ボルヘスの晩年の短編集。
『伝奇集』のなかの「南部」を連想させる、ガウチョや無法者たちの物語が多い。
なぜ日本語がとても読みにくいのかがわからなかった。
「じゃま者」
仲の良い無法者兄弟の話。
「卑劣な男」
無法者と、かれに気に入られた少年との話。
「ロセンド・フアレスの物語」
意地の張り合いで簡単に死んでいく世界から抜け出す話。
(略)
ボルヘスは暴力的、短絡的な男たちの様子を好んで取り上げている。かれらはすぐにナイフで殺し合い、またはナイフの魔力によって操られている。
男尊女卑は無法者にとっては不可欠である。悪党たちは決闘で虫けらのように死んでいく。
「ブロディーの報告書」は、ヤフー族の生態を描く幻想的な話である。