うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

道具の日

 きょう、残ったものは
 これからも、そのようであるもの
 わたしの顔が
 灰色になってからも、
 熱波と雨の下をくぐって、電気的な
 蚕のように、しぶとく
 糸を保持するもの。
 わたしが、きょう、その後の日に
 残していくもの。
 
 道具の手ざわりを阻む
 刃物をちらつかせる、不鮮明な
 男がいる。
 輪郭と、顔の造型が、空気にあわせて
 ゆらぐと、わたしは射撃した。

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