夜、空気の色が組み合わせを変えて黒色の
古い鉄の反射を生みはじめるころに
わたしともうひとりの警備、死んだ
魚の肉をまとって、こまかくくだかれた
骨とやわらかい器官のたましいを
はだかの表面にまぶした、武装した
すがたの2人は、とりきめにしたがって、海溝にむけて
せりだしつつある
監視塔の勤務についた
鉱石の、冷たいにおいが矢の先端でただよって
いるかとおもうと、下番した人たちの糞と
脱ぎ捨てられた化学防護服、無数の
細分化されたセンサーにおおわれて、特定の
声、とりと、きれいな昆虫と、どうぶつの
連続写真に反応する波形のもの
見落としそうになったのでわたしは手をかざした
足元には、夜露と、無音の波があり、すべての
波はうごきをやめて黒く沈み込んでいるようだ
月の発光する領域だけ、黄色いコハクになり、わたしは
村の人たちが釣りに興じているのを見た
背中にはコンクリートがあり、ひんやりとして、皮フの
熱を奪った、前方には何もない
前方にはとくにものごとがないようだ、と言ったが、もう1人の
警備は逆のことを言った
しかし、ことばが波形をゆがめてしまい、きこえない