2015-05-06から1日間の記事一覧
やわらかい子供の手 ふくらみに、5つの芽のでた、指 キリキリの 手をひいて、おや、 ああ、適温の 子供手のひら 山のすき間から、眼のない 花のゲリラたちの手をひいて その道に案内してくれといわれた 唾液の子が命令された 朝方には、肺ボンベを 背負った…
日曜日になると、この人 集団房の担当者のかたちが できあがる、水がめのなかに ばらばらの血とわたがただよって いる、それをカーボンスプーンで まぜた、この手順書から 担当者のかたちが実物に なった わたしはあたまの 骨、ドーム状のカバーを着脱する、…
ネクサス 三部作の最後。ドストエフスキーの気違いたちの話。モーナはふたなりのスターシャと親しくなり、ミラーはこのスターシャをねたんだ。彼はドストエフスキーの世界を、退屈と狂人に満ちたニューヨークに投影させた。曰く、ドストエフスキーの想像のロ…
「われら」 「1984」や「すばらしき新世界」につながる反ユートピア小説の元祖で、長い間ソ連文学史から抹殺されてきた。 われわれの文明は二百年戦争を経て完全に消滅し、「緑の壁」とよばれる外に追放された。生き残った一〇〇〇万の人びとは「慈愛の…
本メモの数が増えたので、おおざっぱに分類しました。 フィクション以外の本はだいぶ基準が怪しいですが……。 ◆海外のフィクション ◆日本のフィクション ◆歴史の本 少しでも歴史的な要素があるものはここに入れました。 ◆その他の本 経済についての本、科学の…
『アーロン収容所』からのビルマつながりで読む。 「勇」師団管理部衛兵隊に配属された主人公は弾薬運びとなる。前作とは異なり今作は著者自身が主人公という私小説の体裁をとっている。龍陵会戦を体験した東北出身の「勇」師団の兵たちに取材する。 古山氏…