うちゅうてきなとりで

The Cosmological Fort 無職戦闘員による本メモ、創作、外国語の勉強その他

指と糸きれ

 電気のない部屋に
 黒い、
 ヌビア人の手。
 人間レンガのひび割れた
 稲妻文様から
 わたしの太陽光線と
 雨の空気が
 さしこんだ。

 
 古い幕舎にも
 その日の配給が
 なされた。

 
 わたしたちは、胃の壁に
 指でこすりつける程度の
 ほどこしを受け取った。

 
 口からは
 蟹の泡と、うそがあふれ出している。

f:id:the-cosmological-fort:20170415235238j:plain