うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

ドゥ・ザ・ライト・シング系

 ◆ファンタジー

 ポール・ニューマンの出ている映画「評決」を見た。上司の策略で落ちぶれた弁護士が、カトリック教会の経営する病院の不正のために戦う映画である。

 

評決 (字幕版)

評決 (字幕版)

 

 「評決」

 「評決」の主人公弁護士は酒浸りであり、普段の振る舞いも褒められたものではなかった。カトリック教会と病院は、医療ミスをもみ消そうとしていたが、弁護士は、ミスにより植物人間になった女性と対面し、病院に対して戦おうと決意する。

 監督は『十二人の怒れる男』と同じである。

 映画は、一般市民が正しい決断をおこなう姿、また落ちぶれた人間や悪人にも心のどこかに良心が残っているのだという希望を訴えている。

 

 

暴力脱獄 (字幕版)

暴力脱獄 (字幕版)

 

 「暴力脱獄」

 邦題はおどろおどろしいが、内容は非常にすがすがしい。

 主人公ルークは理不尽なシステムに従うことを拒否し、刑務所のなかで抵抗し、徐々に囚人たちの支持を集めていく。ルークはキリストになぞらえられている。

 

 

 

 「ハクソー・リッジ

 宗教的信条に従い、銃を持つのを拒否し衛生兵として働いた人物の映画。

 「炎628」や「ゆきゆきて、神軍」と同じくらい好きな映画である。

 

 アメリカも、ほかの国と同じく現実は厳しい。金持ちや悪人が勝ち、犯罪者やギャングは捕まらず、弱い人間は追いやられている。

 無法地帯のなかで正義が勝つ西部劇は、かれらの理想や希望を描いたものではないだろうか。

 

 

 ◆アメリカ人の疑問

 ハワイは本土に比べて日本が近いため、日本に観光に行くアメリカ(軍)人が多い。

 皆、食べ物やスキー場、寺社仏閣などを気に入っているようである。

 無職散歩がてらに話を聞くのは米軍人が多いのだが、気がついたのは以下の感想である。複数の人が同じようなコメントをしていた。

 

沖縄人は自分たちのことを日本人ではなく沖縄人(Okinawan)だと言っていた。

 感想:太平洋軍で勤務す軍人の多くは沖縄や岩国、厚木にも臨時勤務で半年程度出張することが多いが、沖縄に行くと、かれらは皆同じようなことを聞かされるようだ。

 

電車で高齢者にだれも席をゆずらないのでおどろいた。

 感想:わたしは昔、毎日電車通勤していたのでこの感想に納得した。日本ではこの現象を正当化するために様々な理屈付けがされているのも知っているが、とてもそれをアメリカ人に披露する気にはなれなかった。

 筋肉ダルマ米軍人の前で「わたしたち労働者のほうが疲れているから~」、「高齢者は年金をもらって健康だから云々」、「逆に拒絶されて怒られる場合もある」という話をすれば、軽蔑されるのは明らかである。こんな理屈はとても恥ずかしくて言えたものではない。

 

 通勤していたときのわたしの方針は、いかなる条件でも優先席には座らない、空席のあるとき以外は座らない、後から人が乗ってきて譲ったほうがいいと感じたら声をかけるということだった。

 

 一度、始発駅で並んでいた列が、松葉杖の男性を追い越して我先にと乗り込み、すべての席が占拠される風景を目撃した。松葉杖男性は遅れて電車に乗りその辺に立った。

 わたしはさすがにおかしいとおもったが何もできなかった。優先席にいって8人のだれかに譲ってもらうようお願いするべきだっただろうか。例えば全員が無視を決め込んだらどうすればいいだろうか。

 

 結論としては、明らかにおかしいのに何も行動しなかったのをいまでも後悔している。

 

 

 

 

 ◆笛吹川

 日本語で読める内部告発本を買っているが、郵送してもらわないと読めないので感想はまだ先になる。

追補版 警察内部告発者 ノンキャリア最高幹部が見た闇

追補版 警察内部告発者 ノンキャリア最高幹部が見た闇

 
現職警官「裏金」内部告発

現職警官「裏金」内部告発

 
恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白 (講談社文庫)

恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白 (講談社文庫)

 
本当にワルイのは警察?国家権力の知られざる裏の顔 (宝島社新書)

本当にワルイのは警察?国家権力の知られざる裏の顔 (宝島社新書)

 

 

 北海道警裏金問題に関する下の2冊は非常に面白かった。

追及・北海道警「裏金」疑惑 (講談社文庫)

追及・北海道警「裏金」疑惑 (講談社文庫)

 

 

 命の危険にさらされながらよく告発を続けられるものだと驚く。

 


 

リトビネンコ暗殺

リトビネンコ暗殺

 

 

 以前読んだ『King Leopold's Ghost』でも、レオポルド2世の犯罪を告発したのはイギリス人貿易商人たちだった。

 不正を告発してきたのは、一部の空気を読まない人間、裏切り者、信念にとりつかれて現世利益を犠牲にした人間である。

 

King Leopold's Ghost: A Story of Greed, Terror and Heroism in Colonial Africa (Picador Classic)

King Leopold's Ghost: A Story of Greed, Terror and Heroism in Colonial Africa (Picador Classic)