うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

『捏造された聖書』バート・アーマン その2

 3

 聖書の写本が作られていく歴史を説明する。

 素人書記の時代から、ローマ帝国の国教化により、専門的な書記の利用と施設の整備が進められた。4世紀から15世紀、活版印刷が発明されるまでの時代の写本を「ビザンティン写本」と呼ぶ。

 比較的正確だが、かれらプロ書記が参考にしたのは、初期キリスト教時代のでたらめ文献だった。このため内容はばらばらである。

 この時代の写本はすべてギリシア語で書かれた。

 4世紀末、教皇の命によりヒエロニムスがラテン語版を製作した。これは「ウルガタ」と呼ばれ、ギリシア語写本の2倍以上の写本が現存する。

 1514年、スペインのヒメネス枢機卿グーテンベルクの印刷技術を使い、ギリシア語の『コンプルトゥム版多国語対照聖書』を出版した。

 エラスムスはほぼ同時期にギリシア語新約聖書を刊行した。かれは手近でかき集めた(信頼性の低い)写本で活字を組み、欠落した部分は「ウルガタ」のラテン語を自分でギリシア語訳して組み合わせた。かれ自らが「でっちあげた」と称する版は、その後の「欽定訳聖書」の底本となった。

 エラスムス版には、「姦通の女」、『マルコ』の最後の節、「ヨハネ断章」といった、ギリシア語版の最良のものには含まれていない部分が含まれている。

 エラスムス版を基に作られたギリシア語聖書は「公認本文Textus Receptus」(TR)と名付けられ、名前負けした粗悪なテキストとして普及した。

 18世紀以降、聖書の真正性に対する疑いが持ち上がり、テキストの信頼性を検討する潮流が生まれた。ジョン・ミルは現存する資料の中に3万カ所の異文を発見し、教会の論争を生んだ。

 改ざんの種類……偶然(ミス)によるもの、意図的なもの

 

 4
 改ざんを見抜く方法:

・より理解困難な文のほうが信頼性が高い(写字生は、よりわかりやすく、簡単な構造に修正する傾向がある)。

・写本の家系図をつくり、オリジナルに近づいていく方法。

・ヴェットシュタインは、聖書において、「イエスを神と呼んでいる箇所」がほとんど無いことを発見した。

・普及している文が、すなわち信頼性が高いというわけではない。

・ティッシェンドルフは写本探しの旅の過程で、偶然、『シナイ写本』を入手した。最も信頼性の高い写本の1つである。

・ウェストコットとホートの業績……本文批評の基礎となった。

 

 5

 改ざん発見法とその用例

・外的証拠……年代、地理的分布、信頼性の高い写本

・内的証拠……単語、文法上の特徴、わかりにくい文ほど改ざんされていない可能性が高い

 

 以下、具体的な発見例を説明する。

・『マルコによる福音書』のイエスは、自信に満ちた人物で、自分を信じない人間に対していつも怒りをあらわにしている。改ざん者は、福音書から怒りを削除した。

 

 ――すると、ここに出てくるイエスという人は、ステンドグラスに描かれているような柔和でナヨナヨとした良き羊飼いなどではないということを認めざるを得ないだろう。『マルコ』の冒頭に描かれるイエスは、肉体的にもカリスマ的にも強靭な、権威ある人物であり、向かうところ敵無しである。

 

・『ルカによる福音書』のイエスは、殉教に合っても常に平静を保つ姿を描く。この福音書は、より古い『マルコ』から、怒りの感情を削除した。しかし、後世の人間が、弟子の裏切りに際して苦悩し嘆くイエスを書き加えた。

・『ヘブライ人への手紙』では、イエスが「神から離れて死んだ」とするところを「神の恩寵によって死んだ」と改ざんした。これは誤解を恐れてだろうが、聖書の最良の版では、神の恩寵はこれから来るものであってイエスの時代に既得権益となったものではない。

 

 6

 初期キリスト教において、原始正統派は神学的理由から聖書の改ざんを行った。同時に、他の宗派も自分たちの教義とつじつまが合うように改ざんを行った。

・イエスは神ではなく単なる人だとする説

・イエスは人ではなく、神そのものだとする説

・旧約と新約の神は別であるという説

グノーシス派(物質世界は災厄によって生まれた、キリストはイエスが洗礼したときに宿り、死ぬときにイエスを見捨てて離れた)。

 

 原始正統派は、イエスと神が一体であることをその教義とする。このため、福音書においてイエスが苦悩する場面を意図的に挿入し、また、イエスが死んだときの「神から離れて死んだ」という文言を「神の恩寵によって死んだ」と書き換え、普及させた。

 

 7

 本章では、社会的な理由により改変された項目を検討する。

 

パウロのオリジナルの文書では、男女は平等であり、女性の使徒も存在した。しかし、時代が下るにつれて女性の地位は下げられていき、女性を取り上げる箇所も、書物から徐々に削減されていった。

・イエスユダヤ人である。しかし、ユダヤ教キリスト教を蔑視し迫害したため、2世紀ごろまでには、キリスト教にとってユダヤ教ユダヤ人は天敵の扱いとなっていた。

 書記たちは、イエス磔刑の際にユダヤ人を赦した、と解釈されてしまう箇所を削除した。

 聖書の改変はキリスト教における反ユダヤ主義の台頭を示す。

・異教徒との戦いについて。

 当初、キリスト教は違法ではなかった。「地下墓地での潜伏」や「秘密の魚のシンボル」等は伝説である。

 もっとも、権力ではなく、群衆からは迫害されていた。

 

 ――つまりキリスト教が迫害されたのは、かれらが健全な社会にとって有害だとみなされたからだ。なぜならかれらは社会を防衛している神々を崇拝せず、反社会的な共同生活をしてるのだから。

 

  ***

 

捏造された聖書

捏造された聖書

 

 

『捏造された聖書』バート・アーマン その1

  ◆感想

 著者は専門教育を受けた神学者だが、視点はわたしのような非信徒に近く、違和感なく受け入れられるものである。

 著者は、聖書を無謬の「神の言葉」と考える主義から、本文研究を経て、人間的な書物とみなす思想にいたった。

 神の言葉の改変については、書記たちのみが担ったわけではない。福音書の著者……ルカは、マルコの福音書を参考に、内容を改変し製作した。

 聖書の改変は、わたしたちが「言葉に接する」という行為の核心に迫るものである。

 

 ――……テキストを読むということは、必然的にテキストを解釈するということでもある。

 

 言葉を読むということはそれを解釈するということであり、すなわち各人が理解できる言葉で置き換えるということである。

 キリスト教の成立について学ぶということは西洋文明を学ぶことである。

  ***

 

 新約聖書は、写字生と印刷機による複製を繰り返し世界に普及した。その過程で改ざんや修正、ミスが蓄積されていき、オリジナルの版は失われた。

 本書は聖書が改ざんされていった歴史と、その事実の発見、聖書のオリジナルを追求する「本文批評」などを紹介する。

 著者は神学者だが非常にわかりやすい説明をしており、信徒でなくとも理解できる。

 

  ***

 1

 ユダヤ教は書物を重視する点で、他の古代多神教と異なっていた。他の宗教は、神に対する儀式と典礼がすべてだった。ユダヤ教聖典、つまり旧約聖書とその掟を重視したが、その特徴はキリスト教にも受け継がれている。

 初期キリスト教における文書とは次のようなものである。

・初期キリスト教書簡

・初期福音書

・初期の使徒言行録

・黙示録

・教会規定

・護教論

・殉教者伝

・反異端論

・注解

 こうした文書が聖典としてまとめられ、「新約聖書」となったのは367年、アタナシウスの手による。それまでは、数百年にわたって、様々な文書が利用され、各々が自分の解釈に従って文書を編纂し、また改ざんしてきた。

 しかし、初期キリスト教において字が読めるのは一部だった。字が書けてもそれが理解できないものも多くいた。文書は、信徒の前で朗読され、布告されることで権威を帯びた。

 

 2

 初期キリスト教の世界では、文書の複製は素人が担当した。当時のキリスト教徒は社会的に底辺の者が多く、プロの書記が仕事をすることはほとんどなかった。

 このため複製の際の誤字脱字、間違いが多発した。また、写字生は、整合性や神学の観点から自分で文書の改ざんを行った。

 聖書のオリジナルは、この初期キリスト教の時代を経て完全に改ざんされ、再現不可能になった。同時代の人間も、「キリスト教徒は無教養なので改ざんを繰り返している」、「写字生が自分の手紙を改ざんしている」等の不満を書き残している。

 

 ――本文批評家の仕事は、これらすべての文書にとって、そのテキストの最古の形はどんなものだったのかを決定することだ。

 

 有名な挿話……「姦通の女(「あなたたちの中で罪を犯したことのない者が、まず、この女に石を投げなさい」)」や、『マルコによる福音書』の最後の節は、後世の捏造だったことが確定している。

 

 ――……キリスト教はそもそものはじめから書物指向の宗教であり、特定のテキストを権威ある聖典として強調してきた。だが……実際にはその権威あるテキストは現存していない。つまりキリスト教とはテキスト指向の宗教でありながら、肝心のテキスト自体は改ざんされ、現存する写本の内容はお互いにてんでばらばら、それも時にはきわめて重要な点で異なっているのだ。本文批評家の使命は、これらのテキストの最古の形を発見することだ。

 

 新約聖書の真の姿を知ることは、聖書を基盤とする西洋文明を理解する上でこの上なく重要である。

 [つづく]

 

捏造された聖書

捏造された聖書

 

 

ハカ・ガーデン・ハカ

 ◆溥儀

 最近、愛新覚羅溥儀の『わが半生』を読み始めて、当時の宮廷の様子におどろいています。また、かれを光緒帝の後継者として指名した西太后の行動についても記載があります。

 

 ――慈禧太后西太后)は政権を握ったその日から外国人にたいしてははれものにさわるように用心深かった。外国人が中国の人民を殺そうが、中国の財宝を奪おうが、彼女にとってはたいした問題ではなかった。しかし外国人が康有為を保護したり、光緒帝の廃立や皇太子を立てることに反対したり、彼女の支配に直接反対したりすることはがまんのならないことであった。

 

 ――わたしは、1924年、国民軍によって追い出されるまで、ずっとこの小天地に住み、この世でもっともばかげた少年時代を送った。ばかげたというのは、中華民国と称し、人類が20世紀にはいっているのに、わたしは依然としてまったく昔のままの帝王生活を送り、19世紀から残されたほこりを吸っていたからである。

 

 メモ:

・溥儀には常に数十人の従者が絶えず付き従った。皇帝にはトイレがなく、従者が大小の便器を持ってついて回る。また大量に廃棄される食事、一度も着ない衣服のために、数百人の役人が働いていた。

・溥儀は皇帝として育てられたため他人の気持ちを理解することができなくなっていた。
・太監(宦官)が自分の命令に従うのがおもしろくて、地面の汚物を食わせたり、消火水をかけたりした。

わが半生―「満州国」皇帝の自伝〈上〉 (ちくま文庫)

わが半生―「満州国」皇帝の自伝〈上〉 (ちくま文庫)

 
わが半生―「満州国」皇帝の自伝〈下〉 (ちくま文庫)

わが半生―「満州国」皇帝の自伝〈下〉 (ちくま文庫)

 

 

 

 ◆張学良

 溥儀とは反対に、抗日活動に従事した張学良の墓があるというので、先日カネオヘのメモリアル・パークを訪問しました。

 別の日にもう1度行ったときは、台湾か中国かのツアー客が観光していました。

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 近くには平等院テンプルや日本人墓地(「Haka Garden」というそうです)もあり、天気は悪かったですがとても静かでよい場所でした。

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張学良の昭和史最後の証言 (角川文庫)

張学良の昭和史最後の証言 (角川文庫)

 

 

 

 ◆カフカ

 だいぶ昔(高校生のとき?)に読んで、特に『審判』と短編が面白かった記憶があります。

 最近、また読みたくなったのですが、以前売ってしまったため、Amazonで英訳を買い揃えました。

The Diaries of Franz Kafka, 1910-1923 (The Schocken Kafka Library)

The Diaries of Franz Kafka, 1910-1923 (The Schocken Kafka Library)

 
The Castle: A New Translation Based on the Restored Text (The Schocken Kafka Library)

The Castle: A New Translation Based on the Restored Text (The Schocken Kafka Library)

 
The Complete Stories (The Schocken Kafka Library)

The Complete Stories (The Schocken Kafka Library)

 
The Trial: A New Translation Based on the Restored Text (The Schocken Kafka Library)

The Trial: A New Translation Based on the Restored Text (The Schocken Kafka Library)

 
Amerika: The Missing Person: A New Translation, Based on the Restored Text (The Schocken Kafka Library)

Amerika: The Missing Person: A New Translation, Based on the Restored Text (The Schocken Kafka Library)

 

 

 ◆『キャッチ=22』?

 兵隊は、うそをつくな、ごまかすな、責任逃れするな、自分のチームを監督し把握しろ、などと厳しく言われる。

 それは兵隊だけでなく人間の社会全般で基本的なことのはずである。

 ところで兵隊たちの最高指揮官の行動が、ことごとく倫理に背いている場合がある。

 トップがあんなのでいいなら、では下々の兵隊は一体なんなんだと感じる。

 あれこれ厳しい建前が並べられるのは、それだけ不誠実な実態が多いからである。ごまかし、取り繕い、責任回避が堂々とおこなわれるなら、だれも後ろめたさを感じなくなる。

 

 とある州兵が少し前、「shitholeという言葉を吐く大統領などいままで見たことがなかった」と笑いながらコメントした。

 

 兵隊世界は、スローガンと建前の陰でこそこそとみっともない行動をする段階から、隠すことなく堂々と恥ずかしい行動を披歴していく段階に移りつつある。

『アメリカ精神の源』ハロラン芙美子

 カトリックである著者が、アメリカ人の宗教と精神について考える本。

 著者は長崎出身で、米国で長く勤務し、現在はハワイ在住という。

 

 合衆国は歴史の若い国ともいわれるが、移民たちの信仰はユダヤ、ローマまでたどることができ、またほぼすべてのアメリカ人が自己の宗教観、信仰、神についての考えを持っている。

 本書では、合衆国における最大宗教はカトリックであると書かれているが、一般的な認識である「最大宗派はプロテスタント」と異なる。この違いがどこから来るのかはわからないが、宗派の統計調査は必ずしも正確でないらしく、別の機会に調べる必要がある。

 アメリカの生活、社会に根付く神の概念、特にユダヤキリスト教の概念を紹介する。

 

  ***

 1

 合衆国はプロテスタントの移民によって建設された。このため、カトリックは当初、貧しいアイルランド移民やイタリア移民のものであるとして見下されていた。しかし、現在では平均所得はプロテスタントよりも高いという。

 世界各国でキリスト教は受容され、独自の慣習を発達させている。

 

 2

 感謝祭は1621年、メイフラワー号に乗ったピルグリム・ファーザーズたちが豊作を感謝するためにインディアンたちと食卓を囲んだのがその起源とされる。このときに七面鳥が料理としてふるまわれたという。

 アメリカはアブラハムの時代からの一神教の文化を継承している。

 19世紀、大覚醒と呼ばれる運動により、合衆国民の中に宗教が根付いていった。

 

 3

 アメリカの各宗派について……

・メインライン・プロテスタント……エピスコパル、メソジスト、プレスビテリアン等、英国系が中心。

カトリック

福音主義諸教会……南部バプテストが代表、ファンダメンタリストも含まれ、しばしば論争を生む。

アフリカ系アメリカ人の教会……大多数はプロテスタント

ユダヤ教

モルモン教……ジョセフ・スミスにより19世紀に成立。愛国心、家族、勤勉。

エホバの証人……世俗の国家への政治参加や軍隊参加を禁止するが、税金は納める。

セブンスデー・アドベンチスト教会……エホバの分派。

 

 4

 礼拝と説教は、アメリカ人の宗教生活の中心をなす。

 著名な説教者……ビリー・グラハムキング牧師、その他。

 

 5

 政治と宗教のかかわりについて。

 リベラル主義者は、宗教が政治に介入することを嫌う。一方、ファンダメンタリストは、宗教による社会の再建を主張する。

 

 ――宗教組織の権威を嫌う人たちに共通しているのは、その権威を代表する聖職者や信者から自らの道徳価値観を裁かれることへの反感である。ファンダメンタリストの特徴として、それを批判するアメリカ人があげるのは、他人の道徳的価値観を裁く資格があるかのようにふるまう態度ということになる。

 

 6

 ユダヤ教について。

 最初のユダヤ教徒はドイツ移民であり、ヨーロッパにはオーソドクス(正統派)が多かった。やがて、アメリカに渡ってきたドイツ・ユダヤ人たちが、社会に適応するためにリフォームド(改革派)と呼ばれる世俗的な宗派を拡大させた。

 一方、キリスト教と見分けがつかなくなった改革派に抵抗し、保守派が生まれた。

 ユダヤ人の定義……母系がユダヤ人であればユダヤ人、改修すればユダヤ人。

 

 7

 アメリカでは宗教団体や民間事業による慈善活動が活発である。キリスト教系慈善団体は、政府にすべてを頼るということをよしとしない。

「隣人を助けるのは市民1人1人の責任だと思います」

 

 ――国民の税金を使ってホームレス救済をするのはまちがっています。税金は納税者が必要とするプログラムに使うべきです。ただでさえ、税金を払うのは大変なんですから。それに政府の援助を受ければ、法律上、宗教伝道ができません。わたしたちは完全に民間事業で、政府からは何の援助も受けていないから、信じることを自由にできるわけ。わたしたちがこういう活動をするのは、あくまでイエスの教えを実行したいからです。

 

 福祉政策の取り組みにも関わらず、アメリカの貧困問題は深刻化するばかりである。宗教を排除した福祉行政哲学の限界があるのではないか、と著者は指摘する。

 

 8

 キリスト教会と女性差別は一体だった。マグダラのマリア研究を始めとする近年の潮流は、虐げられてきた女性像を再検討するものである。

 

 9

 合衆国における奇跡、天使のブームについて。

 著者は、アメリカは世俗的価値観、宗教的価値観(信仰、罪、終末論等)、そして超常現象や夢、無意識を重んじる価値観の三重構造からなっていると考える。

 

 10

 アメリカは、国教はないが実際にはユダヤキリスト教の国である。国民は自己の中に確固たる神の観念を抱いている。60年代、体制に対して反抗した世代が、教会に回帰するという現象も起こっている。

 

 ――合衆国憲法のいう「政教分離」は宗教が政治に介入するのを違法とする意味ではなく、国家が特定宗教あるいは教会を国教としないと宣言したから、国民の信仰の自由が保障されたという意味である。

 

 

アメリカ精神の源―「神のもとにあるこの国」 (中公新書)

アメリカ精神の源―「神のもとにあるこの国」 (中公新書)