正しく、電気の柱にたかる鳥の、
複数の鳥と、それにぶらさがる無線技士たちが、
夕焼けを浴びて影絵に変わるときのこと。
大きな背中の男、かれの、筋骨たくましい、大小さまざまの
筋線維が立体的に絡まった、馬のような背筋に、
足場を組んで、ケーブルを貼っていった。
ひとり、ひとりが
人間の祖先によって書かれた規則を手にして。
電信柱と電信柱の奥に、だれにもしばられない自由な
空中鉄塔があり、そこに串刺しにされた、
巨人の4つの胴体をわたしは点検した。
わたしたちは油と鉄粉にまみれた、手のひらをあわせる。
ありがたいこと、という号令とともに、手足を切ってかまどに
こっそりと隠す。
太陽が沈むのと入れ替わりに、自分たちをつくった古い人びとの
おいしそうな肉の香りに包まれる。