昼、眼がひらかなくなった、わたしたちは
眼に供給する血液を交換した
小さな、手のひらにおさまるくらいの霧吹きの
なかに自分の血を入れると、電子音が鳴り
つづいて、明るい声で、登録されたことを伝えられた
わたし、わたしの右と左に、横1列に並んだたくさんの同じような
人びとは、両手首に導体、つかいやすさを考えて
手首ベルトのつくりにしたものを装着している
金属の雲がおりてくると、太陽がかくれた、その前から
幹線道路は影になり、でこぼこの
地形にたてられた建造物が、輪郭だけをのこして黒く
変色するという
印象を受けた
坂道がじゃばら状につながっているところでは、自動車、人が
傾斜に耐えられず、よく転げ落ちた
わたしのいる列は、茶色い土のほかに何もない、たまに
変電所の跡地と、以前はでんしんばしらだった、はしら、
そういうゴミがある
前進すると、ふと、くつの裏が、土中に埋まった時間を発見して
とても長い時間待たなければいけない
サボテンと、色のある植物があらわれる
手のひらを魚群のようにゆらゆらさせて、官邸をたてるための
粘土を固めていくように指令を受けた
きょうの作業がそれだ