うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

無明の王

 それから次の
 両手を持って、手首と手首を
 ひもでつなぐ。
 火薬の香りが
 立ちのぼる、だれかの
 青緑の帽子。
 
 わたしにも、わたしの
 となりの人形にも
 一様に咲く、ペヨトル花を
 長方形の、自然の鉢に
 投げこんでいく。
 
 機械力の助けを借りて。
 
 わたしは読む、骨ばかりの
 指でめくって読む、
 土の上からたくさんの
 見えない、白い
 根が育つのを。

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