生って何だろうと人並みに考えるわけだが、なにせ落第生だから、自分で考えだすよりも、昔のエライ人の考えをカンニングして代用しようというコスイ考えなのだ。

 水木氏はゲーテをよく読んだ。古本屋によく行っていたようだ。

「若者たちは、まるで全国民におどかされて死におもむいているようなものだった」。

「ぼくは、たいがいがゆったりしたタチだから、ゆったりとかまえていた。ところが、ふつう初年兵はオドオドしているものらしい。ぼくがゆったりかまえていると、古兵の一等兵や上等兵はかってに、あれは将校だとカンちがいして世話してくれる。将校用の風呂へ案内して背中までながしてくれた。まもなくバレて、えらい目にあった」。

 彼は派兵先で現地人と親しくなるが、これは珍しいことであるらしい。

 水木氏は結局、四十近くの歳まで極貧生活をしていた。好きなものを好奇心によって調べつづけることが大切だという。

ほんまにオレはアホやろか (新潮文庫)

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