うちゅうてきなとりで

the cosmological fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『Life in the French Foreign Legion』Evan McGorman

 入隊前の覚悟から、手続き、実際の体験まで手広く紹介してくれる。
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 フランス外人部隊に入るものはほぼ例外なく失望すると著者は断言している。脱走はこの部隊特有の症例であり、脱走についても項を割いている。入隊基準や試験、日常生活を細かく教えてくれるので参考になる。

 持久力や、荷物を背負って動く力が必要とされるらしい。食事も民間委託せず自分たちでつくる。外出はほとんど許されず、入隊時に預けたものはパスポート等ごく一部をのぞいて二度と戻ってこない。

 ほとんどの隊員はよい人間だが必ず犯罪的傾向のある者や各種中毒者が混じっている。言語ごとに派閥ができるが、部隊配属になれば消滅する。

 民間では考えられないような人間がのうのうと働いているが、それを馬鹿にしてはならない、と著者は言う。

 また、部隊での生活には個人の自由はほとんどなく、外出も制限されている。落下傘トレーニングは興味をそそられた。

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 外人部隊はアフリカでの任務が主になる。暑さと虫と砂埃、それに貧困がアフリカの特色だと著者は述べる。現地の軍隊とは、言葉は通じないが共同で働くことになるようだ。

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 脱走については大部が割かれているのみならず、脱走の仕方ものっている。大半は訓練の過酷さではなく退屈から脱走するようだ。冒険を夢見て入った若者はすぐに失敗に気づき休暇を利用して脱走しがちである。

 退屈を紛らす、また限られた時間を有意義に使うのは自分の意志だと著者はいう。特に、読書は実りある時間を与えてくれる。

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 部隊には電波技師、事務、医療、調理など特殊技能のためのコースがある。また、自らの限界を目指すためにはエリート部隊たるReconへの門が開かれている。ここでは兵士は肉体の限界に挑戦する。この精鋭部隊は大変魅力的だ。

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 著者はボスニア内戦に国連軍のサポートとして派遣されたが、そこでは砲弾によって三人の隊員が死亡した。また狙撃や銃撃をうける機会も多くあり、自身こそ通信担当で当番を免れたものの、歩哨に立ったものの多くは負傷した。

 彼らの駐留した二つの村はその後セルビア人によって虐殺され、著者が目にしたほとんどの人間は死んだ。彼はそれを不思議なことだと感じる。

 国連の任務から帰ったあと、兵士は皆勲章を授かった。

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 フランス外人部隊は一部で考えられているような冷血漢の傭兵ではない。

 フランス外人部隊は究極的には平和を願っているのだ、と著者は主張する。また、定義上の傭兵に加わりたいならフランス外人部隊が一番だと彼はいう。まず、確実に収入を得られること(不安定な傭兵組織や、政府の雇用の場合、保障はおろか給料すら出ないことがあるという)、面倒見がよいことをその理由にあげている。現存する外人傭兵部隊は、フランスにしかないらしい。

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 最終的に著者は外人部隊に入ることをやめよと諭している。しかし、それでも入隊を望むものは減っていない。

 "Do as I say, not as I do."

 

Life in the French Foreign Legion: How to Join and What to Expect When You Get There

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