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うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

2015年 映画のメモ その8

◆「戦場でワルツを
 レバノン侵攻に参加した映画監督のフォルマンは、虐殺の日の記憶が抜け落ちていることを発見する。かれはかつての同僚と連絡を取り、戦争の記憶をたどっていく。
 コンピュータ製のアニメはよく動いておもしろい。展開は散漫で、特にサスペンス等もない。自分の認めたくない過去は消されてしまう。

 

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◆「ミスト」
 B級怪物映画。触手、虫、鳥、巨大な怪物が登場する。

 

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◆「オトナ帝国の逆襲」
 おもしろいと評判だったので観たがやはりおもしろかった。
 過去にとりつかれ、子供と未来に背を向ける大人たちの話。平凡な生活であっても価値があると人物たちは考えている。かれらにとって家族は重要である。
 戦闘員たちがオート三輪で大人たちを迎えに来る場面では、強制連行と運搬を連想した。

 

 

◆「トレーニング・デイ」

 以下ネタバレ
 麻薬捜査課に配属された新人警官は、先輩警官のOJTを受ける。ところが先輩警官は腐敗しており、日常的に違法な捜査を行っていた。また、個人的なトラブルのために殺し屋に追われており、支払金の工面のために売人を殺害し金を奪った。
 新人警官は先輩警官の裏切りから身を守り生還する。
 警察と麻薬組織との癒着や腐敗を題材にしている映画と予想していたが、それよりはデンゼル・ワシントンの個人的な腐敗が印象に残った。

 

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◆「インサイダー」
 タバコ会社の健康被害に関する隠ぺいを内部告発する人物たちの映画。
 BGMは背景に抑えられており、記録映画風の作りである。ただし、要所要所で、劇的な場面が挿入される。
 内部告発は本人の生活に深刻な打撃を与える行為であり、かれは孤独な状況で組織の圧力と戦わなければならない。アル・パチーノは、情報提供者との約束を守ることで信用を守ろうと奮闘する。
 登場人物たちは皆生活や扶養家族を持っており、自分の信念を貫くのか、生活や社会的地位を守るのかの選択を迫られる。

 

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◆「ローン・サバイバー
 アフガンで孤立した偵察班4人のサバイバルを題材にした映画。4人がタリバンに追い詰められていく様子……人質の解放、山での戦争、負傷、民間人の救助、救援ヘリの墜落、等を淡々と映す。
 主人公たちは海軍特殊部隊(シールズ)であり、筋肉が発達している。戦闘中、何度も手足を撃たれるが、それでも戦い続けているのに驚いた。傷を負っても、泥を塗り、破片を除去して生き残りを図らなければならない。
 アフガン戦争を、純粋に戦闘に限定して作品にしており、おもしろい。
 その他……
タリバンの撃つRPGがシールズ達に全く当たらないのが不思議だった。
・通信の確立は戦争において絶対不可欠である。

 

 

◆「マッチスティック・メン
 詐欺師の元に分かれた配偶者の娘がやってくる映画。詐欺師たちの作戦と、父娘の交流とが描かれる。物語には仕掛けがあり、結末は意外だが、全体としては温かい人間味が感じられる。
 リドリー・スコットの映画の中ではだいぶ現代風で、音楽や演出もSFや歴史ものとは異質である。

 

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◆「エス」
 監獄実験に参加して徐々に発狂していく人物たちを描く映画。主人公が追い詰められていくが、自分の恋人や、身分を隠して潜入した空軍少佐と協力して状況を打ち破ろうとする。
 いさかいや、個人的な不快感、恨みは、双方に権力の差がある場合、拡大されていく。

 

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◆「アクト・オブ・キリング
 インドネシアにおける共産党員虐殺の実行者たちが、当時の様子を映画化するために撮影に参加する。ドキュメンタリーの取扱いだが中身は台本に基づいているように見受けられた。
 虐殺を担ったのはパンチャシラ青年団等の民兵組織、プレマンと呼ばれるやくざだった。
 プレマンたちは当時のスハルト政権と軍と連携し、今でも社会の実力者として裕福な生活を営んでいる。愛嬌のある老人たちと、かれらが楽しそうに実演する殺人と拷問のギャップが印象的である。
 監督は映像の色にかなりこだわりがあり、青年団のシャツの色、プレマンたちの派手なシャツやスタイル、踊り子たちの幻想的な風景等、記憶に残る場面があった。
 拷問と殺人を再演していくうちに、殺人者たちに罪と後悔の意識が生じるという筋書きだが、あまりに都合が良いので最後の場面は演技ではないかという疑念が残る。ただし本当に改心したのかしてないのかという問題は確認しようがないのでここで追求しても仕方がない。
 やくざたちの認識には細かな違いがあり、「共産党員撲滅のために尽力した」、「共産主義者虐殺を罰する前にインディアン虐殺を罰せよ」と正統性を信じるものもいれば、「残虐行為でしかなかったなら、そのとおり伝えればよい」と開き直っている者もいる。
 尋常な精神では擁護しにくい虐殺行為だが、現在もなお緘口令を敷き、正当化を続けているインドネシアは私たちの想像を絶する国である。
・パンチャシラ青年団の指揮官の顔の大きさ
・ほがらかに人を殺すオッサンたち
・加害者の身近に、身内を殺された被害者が住んでいる
・首狩り族の光景になったパンチャシラ青年団の撮影

 

 

◆「カッコーの巣の上で
 なぜ人間は自分たちの行動や考えを管理されたくないのか。病人のふりをした「チーフ」も主人公も、自律性を奪われてただ生かされているだけの生活を認めなかった。

 

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