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『労働法のキモが2時間でわかる本』石井孝治

 労働法とは労働基準法労働組合法など労働関係の法律の総称である。労働基準法は「労働者が人並みの生活をするために必要な、最低限の労働条件の基準を定めている法律」であり、「労働者は労働基準法によって保護されて」いる。

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 使用者は、労働契約をむすぶ際に、労働者に対して賃金や労働時間等の労働条件を明示しなければならない……就職したときに「労働条件通知書」と「労働契約書」が必要となる。

 求人票や就職情報誌に掲載されている求人情報はあくまで目安にすぎない。ただし、人を釣るために極端に給与を高く提示するのは違法である。

 試用期間中であっても入社日から十四日以上経っている場合は解雇通告(一ヶ月前の)が必要である。試用期間中も労災、社会保険に加入しなければならない。

 労働基準法では「労働契約を結ぶ際に明示された労働条件が事実と異なる場合には、労働契約を解除することができる」。

 労働基準法に違反する労働契約は無効である。

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 所定労働時間とはそれぞれの会社が独自に定めた労働時間で、法定労働時間とは労働基準法によって定められた労働時間である。「使用者は、休憩時間を除いて1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させてはいけない」。例外はある。

 時間外労働とは、法定労働時間を超える労働のことである。たとえば1時間の休憩をはさんで9時から23時まで働いている社員は、法定労働時間を5時間オーバーしている。これが1ヶ月で100時間の時間外労働となる。

 朝の清掃など、「会社が強要している場合は、清掃時間も労働時間とみなされる」。

 労働基準法では、基本的に時間外労働や休日労働をさせることができない。原則禁止である。例外は……1・時間外・休日労働協定 2・非常事由 3公務のための 場合に限られる。

 「時間外・休日労働協定」は労基法36条の規定から「36協定」と呼ばれる。協定の有効期間は通常1年である。36協定で許可される労働時間の延長には限度がある。

 時間外労働、休日労働、深夜労働、その複合には、割増賃金を払わなければならない。時間外労働ではないが所定労働時間を超えている場合は、通常賃金を支払えばよい。無賃労働はありえない。

 労働時間とは「会社の指揮管理の下にある時間」のことで、待機等「手待ち時間」も含まれる。

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 休憩時間は「自由に利用させなければならない、労働時間の途中に与えなければならない、一斉に与えなければならない」。ただし、自由も休憩をだめにしない程度制限できる(パチンコ禁止など)。また業種によっては、交代制の休憩を認めている。

 「労働時間が6時間を超える場合には少なくとも45分の休憩時間、労働時間が8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩時間を与えなければならない」。6時間以下の労働時間には休憩を与えなくともよい。

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 「週休制の原則」とは「使用者は労働者に対して毎週少なくとも1回の休日を与えなければならない」とする規定である。週40時間の法定労働時間との兼ね合いで、通常は週休2日になっている。

 休暇とは「もともと労働する義務のあった日に労働義務が免除された日」のことである(有給休暇など)。休日とはもともと労働義務をおわない日のことをいう。
土日にはたらく業種等は、「変形週休制」を採用している。

 休日労働とは「それが与えられないと「週1日」という週休制の法廷基準を満たさなくなる休日に行う労働のこと」をいう。休日にならない場合も、時間外労働分の割増賃金は払わなければならない。

 休日振替は、休日と労働日をあらかじめ交換するため、その日の賃金は通常である。代休は、休日に働いたかわりに労働日を休みとするので、賃金は休日計算となる。

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 問題の名ばかり管理職に関する項。

 「管理職は、労働時間と休憩と休日に関しては労働基準法が適用にならない」という規定がある。この規定は、「労働条件の決定など、労務管理について経営者と一体的な立場で権限を持つ者、つまり経営幹部に対して適用される規定」である。

 労働時間等に関する規定が適用されないのは……1、農業・水産業 2、監督もしくは管理の地位にある者、機密の事務を取り扱う者 3、監視・断続的労働に従事する者で労働基準監督署長の許可を受けた者

 「機密の事務」とは秘書のことをさす。「監視・断続的労働」とは警備員や鉄道踏み切り番など。

 実態に照らして管理職である場合はこの規定が適用されるが、「深夜業、年次有給休暇、産前産後の休業」規定は除外されない。

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 有給休暇は給料が出る。有給休暇をとらせない会社は違法である。有給休暇をとったものにたいし減給したり不利益な扱いをしてはいけない。有給休暇を欠勤扱いにするのも違法である。

 「入社して6ヶ月の間、その8割以上出勤した人は10日間の有給休暇を取得できる」。勤続年数が増えるにつれて、日数が増えていく。労働基準法では有給休暇の上限は20日である。

 有給同様、仕事中の怪我の療養中、育児・介護などの期間も出勤したものとみなされる。

 使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない(時季指定権)、一方、使用者も都合のわるいときは制限することができる(時季変更権)。

 パートやバイトも有給はとれる。有給休暇の時効は2年である。会社側が有給を取らせるための「計画年休」という制度がある(5日間は労働者に選ばせ、5日間は会社で日にちを定める、など)。

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 賃金支払いの5原則……通貨払い、直接払い(直接労働者に払う)、全額払い、毎月1回以上払い(年俸制であっても12等分すること)、一定期日払い(期日を定めて支払いすること)。

 労働者が出産、災害、疾病など緊急時には「賃金の非常時払い」が有効となる。

「会社の都合」で労働者を休ませた場合、使用者は、休業期間中、その労働者に、「休業手当」として平均賃金の60パーセント以上の手当てを支払う必要がある。

 出来高制であっても、労働基準法では、労働時間に応じた保障給は支払わなければならない。商品が売れなければ給料ゼロといった契約は違法である。保障給は平均賃金の60パーセント以上が妥当とされ、最低賃金法によっても最低賃金が定められているので使用者はそれ以上の賃金を支払わなければならない。

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 就業規則は会社のルールブックであり、記載すべき事項には絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項がある。相対的必要記載事項は制度として存在する場合に記載しなければならない事項である。

 絶対的必要記載事項……始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇、賃金決定・計算・支払い方法、締切り、支払い時期、昇給事項、退職にかんする事項

 従業員10人以上の場合、労働基準監督署に届出の義務がある。

 就業規則は従業員に周知しなければならない義務がある。パート用の規則がないかぎり、規則はパートの人間にも適用される。

 一度決めた内容について、労働者が不利になるような変更(不利益変更)は認められない。

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 解雇とは……使用者が労働者との労働契約を、一方的に解約する意思表示である。合理的理由でなければ解雇は無効になる。また「労働者が業務上負傷または疾病し、その療養のために休業する期間およびその後30日間」は解雇してはならない。このルールには例外がある。

 一部例外をのぞいて、少なくとも30日前に解雇の予告をしなければならない。試用期間14日以内の新人社員、日雇い、2ヶ月以内の雇用者には予告は必要ない。ただしその期間を超えている場合は必要である。

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 労働基準監督署(労基署)の調査には計画に基づく定期監督と告発にもとづく申告監督がある。使用者は、告発されたことを理由に、労働者を解雇するなど不利益な扱いをしてはならない。

 労働基準監督官というのは、労働法令の司法警察職員で犯罪捜査を行う権限がある。

 労基署が会社に渡す是正勧告書を無視したり、うその報告をした場合は、検察庁書類送検される場合がある。

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 労働基準法には罰則がある。

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 法律違反をいちばんしているのは企業ではないかとおもった。

 

労働法のキモが2時間でわかる本

労働法のキモが2時間でわかる本