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The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

南北戦争 ――昔の軍隊のようす

 最近、南北戦争の通史を読んでいる。Amazon.comでは読みやすいと評判である。

 去年訪問した南北戦争関連の遺跡や博物館でも、お土産屋によく並んでいた。

 

Battle Cry of Freedom: The Civil War Era (Oxford History of the United States)

Battle Cry of Freedom: The Civil War Era (Oxford History of the United States)

 

 

 南北戦争明治維新よりも前に行われた戦争であり、軍隊や戦闘の様子も後世とはかけ離れている部分がある。

 

 

 戦争は、北軍にとっては連邦を守るための戦争だった。南軍にとっては、北軍は侵略者だった。

 奴隷制と縁のない貧しい南軍兵士たちは、なぜ戦うのかと聞かれて、「ヤンキー(北部人)がきたから」と答えた。

 

 南部にとって、リンカーンが企む奴隷制廃止は、市民の自由、所有権、州の自治権を奪うに等しかった。

 その自由とは、奴隷を所有する自由だった。

 南部諸州の首都は、分離独立の熱狂に湧いた。その様子は、後の第1次世界大戦勃発時を想起させるものだった。分離独立は、自由のための革命、第二の革命戦争だった。

 

 アメリカ連合国(南部)は、奴隷制を保持する国として「放っておいて」ほしかったが、北部は離脱を許さなかった。

 

 

 

北軍のとある将軍は、南部に進軍するために、セントルイスの本屋で地図を買わなければならなかった。

 

・開戦当初に集まった各地の民兵組織は、この時代には軍事組織というよりは親睦会や交流会に近く、教練よりは飲み会のほうが多い団体も少なくなかった。

 しかしかれらは国の徴集に真っ先に応じた。それぞれが独自の制服を着たため、「制服(Uniform)」の定義に矛盾していた。

 制服の混乱は、戦争初期に友軍射撃の悲劇を生んだ。

 

民兵・志願兵組織の高級将校……大佐や将軍たちは、ただ装備・制服代を工面した裕福な農家や民兵組織の長であることが多かった。こうした素人指揮官は、戦争初期に手ひどくやられてすぐ姿を消した。

 

・一方、勇敢な将校たちは兵の先頭にたって突撃した。

 南北戦争における将軍(General)の死亡率は、兵隊よりも50パーセント以上高いという。偉い階級ほど後方にこもる現代戦とは全く異質である。

 

 

 南部の権益を擁護するため、大統領選においてリンカーンと論争したイリノイ州民主党議員スティーブン・ダグラスの演説は、今の時代ではさすがに通用しない内容である。

 

「黒人に対し白人と平等の権利など与えていいのか」、「黒人が投票し、政治をおこない、白人女と結婚することが実現されてもいいのか」、「黒い共和党は劣等人種の国をつくろうとしている」……

 

 

 

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