うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『統合失調症』林公一

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 医師が病気について勉強するときはまず症例を調べる。本書は統合失調症の症例をわかりやすく示すことを目的とする。

 統合失調症は脳の病気であり薬を飲まなければ何も始まらない。

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 統合失調症は100人に1人の割合で発症する。主に20歳前後に発症し、当初はうつ、無気力、ひきこもりの様子に類似している。被害妄想、幻聴、思考を読まれているという妄想にかられる。

 統合失調症の治療方法は薬物療法であり、適切な治療によって通常の社会生活を送ることができる。脳の神経細胞の変調に原因があることまではわかっているが仕組みは解明されていない。

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 病人からの悩み相談がおもしろい。被害妄想、誇大妄想、させられているという意識、思考の分裂等が症状に現れる。

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 復帰には時間がかかり、ストレスにより症状が再発することが多い。精神障害者社会復帰のための施設にはデイケア、ナイトケア、作業所、グループホーム、生活訓練施設、生活支援センター、その他がある。

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 適切な治療を施さなかった場合、被害妄想にかられて他人に害を及ぼしたり、人格の荒廃した人間となったりする。特に初期症状においては自殺が多いという。

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 統合失調症の治療は抗精神病薬、「メジャートランキライザー」でおこなう。

 薬の機能……幻聴や妄想を消す、興奮状態を抑える、再発防止効果を持つ、ドーパミンに働きかけ作用する、ある程度の意欲を作りだす、

 副作用には個人差があり代表的なものは手の震え、からだの表情の硬化、姿勢の前傾化である。

 その他、睡眠薬抗うつ剤も併用される。

 家族がやるべきことは精神科に通院させること、妄想は聞き流すこと、あまり期待をかけず気長に介護すること、社会資源(施設等)を活用することである。

 本人や家族の判断で薬の服用を中断することにより再発する危険性は極めて高い。

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 統合失調症はとてもよくおこる病気である。

 「願望と現実を混同してはいけない」。

 病気の実像を直視することが重要である。 

統合失調症―患者・家族を支えた実例集

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