La Casa
La Casa / The Cosmological Fort - YouTube
以下抜粋:
'場面、森、塔のふもと
3人は湿った草むらのなかにもぐりこんで、やはり、例の遺跡にやってきた。
わたしには、ひとつの目的がわかった。
わたし「この土台、石垣、夢で見たものとおなじだ」
N氏「ここにつれてきたおぼえはありませんが」
わたし「さっき、夢のなかでこの場所にきた」
わたし「ここに塔をたてなければならない」
N氏「何がですか」
わたし「ここに塔をたてます」
わたしは、からだの神経から、脳みそスポンジまでの、すべての部位、あらゆる駆動部、制御信号に対して、大変なことがおこなわれているのを感じとった。
わたしは塔の建設者として、重大な仕事をまかされた。
この仕事のために、わたしの物理からだと脳みそは、塔の持ち主の指令をうけとるようになった。
これは大機械の指令をうけておこなわれる労働だ、建設だ、とおもった。
わたし「今後、わたしはここで塔の建設をすすめていきます」
ポケットからハンカチをだした。
***
わたし「わたしの労働は、塔を建設することです。それが唯一の、正しい労働で、それ以外のあらゆる労働は、ぜんぶ正しくない」
***
N氏「人間レンガの塔、すばらしい、子供のからだを加工したものの、つみかさねのすがた」
いつの間にか、コテージの照明は消えて、外部の発電機の音もなくなった。
N氏の頭部が、ともしびのなかから浮かび上がる。
N氏「塔をつくるには、レンガ、素材が必要だ」
わたし「はい」
N氏はいったい何がいいたいのだろう。N氏は……それについてはよくわからなかった。
***
人間レンガは、しっかりと、重さ、かたさをもっている。
色合いは、黒大理石のように見えなくもない、ところが、空が白んできて、太陽光を浴びると、青とも、茶色とも判別しがたい、めずらしい材質が明らかになった。